Z MAN -ゼットマン-

Z MAN -ゼットマン-

人類によって生み出されながらも人類を脅かす存在になってしまった新生命体に対し、1000年の時を経て目覚めた1人の少年が戦いを挑む。戦いの旅を続ける中でさまざまな仲間の助けを受けながら、人類の生きる道を切り開いていく少年の姿を描いたファンタジーバトル漫画。「月刊少年ガンガン」1991年5月号から1995年11月号にかけて連載された作品。

正式名称
Z MAN -ゼットマン-
ふりがな
ぜっとまん
作者
ジャンル
ダークファンタジー
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概要・あらすじ

ナナシは1000年の時を超え、人類によって開発されたはずの新生命体であるイーデアが、逆に人類を蹂躙している世界で目を覚ました。かつての記憶のないナナシは、イーデアに襲われるヤティマ・ティ・ボウやその仲間たちの救出の際に自分の存在意義を知り、それをきっかけに自分の過去を知る旅を始める。そして旅の途中で出会った仲間たちの話や、行く先々でのイーデアとの戦いを通し、ナナシは自分の過去を少しずつ取り戻していく。

やがてナナシは、出会った仲間たちとともに、イーデアを統率する邪神たちとの壮絶な戦いに挑むこととなる。

登場人物・キャラクター

ナナシ

1000年ぶりに目覚めた少年。感情の高ぶりによって内に秘めるZの力が発現すると、攻撃力、防御力、スピードが格段に向上する。イーデア・D・デシベルからヤティマ・ティ・ボウやその仲間たちを護った際、暴走したイーデアから人類を救う「ゼットマン」として生きることが、自分の存在意義であることを知り、それをきっかけに過去の記憶を求めて旅に出ることを決意する。 「ナナシ」という名前は本名ではなく、記憶を失っていた彼に対してヤティマが付けたものである。1000年ぶりに目覚めたためか、舌足らずなしゃべり方をする。

ヤティマ・ティ・ボウ (やてぃまてぃぼう)

ナナシを1000年ぶりに目覚めさせた少女。住んでいる村の外へイリヤと一緒に薬草を取りにいった際、イーデアに襲われたが、ナナシに助けられた。村の人間がナナシの強大な力を恐れる中、彼を人類を救う神様だとしてずっと寄り添うなど、優しさと強い信念を併せ持つ。ナナシに人の心の暖かさ、愛することの素晴らしさを、初めて教えた人物でもある。

イリヤ

ヤティマ・ティ・ボウの知人の男性。住んでいる村の外へヤティマと一緒に薬草を取りに行った際、イーデアに襲われたが、ナナシに助けられた。当初はイーデアをあっさりと倒したナナシの力を恐れていたが、彼は人類を救う神様だというヤティマの言葉に納得し、ナナシを受け入れる。

イーデア・A・アジャン・タトゥー (いーであえーあじゃんたとぅー)

六芒聖神の少女。「A」の刻印が入った生命核を持つイーデアであり、装備した独立戦闘ユニットによる高い飛翔能力と敏捷性を身につけている。さらに独立戦闘ユニットから発射される結界鋲により、複数の敵を一度に相手にすることができる。生贄の娘に扮して待ち伏せしていたナナシとザクーの前に現れた。

ギャンザ・マシュー (ぎゃんざましゅー)

イーデアに対して強い嫌悪感を持つ青年。ギャンザ・マシュー自身の魂の力を具現化した獣神イースターに、イーデアを喰らわせるという戦闘スタイルで戦う。獣神イースターは戦闘時以外は卵型になり、人間になりすましたイーデアの正体を暴くためのセンサーとして働く。

リボル・G・ガンダー (りぼるじーがんだー)

身寄りのない子供たちの父親代わりとなって暮らしている中年男性・イーデア。その正体は「G」の刻印が入った生命核を持つ、六芒聖神の1人である。3か月かけて作った牧場で、ともに暮らしている家族を大切にする一方で、人の色恋沙汰や家族以外の女性にちょっかいを出すエロオヤジ的な側面も持つ、騒がしい人物。

ディノック・ボウ (でぃのっくぼう)

ヤティマ・ティ・ボウの実兄。イーデアに対して敵意を抱き、ヤティマや自分が住んでいる村とその住人を守ることを強く誓っている。ナナシの超人的な力を見てイーデアと同じ災いを呼ぶ悪魔と断言し、戦った直後で空腹状態のナナシを殴り、村の牢屋に入れた。

ザクー

「チャド」という街の外れにある森に住む男性。森の中で空腹により倒れたナナシを助け、家に運び入れた。街の平和のため、娘を連れ去る悪魔退治にナナシとともに挑むなど、人一倍強い正義感を持つ。

