女王エリザベス

女王エリザベス

イングランドの黄金期を築いた女王エリザベス1世を題材にした歴史漫画。エリザベス1世の前半生をクローズアップしており、さまざまな苦難を経て女王となった彼女が女性としての幸せを捨て去り、絶対君主となる決意をするまでを描く。原作・脚本・構成は池田理代子。

正式名称
女王エリザベス
ふりがな
じょおうえりざべす
原作者
池田 理代子
作画
ジャンル
自伝・伝記
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概要・あらすじ

イングランド国王であるヘンリー八世は、侍女のアン・ブーリンと結婚するため、王妃であるキャサリンを追放。これに伴い、王妃との離婚を認めないローマ・カトリックから離れて、プロテスタントのイギリス国教会を設立する。晴れてイングランド王妃となったアンは王女エリザベスを出産するが、男子の誕生を渇望するヘンリー八世は落胆。

続いて身ごもった子も死産だったため、ヘンリー八世は完全にアンに幻滅し、新たな王妃を迎えようとアンに姦通の疑いをかけてロンドン塔に幽閉する。これにより、エリザベスは幼い身ながら母親と引き離されてしまう。のちにイングランドに黄金時代をもたらすことになる偉大なる女王の苦難の人生の始まりであった。

登場人物・キャラクター

エリザベス

イングランドを世界最強の国家へと押し上げた偉大なる女王。ヘンリー八世の次女として生まれるが、幼い頃に母親のアン・ブーリンが姦通の疑いで処刑され、自身もまた追放の身となってしまう。父親の死後も女王となった腹違いの姉であるメアリに憎まれ、反逆の容疑でロンドン塔に幽閉されるが、メアリが死去したため25歳の時にイングランド女王として戴冠。 イングランドを統べる統治者たらんと意気込むが、しょせんは女と近臣たちに軽んじられ苦しむ。実在の人物、エリザベス1世がモデル。

ロバート・ダドリー (ろばーとだどりー)

エリザベスの恋人。エリザベスが王女だった頃から扈従として仕えており、やがて恋愛関係となった。女王の座に就いたエリザベスの心の拠りどころであり、ロバート・ダドリー自身もまた彼女のことを深く愛しているが、女王の愛人であることは周知の事実であり、貴族たちの偏見の目にさらされ苦悩する。実在の人物、ロバート・ダドリーがモデル。

メアリ

イングランド国王であるヘンリー八世の長女。腹違いの弟のエドワード六世が早世したため、イングランド女王に就任。ローマ・カソリック支持の立場を取り、プロテスタントを激しく弾圧したことから「血まみれメアリ」と呼ばれた。母親のキャサリンが追放される原因となったアン・ブーリンと、彼女の娘であるエリザベスのことを激しく憎んでおり、エリザベスを抹殺するべく彼女をロンドン塔に幽閉する。 実在の人物、メアリ1世がモデル。

アン・ブーリン (あんぶーりん)

ヘンリー八世の2番目の王妃でエリザベスの生母。一介の侍女だったがイングランド国王のヘンリー八世に見初められ、寵愛を受けるようになった。野心家で愛人の立場に甘んじることを望まず、ヘンリー八世に正妃の地位を要求。前王妃のキャサリンに代わって強引に王妃の座に就くが、王子を生むことができなかったため男子の誕生を望むヘンリー八世から次第に疎まれるようになる。 実在の人物、アン・ブーリンがモデル。

ヘンリー八世 (へんりーはっせい)

イングランド国王でエリザベスやメアリの父親。愛人のアン・ブーリンを正妃にするため、キャサリン王妃との離婚を認めない枢機卿のトーマス・モアを死刑に処し、ローマ・カトリックから離脱。自らイギリス国教会の長となった。男子の誕生を渇望しており、多大な犠牲を出しながら王子を生むことができなかったアンにやがて失望。 ジェーン・シーモアを新たな王妃とするべくアンの排除を目論む。実在の人物、ヘンリー8世がモデル。

キャサリン

ヘンリー八世の最初の王妃でメアリの母親。スペイン国王フェルディナントの王女でヘンリー八世の兄に嫁ぐが、前夫が早世したためヘンリー八世に再嫁した。第1王女のメアリを生むが、自身の侍女であったアン・ブーリンに王妃の座を奪われイングランドを追放される。実在の人物、キャサリン・オブ・アラゴンがモデル。

バーリー卿 (ばーりーきょう)

エリザベスの重臣。メアリが危篤となった際、正当な王位継承権を持つエリザベスの戴冠を主張し、カトリック派で反エリザベスの立場を取るノーフォーク公と対立した。女王となったエリザベスに忠実に仕えるが、イングランド王家の安定のためには頼るべき夫君の存在が必要と考えており、女王にヨーロッパ王家の子息との結婚を勧める。 実在の人物、ウィリアム・セシルがモデル。

ノーフォーク公 (のーふぉーくこう)

イングランドの名門貴族。カトリック派でメアリのプロテスタント弾圧に協力。エリザベスが女王となった後もスコットランドのメアリ・スチュアートを王位に就けようと、ローマ・カトリックの勢力をバックにエリザベスの暗殺を企む。実在の人物、第4代ノーフォーク公トマス・ハワードがモデル。

フランシス・ウォルシンガム (ふらんしすうぉるしんがむ)

プロテスタント派のイングランド貴族。プロテスタントを弾圧するメアリが女王となったためフランスに亡命するが、親プロテスタントの立場を取るエリザベスの戴冠を知りイングランドに帰国した。かなりの切れ者でエリザベスに君主の資質を見出し、彼女に非情になるよう促す。実在の人物、フランシス・ウォルシンガムがモデル。

フェリペ二世 (ふぇりぺにせい)

メアリの夫。カトリック大国であるスペインの国王で、妻のメアリとともにプロテスタントに激しい弾圧を加える。メアリが子を産むことができぬまま体を壊したため、彼女と離縁してスペインに帰国するが、自身の子をイングランドの王にするという野望を捨ててはおらず、新たに女王となったエリザベスに再婚を申し込む。実在の人物、フェリペ2世がモデル。

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