概要・あらすじ
異世界・オベルボリアにあるコンタイル王国の第三王女・ミオは、クーデターで国を追われる。宮廷魔術師・キートの尽力で、オベルボリアとの接点となっている日本の街・宵街銀座商店街へ逃れることに成功したミオは、日本を制圧して国を奪還するための兵力にしようと目論む。しかし商店街には、かつてオベルボリアを滅ぼそうとした魔王・ドゥガイを祖父に持つ女子高生・堂海刹里や、オベルボリアの英雄が日本で興した剣術を修めている男子高生・仄木疾斗といった超人的な力を持つ人間が何人もおり、ミオの野望はあっという間に潰えてしまう。
こうしてミオは、刹里の喫茶店・モーニングバスターの住み込みウェイトレスとして働かされながら、王国奪還の野望を燃やすのだった。
登場人物・キャラクター
ミオ・リエン・コルゴナット (みおりえんこるごなっと)
異世界・オベルボリアにあるコンタイル王国の第三王女。宰相によるクーデターで国を追われ、宮廷魔術師・キートの力で、オベルボリアとの接点となっている日本の街・宵街銀座商店街へ逃れることに成功した。日本を制圧して国を奪還するための戦力にしようと試みるが、堂海刹里の持つ魔王の力の前にあっさりと敗北し、刹里の喫茶店・モーニングバスターの住み込みウェイトレスとして働かされる羽目になる。
堂海 刹里 (どうがい せつり)
宵街銀座商店街にある喫茶店・モーニングバスターの娘で、16歳の女子高生。両親はどこかに出かけたまま連絡がない状態のため、一人暮らし。異世界・オベルボリアをかつて滅ぼそうとした大魔王・ドゥガイを祖父に持つことから、その身に圧倒的な力を宿しており、拳銃で撃たれても傷一つつかないほど。 あまりにその力が強大すぎるため、普段は力を制御するための腕輪をつけている。
仄木 疾斗 (ほのき はやと)
宵街銀座商店街の住人の一人で、堂海刹里の隣の家に住んでいる16歳の男子高生。異世界・オベルボリアの伝説の剣士・クヅナの興した流派である真桜クヅナ流の三代目であり、その戦闘力は非常に高い。刹里のことが好きで、周囲にもそれはバレバレだが、肝心の刹里が鈍感すぎるために気づいてもらえていない。 料理が得意で、毎日刹里の弁当も作っている。
久玉 雫 (くだま しずく)
堂海刹里や仄木疾斗の友人である眼鏡をかけた女性で16歳。宵街銀座商店街で唯一、普通の人間の高校生である。学校では生徒会副会長をしている。
仄木 薫 (ほのき かおる)
宵街銀座商店街の住人の一人で、仄木疾斗の姉である2X歳の女性。異世界・オベルボリアの伝説の剣士・クヅナの興した流派である真桜クヅナ流を修めており、魔王の力が暴走した堂海刹里を一撃で黙らせるほどの規格外の戦闘力を持つが、本人の弁では、これでもまだ町内で最強というわけではないらしい。
山田 寿里須 (やまだ じゅりす)
小悪魔の女性で、堂海刹里や仄木疾斗のクラスメイト。仄木疾斗をしきりに誘惑するが、相手にされていない。コウモリに変身することができる。土地の持つ力で実体化できているが、その実は霊体であり、存在がやや不安定。
キート
異世界・オベルボリアにあるコンタイル王国の宮廷魔術師で、クーデターが発生した際に、転移魔法でミオを宵街銀座商店街へと逃れさせた。その後自らも転移を試みるが、魔力の損耗が激しかったため、宵街銀座商店街にたどり着くことには成功したものの、実体を失ってネコの姿となってしまっている。 ネコの姿とはいえ魔法などは使用可能であり、ミオの従者としてともに王国奪還を目指す。
場所
宵街銀座商店街 (よいまちぎんざしょうてんがい)
日本の来宜須(きぎす)市小蕩木(ことろぎ)町に位置する。古くから異世界・オベルボリアと日本との接点であり、特に第二次世界大戦の頃は交易が盛んだった。商店街は戦後の闇市がルーツとなっている。オベルボリアからの移住者やその子孫も多く、そのため住民は堂海刹里のような異能の持ち主だらけとなっている。
オベルボリア
『宵街オーバーロード』に登場する異世界。魔法やドラゴン、オークなどが存在する、ファンタジー的世界である。ミオやキートの故郷であり、宵街銀座商店街のある小蕩木(ことろぎ)町を介して日本とつながっているが、何らかの事情によってここ20年ほど交流は途絶えている。
その他キーワード
クドラの瞳 (くどらのひとみ)
異世界・オベルボリアの伝説の秘宝であり、国から逃げることになったミオが託されたもの。山田寿里須のような霊体に大きな力を与えるほか、相手の自由を制限し操ることのできる「契約の魔法」の力を持っている。