安達としまむら

安達としまむら

入間人間の小説『安達としまむら』のコミカライズ作品。授業をサボりがちな女子高校生の安達としまむらが偶然出会い、共に学園生活を過ごしつつ思いを巡らせていく。成り行きで友人となった二人が、同性同士でありながら恋愛感情を抱いていく様子を描いた青春学園百合ストーリー。「月刊コミック電撃大王」2019年7月号から掲載の作品。2020年10月TVアニメ化。

正式名称
安達としまむら
ふりがな
あだちとしまむら
原作者
入間 人間
漫画
ジャンル
学園
関連商品
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あらすじ

安達クエスチョン

社交的ながら、内心では一人でいることを好むしまむらは、いつものように授業をサボり、誰もいない体育館の二階にある小部屋へと向かう。すると、そこには同じ目的の安達が一人でくつろいでいた。偶然から出会いを果たした二人は、やがて気の合う友人として行動を共にするようになる。安達は、髪を栗色に染めてピアスをつけた、派手な容姿のしまむらにほのかなあこがれを抱くが、彼女に対してなかなか素直になれない。そんなある日、安達はしまむらとキスをする夢を見てしまう。とんでもない夢を見たと安達は大いに取り乱すが、この夢はもう少ししまむらとなかよくなりたいという気持ちの表れで、大した意味などないと強引に結論付ける。その日の安達は、しまむらとの微妙な距離感に焦れながら、もやもやした気持ちのまま学校の時間を過ごす。そして放課後、中華料理店のアルバイトに入った安達は、若いからという理由で、チャイナ服を着て接客することになる。さらにタイミングが悪いことに、しまむらとその家族たちが、安達がいることを知らずに店を訪れる。安達は、意識している相手にふつうではない格好を見せられることに動揺するが、安達としまむらのやり取りを見たしまむらの母は、娘に親しい友人がいることを安心していた。この一件で安達は、少しだけしまむらとの距離が縮んだと考えるが、自身のしまむらに対する気持ちの整理がつかない現状は解決せず、次第に彼女に本気で片思いをしているのではないかと悩み始める。

二等辺トライアングル

安達は、相も変わらずしまむらに対する思いに振り回され続ける日々を過ごしていた。安達は、どちらかといえば内気な自分と異なり、社交的なしまむらは友達も多いため、そのことがよけいにしまむらと自分との距離が離れている一因になっていると考えていたのである。その結果、思い切って自分の中にある「好き」という感情をしまむらに吐き出そうとするものの、どうしてもそれを果たすことができず、いたたまれない気持ちになって塞ぎ込んでいた。しまむらは、学校に来なくなって連絡も取れなくなった安達を心配し、直接彼女の家に出向こうとするが、その道中で宇宙服のような衣装をまとった少女と遭遇する。「知我麻社」と名乗った少女は、初対面であるにもかかわらず唐突に自分を宇宙人であると主張し、しまむらに対して自分こそが運命の人であると告げる。しまむらは、突然の出来事に面食らい、社のことが気になったものの、当初の予定を優先すべく安達の家を訪れる。そして、安達が思ったより元気であったことと、連絡が取れなかったのは彼女がスマートフォンをしまむらの家に置き忘れたためであることを知り、胸をなでおろす。一方安達は、しまむらが家に来たことを好機ととらえ、彼女に対して週末いっしょにどこかに出掛けないかと提案する。そして、この申し出が受け入れられると、安達はしまむらとの距離を縮める絶好のチャンスが訪れたと考え、ハイテンションでその日を迎える。しかし当日、二人きりで遊ぶという安達のもくろみは、社の出現によって狂ってしまう。