シーマ

西の地へと向かっていたナナシたちの前に突如現れた少女。自分が住む村がイーデアに襲われ、1人で必死に逃げて来たと語る。獣神イースターはイーデアと検知しなかったものの、ギャンザ・マシューには、こんな場所に1人でいるのはおかしいと、シーマ自身がイーデアなのではないかと疑われる。

サラ

リボル・G・ガンダーを「パパ」と呼ぶ幼い少女。イーデアによって家族を失った他の少年や少女とともに、ガンダーが作った牧場に住んでいる。ガンダーにどこにも行ってほしくないと考えており、ガンダーもまたサラを溺愛している。

イレイズ

Zの印を1000年以上守ってきた男性・イーデア。相手の肉体年齢や、人間かイーデアかを一瞬で見抜けるサーチ能力を宿した瞳を持つ。邪進化したイーデアを滅ぼすという運命を果たすためなら、たとえそれが非人道的な手段であってもためらわずに遂行する。

OZ (おず)

六芒三邪神の1人で、「O」の刻印が入った生命核を持つ少年・イーデア。幼い姿をしていながら、同じ六芒三邪神であるマゼンダとN・ガイストの戦いを一瞬で制止できるほどの力がある。この世のすべてを「自分を楽しませるオモチャ」としてしか見なしておらず、目的を達成するためなら人間を奴隷として働かせることも、殺すこともためらいなく行う。

マゼンダ

六芒三邪神の1人で、「M」の刻印が入った生命核を持つ男性・イーデア。普段は女性のような口調で話しているが、顔を傷つけられると怒りが頂点に達して男性口調になる。OZとN・ガイストとともに聖地アルカディアにいることが多いが、それとは別に自分の城を所有している。その城の内部に、自分が戦う姿を大勢の部下が見られるようにコロシアムを作ったり、強い相手と戦うと魂が熱くなるなど、無類の戦闘好きである。

N・ガイスト (えぬがいすと)

六芒三邪神の1人で、「N」の刻印が入った生命核を持つ。優れた剣技によって敵を圧倒するだけでなく、水を操って自分の身を護る結界を作ることもできる男性・イーデア。その力はマゼンダと堂々とタイマンを張れるほどである。「弱者とて油断すると痛い目にあう」とOZに説いたり、相手が敵でも、素晴らしい技は褒めたりするなど、独特な勝負論も持っている。 普段はOZとマゼンダとともに聖地アルカディアにいるが、OZやマゼンダとは別に自分の居城がある。

神官モリモト (しんかんもりもと)

邪進化した男性・イーデア。ナナシの動向を常に監視しており、自らが仕える六芒三邪神に逐一報告をする。またナナシと直接闘うイーデアの支援を行う。人間を徹底的に管理できる洗脳システムなどを作る優れた技術を持つ。反面、戦闘能力はそれほど高くなく、分が悪くなるとすぐに撤退する。

イーデア・D・デシベル (いーであでぃーでしべる)

「D」の刻印が入った生命核を持つ六芒聖神の1人だったが、邪進化してしまった男性・イーデア。ヤティマ・ティ・ボウを部下のイーデアに襲うように指示した。ナナシを着実に倒すために、ヤティマを人質にするように部下に指示するなど、卑劣な手段を取ることを厭わない。

イーデア・K-5 (いーであけーふぁいぶ)

かつては六芒聖神の従属神であったが、邪進化した5体のイーデア。いずれも老人男性の姿をしている。マイナス250度の息を吹き付けて、人間を一瞬にして凍らせる。また、深いダメージを負っても、すぐに再生する回復力を持つ。

タイタロス

OZが生み出した殺戮巨大兵器。高さ58m、重量は300t。1つの街を一瞬にして破壊する光線を放つなど圧倒的な攻撃力を持ち、多くの攻撃を受けてもものともしない分厚い装甲も持っている。

ヒルダ

邪進化した女性・イーデア。N・ガイストの従属神の1人で、非情の心をもって人間の身も心もズタズタに切り裂く冷徹な悪魔と呼ばれていた。しかしのちに人間への対応が変わり、神官モリモトに、まるで別人と言われるようになる。

テツシ

ヒルダの下についている男性・イーデア。人間の身体をいとも簡単に引き裂く鉄の指を持ち、「聖戦士」を自称している。人を生きたまま捕えることを命ずるヒルダの考えに反発し、勝手な自己解決と判断で人間を殺すことを楽しんでいる。

P-PIT (ぴーぴっと)

邪進化したイーデアで、従属神の1人。見た目からすでに人の姿ではなく、性別は不明。リボル・G・ガンダーが打ち込んだ渾身の弾丸をすべて跳ね返すほどの非常に弾力性に優れた身体を持つ。しかし自分の身体が乾いてしまうと、その性質が失われてしまうため、乾燥を極度に嫌っている。

