あらすじ
第1巻
エムモト家は仲のいい五人家族。ふつうの両親、えむしとえむふじんを筆頭に、多感な中学生のえむお、しっかり者の長女、えむこ、そして芸人気質の末っ子・えむみで構成されている。まだ幼さの残る小学校低学年のえむみは、自分本位で強気なキャラクターを武器に、エムモト家の家族全員を、時には悪気なく、時には狙いを定めて振り回していく。自由奔放なえむみの破天荒さにもかかわらず、常識人のえむしや、ツッコミ担当のえむふじんのもと、エムモト家の家族は不思議と一致団結していた。さらに、ケンカが多いにもかかわらず、なんとなく仲のいい三きょうだいの存在が、家族を明るく彩っている。えむふじんは、そんな楽しく明るい家族の日常を描きながら、子育ての思い出と面白さをかみしめる。
登場人物・キャラクター
えむみ
エムモト家の末っ子で、小学2年生の女子。かなりの自由人で、よく踊りよく歌う芸人的なノリの持ち主。その性格故の言動で家族を振り回すことが多いが、えむみ自身にその自覚はない。活発で負けん気が強く、中学生の兄、えむおとケンカになっても負けない。同じ小学校に通う姉のえむこのことが大好きで、短い休み時間にもわざわざ姉のクラスまで足を運び、遊ぶことがあるほど。えむおの影響で「指パッチニスト」となり、毎朝5時半には起床して欠かさずに指パッチンの修行をしている。えむみが早起きすることを知っている兄姉からは、指定した時間に起こして欲しいと依頼されることもあり、任務遂行のために前日8時台には就寝するなど、「起こし屋」として準備に余念がない。外出先で泣いている子供に出会うと、常備しているシールを取り出し、「シールお姉さん」となって泣き止ませたり、しめじは兄妹だからという理由で、房をばらばらにほぐすのを嫌がったりと、心優しいところもある。好きな食べ物はボルシチで、ピーマンが苦手。
えむふじん
えむみの母親。エムモト家を支える主婦として、いつも子供たちの動向を観察して冷静に突っ込んだりと対処する一方で、特に自由すぎるえむみには振り回されることが多い。夫婦仲はよく、夫のえむしと家事や育児を半分ずつ負担して楽しく日常を送っている。えむみには、指パッチンにはまっている「指パッチニスト」、シールをあげたがる「シールお姉さん」、早起きを助ける「起こし屋」など、数々の役柄を任命している。実在の人物、えむふじんがモデル。
えむし
えむみの父親。いたずら好きだが、家族の中では割と常識人。終わりかけの石鹼を、新しい石鹼と合体させるのが得意。また、近所にあるさまざまな店の形状や色などの特徴から、もともとその建物がなんのコンビニエンスストアだったかを当てるのが好きで、長男のえむおとは「コンビニ居抜き物件鑑定士」となって盛り上がっている。妻のえむふじんとの夫婦仲はよく、自営業を営んでいることもあって、えむふじんと家事や育児を半分ずつ負担して日常を送っている。子供たちとのかかわり合いも多く、子供目線のおふざけでみんなに付き合ったり、遊んだりすることも少なくない。
えむお
エムモト家の長男で、えむみの兄。慎重でおとなしい性格でビビりなところがあるが、妙に主張が強く頑固な一面があり、こまっしゃくれた中学生。近所にあるさまざまな店の形状や色などの特徴から、もともとその建物がなんのコンビニエンスストアだったかを当てるのが好きで、父親のえむしとは「コンビニ居抜き物件鑑定士」となって盛り上がっている。年齢的に、両親とのかかわり合いや、家族いっしょに出歩くことに羞恥心を持っているようだが、えむみやえむことは仲がいい。ケンカもするが、自由すぎるえむみに振り回されることも少なくなく、嫌がっているのかと思いきや、誕生日にえむみからもらった似顔絵に感動し、涙しながら机の前に貼る姿も見られ、なんだかんだと家族のことが大好き。えむみに指パッチンを教えた張本人でもある。
えむこ
エムモト家の長女。小学5年生の女子で、えむみの姉。まじめな性格だが、思い込みが激しいところがある。兄のえむおの行動や癖をよく理解しているが、自由奔放なえむみには振り回されがち。中間子としての苦労も少なくないが、しっかり者で妙に達観しているところがあり、口が達者でいつも冷静沈着に振る舞っている。サイズが合わなくなったお気に入りの服があったり、翌日学校に着て行く服選びには人一倍時間をかけるなど、ファッションには自分なりのこだわりを持っている。学校では休み時間ごとに遊びにやって来るえむみを、鬱陶しがらずに相手して遊んであげたり、自宅ではえむみが寝つくまで、自分が創作したオリジナルストーリーの話を聞かせてあげたりと、非常に妹思いで、えむみにも慕われている。