しまむら、ジムへ行く

しまむらの母は、しまむら安達のような友達がいることを快く思う反面、安達の素行がよくないことを憂いていた。そこで、話をする機会を持つために、通っているスポーツジムへ同行するように誘いかける。断る理由のないしまむらはそれを受け入れるが、自分より上の年代しかいない場所をわずかながら窮屈に感じつつも汗を流す。だが、そこでしまむらの母が、学校での生活を心配する素振りを見せ始めたことで、しまむらは後ろめたさとうっとうしさを同時に感じてしまい、母親から逃げるようにトレーニングルームから出て行き、プールで泳ぎ始める。泳ぐことで冷静になったしまむらは、冷えた体を温めるためにサウナへと向かうが、そこで偶然ながら安達の母と遭遇する。安達によく似た顔つきに加え、トレーニング仲間と思しき女性から「安達さん」と呼ばれていることからその素性を確信するものの、安達が家族とあまりうまくいってないことを薄々感づいていたため、自分が安達の友人であると言い出せずにいた。家族とうまくいってないと考えているのは安達の母も同じで、友人に対して安達の引っ込み思案な性格を苦々しく思っていることを口にする。しまむらは内心で反感を抱き、安達との関係を隠したうえで、性格の形成は家族のコミュニケーションでも培われるのではないかと主張する。そして翌日。安達の母が、ほんのわずかながら歩み寄ってくれたことを安達から聞かされる。しまむらは、自分の行ったことが正しかったかどうかわからないままでいたが、自分と安達は好対照な性格だからこそ、自然でいられるのだろうと結論付ける。

アダチズQ

季節は冬を迎える。安達は、しまむらと二人きりの時間を過ごすために出会った体育館を利用していたが、寒さが厳しくなることで使えなくなるだろうと考え、代わりの場所を探そうとしていた。その取っ掛かりとして、しまむらに彼女の家でいっしょに勉強しようと誘いかける。勉強が嫌いなしまむらはわずかに渋い表情を見せるものの、安達と過ごす時間が増えることは望むところであったため、これを受け入れる。しかし、しまむらの勉強部屋は散らかっており、彼女がふだん使っていないことを示していた。安達はこれを好機ととらえ、冬のあいだはこの部屋を体育館の代わりとして、自らとしまむらが交流するためのプライベートルームとして利用することを思い立つ。そして、しまむらとの距離を縮めるために問答を繰り返すものの、望んでいた答えを引き出すことはできずにやきもきしてしまう。やがて話題は、お互いの小さかった頃の話になり、安達は今以上に内気で自分に自信を持てなかったことを、一方のしまむらは人間関係に煩わされることのない日々を過ごしていたことを思い出す。翌日、登校したしまむらは、安達の様子がいつにも増しておかしいことに気づく。そして、何かあったのかと声を掛けようとしたところ、安達からクリスマスに二人で会いたいと告白される。

メディアミックス

TVアニメ

2020年10月から12月にかけて、本作『安達としまむら』と原作小説『安達としまむら』のTVアニメ版『安達としまむら』が、TBS、BS11で放送された。制作会社は手塚プロダクションで、監督は桑原智、シリーズ構成は大知慶一郎が担当。キャストは、安達を鬼頭明里が、しまむらを伊藤美来が演じている。

登場人物・キャラクター

安達 (あだち)

しまむらと同じ高校に通っている1年生の女子。放課後は中華料理店でアルバイトをしている。小さな頃から内向的な性格で人付き合いを苦手としており、高校生になった現在でもそれは変わっていない。現在は家族との関係もあまりよくなく、安達の母からは暗くて何を考えているのかわからないと思われており、安達自身も母親のことを避ける傾向にある。愛想が悪いわけではなく、アルバイトでの接客などは問題なくこなしている。やがて学校では授業をよくサボるようになり、体育館の二階にある小部屋で一人で過ごすことが日課となる。ある日、体育館にサボり目的で訪れたしまむらと知り合い、授業をサボっては二人で話をしたり、昼食を共に取ったりするうちに友達となる。ある時、しまむらとキスをする夢を見てしまい、このことがきっかけで彼女に対して恋愛感情を抱いているのでないかと悩み始める。それでも当初は、やや孤立気味であったところで友達ができたことから、しまむらともう少しなかよくなりたいという気持ちの表れなのだろうと考えていた。しかし、しまむらが自分をどう思っているのかつねに気になるようになり、彼女の友達である日野や永藤に嫉妬したりと、内心で独占欲に苦しめられる。そしてついには、自らの中にある感情がしまむらへの慕情であることを本格的に確信する。今の関係が壊れることを懸念し、直接的な告白はできずにいるが、しまむらからもよく気に掛けられ、日野や永藤からも自分たち以上にしまむらと仲がいいと認識されている。家に遊びに行ったり、クリスマスを共に過ごしたりと二人きりで交流を深め、それができるだけでもある程度満足している。なお、授業はサボり気味ではあるものの、勉強自体はきちんとしているため、大人からの心証はよくないが成績は悪くない。

