概要・あらすじ
江戸時代。若い侍、十次郎は古書店で鍵のついた死人帳を見つける。鍵をこじ開けてみると、死者が死神から受け取る書物で死後の心得が書かれていた。興味を持った十次郎は、発行元の住所を訪ねるが誰もいなかったため、仕方なく自宅の住所を書き残して去る。するとその夜、あの世から死神がやってきて、死人帳を見たものは死の世界に送り込まれるのだという。
死の世界へ連れて行こうとする死神に、十次郎は将棋を一戦交えたいと懇願する。将棋好きであった死神はこれを快諾。十次郎の命を懸けた将棋勝負が始まった。
登場人物・キャラクター
十次郎 (じゅうじろう)
武家の二男。怠け者で暇を見つけては趣味の将棋を指す。お城勤めが決まり、お花番という役職につくことになる。お城勤めの前日、古書屋で死人帳を手に入れたことで、冥土へ行く宿命を負うことになる。
死神 (しにがみ)
『妖棋死人帳』の登場人物で、人間の魂を冥土へ運ぶ。死人帳を読んだ十次郎を死の世界へ連れて行こうとする。無類の将棋好きで、十次郎に将棋を申し込まれて快諾する。日本棋院八段の実力で、十次郎を追い詰める。
毒娘 (どくむすめ)
主人公である十次郎が勤める城にある毒の園で飼われる美しい娘。生まれた時から毒の園におり、少しずつ毒を食べることにより、全身が毒の塊になっている。敵将暗殺のために育てられた秘密兵器。十次郎はその境遇を気の毒に思い同情する。
その他キーワード
死人帳
『妖棋死人帳』に登場する死者の書。表紙が鉄でできていて鍵がかかっている。本来は死んだ人間が死神から渡されて読む書物で、死神が長い間無くしていたものだという。