あらすじ
りなと成田の同居生活がスタート
秘書課に勤務している谷りなは、仕事も見た目も完璧な女性だと周囲のあこがれの存在ながら、実は自宅では非常にだらしなく、ゴミが散乱する部屋で自由気ままに過ごしていた。そんなある日、りなは階段から落ちそうになり、誤ってスカートを破いてしまう。そこに偶然通りかかった成田海斗が、りなの下半身を隠すためにジャケットを貸してくれたことで、二人は知り合いになる。その後、りなと成田はエリカが主催する社内飲み会で再会し、泥酔したりなを心配した成田は、彼女を部屋まで送ることとなる。これにより、りながゴミだらけの部屋で暮らしていることを知った成田は、この秘密をばらされたくなければ、自分の新居が見つかるまでこの部屋に住まわせて欲しいと信じられない交換条件を提示する。りなはしぶしぶこの申し出を受け入れるものの、彼の家事スキルの高さを知って好感を抱く。その後、りなは新居を見つけて引っ越そうとする成田を引き留め、家事をしてくれることを条件にこのままいっしょに住もうと話を切り出す。こうして二人の同居生活がスタートするが、潔癖症の成田と適当で無精なりなでは価値観や考え方が違い過ぎ、二人はたびたび衝突する。
あこがれの久我山と急接近するりな
谷りなと成田海斗の同居生活は、少しずつ落ち着きを見せ始めていた。そんなある日、りなは以前から行きつけの食事処「マグカッポウ」で、密かにあこがれていた、同じく常連客の久我山理と会話をするようになる。さらに、りなは社長に同行した企業のパーティーで久我山と再会し、その後も何かと顔を合わせる機会が増えていた。久我山もりなに好感を抱いており、久我山からの積極的なアプローチもあって二人の関係は急接近する。久我山と親しくなったことに浮かれるりなに対し、成田は思わず嫉妬してしまう。このまま久我山にりなを取られたくない思いから、成田は自分もりなを異性として意識していると告げる。そんな中、りなは久我山から正式な交際を申し込まれ、成田と同居するのはやめて欲しいと言われてしまう。
成田と久我山のあいだで揺れ動くりな
成田海斗と久我山理の二人から交際を申し込まれた谷りなは、気持ちが揺らいでいた。思い悩んだ末に、りなはずっとあこがれていた久我山を選び、成田は同居する部屋を出ていく。しかし一人になった部屋で、りなは成田が大切な存在であることに気づかされ、久我山からの告白を断って同居を続けることを選択。こうしてりなは成田と同居を続けることになったものの、まだ心の中には久我山への気持ちが残っており、成田からの好意を素直に受け入れることができないでいた。また、久我山もりなが成田と正式に交際をスタートさせるまではあきらめないと彼女に伝え、引き続き積極的なアプローチを続けるのだった。そんな中、エリカの思いつきで、りなの自宅でホームパーティーをする計画が持ち上がる。
成田の海外赴任
谷りなは相変わらず誰とも交際はしていないものの、成田海斗との同居生活に幸せを感じていた。そんなある日、突然成田はりなに対して冷たい態度を取るようになる。不安になるりなに対して、成田はインドネシアに赴任する辞令が出たことをりなに告げる。りなは成田と遠距離恋愛になる現実を目の当たりにして、自分は久我山よりも成田に心惹かれていることに気づき、初めて彼に好きだと自分の気持ちを伝える。こうしてりなと成田の交際がスタートするものの、成田の海外赴任により二人は離れ離れになってしまう。
りなと成田の未来
成田海斗の海外赴任の話はなくなり、谷りなと成田はこれまでどおり同居生活を続けていた。りなは、これまで散々だらしない一面を見せていたものの、正式に交際をスタートさせたことで、緊張して落ち着かない日々を送っていた。そんな中、りなの周囲では出産や結婚などおめでたい話が相次ぎ、りなも自らの将来について真剣に考え始めるようになっていた。そんなりなの考えを察した成田は正式に彼女にプロポーズし、二人は婚約することとなる。りなの両親には快く結婚を受け入れてもらったものの、成田の両親のそっけない態度に、りなは結婚を反対されているのではないかと思い悩んでいた。そんなりなに久我山理はあえてプロポーズをすることで、彼女の成田への気持ちを再確認させ、自らは静かに身を引くのだった。こうしてりなと成田は無事結婚することになり、結婚式の準備が進んでいく。