しまむら

安達と同じ高校に通っている1年生の女子。安達とは対照的に、小さな頃は楽天的な性格で、怖いものや煩わしいものなど何もないと思い込んでいた。また、前向きなことからよく人から頼られ、幼稚園時代は同級生のたるみから強く慕われていた。マイペースな性格で、ほかの人の行動や言動に心を動かされることがあまりない。思春期を迎えるにつれて性格はよくも悪くも変わっていき、高校に進学してからはだんだんと人付き合いが面倒なものだと思い始めるようになり、他者からの影響をますます受けることはなくなる。それに伴って小さい頃の活発さは鳴りを潜め、ピアスをあけて髪の毛を栗色に染めたり、安達ほどではないものの授業をサボったりするようになり、若干不良めいた素行が目立つようになる。授業や予習復習の勉強が嫌いで、いっしょに勉強しようと安達に誘われても、渋い顔を見せることが多い。ただし、面倒見がいい点は変わっておらず、要領のよさも相まって同級生からは人気があり、日野や永藤など友達が多い。家族との関係は安達の家庭ほど悪くはなく、安達がアルバイトをしている中華料理店で家族と食事をしたことがある。しまむらの妹とは、テレビゲームなどでよくいっしょに遊ぶほど仲がいい。一方で、その素行の悪さからしまむらの母からは小言を言われることが多く、それを若干うっとうしく思いながらも、親としては正論だと受け入れてもいる。安達とは共通点が多いことから親近感を抱いており、時には姉のようにかわいがったり、時には妹のように甘えたりすることもある。しまむらの母と共にスポーツジムに赴いた時に偶然ながら安達の母と出会い、彼女と安達のあいだに壁があることを知ってからは、より安達を気に掛けるようになる。安達から恋愛感情を抱かれていることは、可能性はあるかもしれないと考えているものの確信してはおらず、それが原因で時折彼女と意見がかみ合わないことがある。特に、安達以外の誰かとなかよくすることで嫉妬された時は、彼女が不機嫌になる理由がまったくわからず困惑していた。

しまむらの母 (しまむらのはは)

しまむらとしまむらの妹の母親。しまむらと同様に明るく前向きな性格の持ち主。そろってレストランに食事に行ったり、スポーツジムで汗を流したりと、家族関係は良好。家族で中華料理店に赴いた際に、アルバイトをしていた安達と偶然遭遇すると、しまむらにしっかりした友人がいることを喜ぶなど、娘たちを思う気持ちも強い。一方で、最近になって娘の素行が悪くなったことを懸念するようになり、しまむらの将来も考えたうえで、しっかり話し合う機会を持とうと考えている。しまむらからはそのことを多少うっとうしく思われているが、「親なら当たり前のことかもしれない」と受け入れられている。

しまむらの妹 (しまむらのいもうと)

しまむらの妹で、小学生の女子。しまむらとは対照的に人見知りの激しい性格で、しまむらと親しい人たちに対してもなかなか懐こうとしない。一方で、家族に対しては心を許しており、中でもしまむらのことは、テレビゲームでいっしょに遊ぼうと頻繁にせがむなど、慕っている。しまむらも、しまむらの妹の性格を熟知していることから、できるだけ知り合いを家に呼ばないようにしていたが、安達がしまむらと近づきたい一心で時折家に遊びに来るようになってからは、しばしば顔を合わせるようになる。