場所

聖地アルカディア (せいちあるかでぃあ)

六芒三邪神の拠点であり、OZがすべてを支配する居城。人間の生命力を取り込むために捉えた人間に恐怖を与える工場がある。邪進化した5万8000体のイーデアが、強固な防衛陣を張っている。

禁断の地 (きんだんのち)

非常に分厚い巨大な雲に覆われた荒れ地。雷や竜巻によって多くの死者を生み出し、何人たりとも立ち入ることができない死の荒野と呼ばれている。この地を越えた先に人類の理想郷があると信じられている。

その他キーワード

Zの力 (ぜっとのちから)

Zの全エネルギーをプラズマの矢にしながら打撃とともに放射し、イーデアの生命核を破壊する力。人間に対しては無害なため、イーデアが人間を盾にしても、イーデアだけを倒すことが可能。1000年前のMOTHERの暴走を止め、地球が滅びないようにMOTHERと地球の一部を切り離した力でもある。

結界鋲 (めがしーるど)

イーデア・A・アジャン・タトゥーの装備した独立ユニットから放たれる複数の小さな飛行物体。それぞれが縦横無尽に彼女の周りを飛び交いながら、彼女の意思に従って、ある時は敵をレーザーのように貫き、ある時は巨大かつ強靭な結界を張るなど、非常に活躍の場が広い武器である。

獣神イースター (じゅうしんいーすたー)

龍の姿に似た獣を呼び出すギャンザ・マシューの超魔術。呼び出された獣の体長は20m前後だが、そのうち頭部だけで7.5mもある。その巨大な頭部から繰り出される攻撃は圧倒的なパワーを誇る。かつ俊敏力もあるため、一度目をつけられてしまうと逃げることは困難である。ただギャンザの肉体や精神の状態に左右されるため、ギャンザ本人にダメージが入ると、獣神イースターの動きも鈍くなる欠点がある。

Z (ぜっと)

MOTHERとイーデアを緊急停止させるために人類が生み出した回路。ヤティマ・ティ・ボウいわく、Zにはすべての終わりとすべての始まりという意味が込められている。

Zの印 (ぜっとのしるし)

禁断の地に存在する、全長3kmにおよぶ巨大なコマ。中心部には球体メカがいくつもあり、それらによって動いている。ナナシが過去を知るため、そして刻印の入った6つの生命核を1つにするために必要不可欠な鍵である。

イーデア

人類が生体工学の粋を集めて創り出した生命体。自分で判断して行動するため、人間がこれまでやってきた労働の大半を任されるようになる。創り出された当初は人間とともに喜びを分かち合い、協力し合う関係が築かれ、人類の文明はさらに発展すると考えられていた。

生命核 (ばいおこあ)

イーデアの命の源泉であり、人間ならば心臓部にあたるもの。これが破壊されると、その肉体も消滅する。生命核には優劣があり、刻印の入った生命核が最上位である。

MOTHER (まざー)

増加するイーデアを管理するための巨大なコンピュータ。地球全域に張り巡らされたネットワークの中核を担っており、イーデアが人々の生活を助けるように、という人類からの命令を受けていた。

六芒聖神 (ろくぼうせいしん)

イーデアを統率するMOTHERが生み出した6体のイーデア。6体には水を始め、地・火・風・識・空といった、地球のすべての元素と心理を具現化した力のいずれかが与えられた。この他のイーデアを凌駕する力により、人間とイーデアの共存の道を見守る使命を託される。

刻印 (こくいん)

イーデアの頂点である六芒聖神の生命核に刻まれた印であり、六芒聖神の力の源。その印は「A」「D」「G」「M」「N」「O」の6つのアルファベットのいずれかで表され、それぞれに応じて「Aの刻印」というように呼ばれる。

邪進化 (じゃしんか)

MOTHERの暴走によってイーデアが持っていた優しい心が悪の心へと変わり、人を襲うようになってしまった状態。邪進化したイーデアにとって上位の生命核の命令は絶対であり、背く者には死が与えられる。

生命力 (あばす)

生命が生きるために必要な力。邪進化したイーデアにとって、唯一自身の生命維持のための食糧でもある。多くの邪進化したイーデアは、人間そのものを直接食べて生命力を摂取しているが、生命力はその人間自身の肉体が傷つくと質が落ちるとされる。一方で絶望的な精神的苦痛を味わわせると、邪神化したイーデアの生命維持のみならず、パワーアップをも導くほどに質が格段に上昇する。

六芒三邪神 (ろくぼうさんじゃしん)

六芒聖神のうち、邪進化したOZ、マゼンダ、N・ガイストの3体を指す。マゼンダいわく、六芒三邪神はこの世の神であり、万物の頂点。聖地アルカディアを拠点として主に活動している。

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