概要・あらすじ
「厄災」とは、10年10か月10日ごとの日蝕に現れ、地上すべての生命を喰らい尽くす闇の存在である。厄災による大虐殺を鎮める唯一の方法が、「カミサマ」と呼ばれる生贄を差し出す事であった。厄災の3日前、聖統教団の元老院から、グランドマスター、グラムにカミサマ護送の任務が告げられる。今回、カミサマとしてお告げがあったのは、なんとグラムの妹のスレシアであった。
10年前、厄災に両親を殺されたグラムは、スレシアを守る力を身につけるために、聖統教団に入団した。そしてメキメキと力をつけ、グランドマスターという、教団NO.3の座についたのだ。皮肉な運命だが、スレシアが犠牲にならなければ世界は破滅する。いずれにせよ彼女は死ぬ運命なのだ。自分の事より、他人の事を気にかける心優しいスレシアも自分の役割を受け入れていた。
護送も無事終わり、いよいよ日蝕の日。スレシアは祭壇の上で、まさに死を迎えようとしていた。妹の最後を見届けようとするグラムに、教団の師匠である、ガーディアン、ガライが信じられない事実を告げた。カミサマは運命的に決まるのではなく、元老院の連中により、恣意的に選ばれているのだという。
カミサマは誰でもよかったのだ。真実を知ったグラムは、教団に反旗を翻す決意をする。世界中の人間がどれほど犠牲になろうとも、スレシアの命を守る事だけを誓うのだった。