登場人物・キャラクター
谷 りな (たに りな)
一般企業の秘書課に勤務している20代の女性。仕事のスキルも高く、容姿端麗なことから、「完璧な大人の女性」だと周囲から認められている。その一方で自宅では非常にだらしなく、ゴミだらけの部屋を掃除もせず、いいかげんな食生活を送っている。その秘密を成田海斗に知られてしまい、公にしない代わりに、同棲していた彼女と別れたことで住む家のなくなった成田と数日間の同居生活をする羽目になる。その生活の中で成田の家事スキルの高さに感動し、以降もいっしょに住まないかと誘い、本格的な同居生活をスタートさせる。マスターが経営している食事処「マグカッポウ」の常連で、同じく常連で密かにあこがれていた久我山理と親しくなる。以降、成田と久我山から好意を寄せられ、二人のあいだで気持ちが大きく揺れ動く。
成田 海斗 (なりた かいと)
谷りなと同じ会社の営業部に所属している20代の男性。りなよりも年下。予想外のアクシデントでりなのスカートが破れてしまい、その場に偶然居合わせた際に、自らのジャケットを貸して彼女を助けたことで知り合う。その後、同期入社でりなの後輩でもあるエリカを通じてりなと親しくなる。そんな中、社内ではいつも完璧に振る舞っているりなが、プライベートではだらしのない生活を送っていることを知ってしまう。その秘密を周囲に言わない代わりに、同棲していた彼女と別れて住む場所がないため、一時的に同居させて欲しいと交換条件を提示。生活を共にする中で、りなにその家事スキルの高さを認められ「嫁にしたい男」との評価を受け、そのまま同居を続けることになる。表向きはさわやかで紳士的な振る舞いを見せる好青年を演じているが、裏では計算高く毒舌な一面を持つ。また、潔癖症であることから虫が大の苦手。同居をスタートさせた当初は、りなと考え方や価値観の違いで衝突していたが、次第に自分にはない価値観を持つりなに心惹かれていく。
久我山 理 (くがやま おさむ)
谷りなが勤務する会社の取引先である一流企業に勤務している男性。マスターが経営している食事処「マグカッポウ」の常連で、りなから一人で食事をしているところを何度か目撃されており、密かにあこがれられていた。マスターの計らいでりなと会話を交わすようになり、さらに企業のパーティーで顔を合わせたことで急接近する。りなと成田海斗が同居していることに最初はショックを受けたものの、最終的に自分を選んでくれればいいと、積極的なアプローチを繰り返している。さわやかな人柄と整ったルックスから、本名を知らなかったりなには当初「王子」と呼ばれていた。
エリカ
谷りなと同じ会社の秘書課に所属している20代の女性。りなの後輩。成田海斗とは同期入社で、業務上はあまり接点はないものの、つねに連絡を取り合って飲み会を計画するなど親しくしている。華やかな雰囲気とかわいらしい容姿の持ち主で、会社の男性からアプローチを受けることも多い。しかしエリカ自身は、お金持ちの男性との結婚を狙っているため、その対象ではない堺などをうまくあしらっている。りなのことを外見も内面も完璧な大人な女性としてあこがれており、たびたび食事に誘ったりして慕っている。
堺 (さかい)
谷りなと同じ会社の営業部に所属している20代の男性。成田海斗の同僚。明るく素直な性格で、会社ではムードメーカー的な存在。好意を寄せているエリカに近づくために社内で飲み会を企画し、飲み会に参加したりなと顔見知りになる。成田とは親しい間柄ながら、りなと同居していることには気づいていない。また、場の空気を読むことが苦手で、エリカに積極的なアプローチを繰り返しているものの、空回りばかりで相手にされていない。
マスター
谷りなが勤務している会社の近くで、食事処「マグカッポウ」を経営している男性。りながたびたび食事にやって来るため、お互いのプライベートの話をするほど親しく接している。ネコのモチーフが付いたアイテムを身につけている。つねにサングラスをかけており、飲食店のオーナーには見えない個性的な外見をしている。現在婚活中で、店を臨時休業にすることも多い。りなと同じく常連の久我山理とも親しい。