日野 (ひの)

安達やしまむら、永藤と同じ高校に通っている1年生の女子。小柄な体型で、しまむらや永藤とよくいっしょに行動している。永藤とは高校に入学する前からの親友で、しまむらとは高校に入ってから友人となった。良家の末娘で、四人の兄がいる。ややお調子者な性格ながらしまむら以上に面倒見がよく、友人たちのあいだではムードメーカーとして振る舞っている。一方で、家庭をやや息苦しく感じており、放課後は永藤の家で遅くまで過ごすことが多い。人間関係や他者の感情に敏感で、安達がしまむらとなかよくしたいことにすぐに気づく。同時に、彼女がしまむらに対する独占欲から、日野自身や永藤の存在に葛藤を抱いていることも薄々感づいているが、それによって安達に反感を抱くことはなく、むしろ彼女としまむらの関係を後押しするためにアドバイスを行う。クリスマスが近づいた時期に、しまむらと安達がお互いへのプレゼントを贈ることを知り、これに協力する。ただし、クリスマスプレゼントだったことは、あとになって気づいた。

永藤 (ながふじ)

安達やしまむら、日野と同じ高校に通っている1年生の女子。大柄な体型で、しまむらや日野とよくいっしょに行動している。日野とは高校に入学する前からの親友で、しまむらとは高校に入ってから友人となった。やや控えめな性格で、自分の外見を気にしている。また日野を頼りがちで、彼女について回ることが多い。安達からはその様子をうらやましがられており、いつか日野と永藤のような関係をしまむらと築きたいと思っている。

知我麻 社 (ちかま やしろ)

しまむらの前に突如として現れた、謎の少女。しまむらの妹と同年代と思しき外見だが、地毛が水色であるうえに、宇宙服のようなスーツを身にまとうなど、およそ常人離れした格好をしている。天真爛漫な性格で、その外見も相まって不思議なイメージを漂わせている。姿を現すや否や、自らを未来からやって来た宇宙人であると称し、さらにしまむらにとっての運命の人であると主張したことで、彼女を大いに狼狽させる。日野とも交流があり、しまむらのことは彼女から聞いたと語る。彼女の行き先をなんとなく把握することができるようで、安達としまむらが二人きりで遊びに行こうとした日、しまむらから行き先を聞いてなかったにもかかわらず二人の前に姿を現し、二人に同行することを求める。この際、しまむらは安達と二人きりでいることにこだわりがなかったためにあっさりと受け入れたが、しまむらに思いを寄せる安達からは焼きもちを焼かれてしまう。

安達の母 (あだちのはは)

安達の母親。友人と共にスポーツジムに通っており、運動でストレスを発散している。スポーツジムの中では、ほかの人より長時間サウナに居座ろうとするなど、負けず嫌いな一面がある。家族とのあいだに距離があることを悩んでおり、娘である安達とはお互いに苦手意識を持ち、彼女を嫌っているわけではないものの、どう接していいかわからない状態が続いている。ある日、スポーツジムのプールで泳いでいたところ、偶然しまむらと遭遇する。しまむらとは初対面であったうえに、安達から友達の話などはいっさい聞いていないため、娘のように若い少女がスポーツジムに来るのは珍しいと思う程度だった。しかし、しまむらのそばで友達に安達の愚痴をこぼしたため、しまむらの反感を買ってしまう。

たるみ

しまむらが幼稚園時代になかよくしていた少女。安達によく似た外見をしており、しまむらに対して依存心が強い点も共通している。現在は不良になったという噂もあるが、幼稚園を卒園して以降は一度もしまむらと会っていないため、真相は不明。しまむらからは、現在の安達と非常によく似ていると思われているが、氏名がまったく違うことから、たるみと安達が同一人物でないことは理解されている。

クレジット

原作

入間 人間

キャラクターデザイン

のん

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