むいむい りえこさん虫日記

むいむい りえこさん虫日記

西田おにいさんに協力してもらいながら、昆虫採集に勤しむりえこさんの姿を描いたエッセイ漫画。昆虫のほかに、節足動物や化石などの採集にチャレンジする事もある。基本的に一話4ページ構成のフルカラー作品となっている。

正式名称
むいむい りえこさん虫日記
ふりがな
むいむい りえこさんむしにっき
作者
作者
ジャンル
エッセイ
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あらすじ

オサムシは飛べない昆虫で、カブトムシなどと同じ甲虫の仲間。歩いて移動する事しかできないため、地域ごとに独特の分布をしている。中には珍しい種類もいて、昔ヨーロッパではかなりの高額で取引されていたらしい。そんな話を聞いたりえこさんは麻雀の負け分を取り戻すため、昆虫博士の西田おにいさん、担当編集者の水口くんと三人でオサムシを採りに出かける。(エピソード「青雲の章」)

水に住む昆虫を調べるため、りえこさん達は西田おにいさんの案内で山奥の小川にやって来た。そこでは、ひと掘りごとにニンギョウトビケラにヘビトンボの幼虫、ザザムシにヤゴなど、たくさんの昆虫を採る事ができた。やがて一行は採れた昆虫で魚を釣ろうと試みるが、なかなか釣果があがらない。(エピソード「流石の章」)

りえこさん達は、トタテグモの観察をする事になった。だが、西田おにいさんと水口くんはトタテグモの巣をなかなか見つける事ができず、いっこうに成果があがらない。そんな中、りえこさんだけは次々と巣を見つけていく。そこでりえこさんはトタテグモを巣ごと持ち帰り、家で観察してみる事にする。(エピソード「蟄居の章」)

りえこさん達はチョウを採りに行く事になった。昼間は虫採り網でチョウを追いかけ、夜はライトを使った装置でガなどを集めていた。そんな中、西田おにいさんと水口くんの二人は「夜のチョウ」について語りはじめ、一方のりえこさんは虫刺されのアレルギーで大変な目に遭ってしまう。(エピソード「桃源の章」)

高校1年生の男子二人をゲストに迎え、りえこさん達は山奥に甲虫採集にやって来た。ゴミムシダマシやオオキノコムシといったマイナーな甲虫が目的だが、大人三人は夜通しお酒を飲み、肝心の昆虫採集は高校生に任せていた。そして西田おにいさんは、社会の厳しさを教えるなどと称して、高校生達が採って来た昆虫を取り上げてしまうのだった。(エピソード「研鑽の章」)

りえこさんと水口くんは、冬が来た事から昆虫も少なくなったので連載を休もうかと相談していた。そこに西田おにいさんが、二人に動きの鈍くなった昆虫を捕まえに行こうと提案する。冬のあいだにクワガタムシの幼虫を捕まえ、夏までに大きく飼育して儲けようという算段のようだ。りえこさん達はその話に大いに興味を示し、喜んで捕まえに出かける事にする。(エピソード「星霜の章」)

海外で昆虫採集の取材をするため、りえこさん達はサイパンへとやって来た。だが、実際は昆虫採集そっちのけで、一行はサイパンのビーチを満喫していた。そのまま1日を無駄にした事で慌てた一行は昆虫採集を始めるが、見つかるのは日本でもよく見られるような全然珍しくない昆虫ばかり。苦し紛れに、生き物ならもはや何でもいいと、少しでも珍しい生き物を探して取材の面目を保とうとする。(エピソード「碧海の章」)

大阪で3万円だった三葉虫の化石が、東京では8万円で売っている事を知ったりえこさんの提案で、今回は化石を探す事に決定。こうして一山当てようと目論んだりえこさん達は、多摩川の支流・浅川に化石掘りに出かける。だが、貝殻はたくさん掘れるものの、お金になりそうな化石は見つけられずに時間ばかりが過ぎていく。(エピソード「追憶の章」)

伊豆への取材旅行に出かけたりえこさんは、海辺の動物達をテーマに選ぶ事にする。そして、ヤドカリは自分の家を持っていて憎たらしい、アメフラシの卵は見た目の割においしくない、などと勝手な事を語り出す。さらにアワビを密漁した人が大変な目に遭った事など、過去の経験を振り返る。(エピソード「潮騒の章」)

今回はクモをテーマに取り上げ、夏休みを利用して高校生二人を再びゲストに迎え、りえこさん達はいろいろなクモを採集に出かける。まず公園の女子便所でジョロウグモやオオヒメグモなどを捕まえた一行は、いろいろなクモを同じ容器に入れ、クモ合戦を開始する。りえこさん達は、高校生が一生懸命採集してきたクモを、どんどんその容器に入れていってしまう。(エピソード「陽炎の章」)

秋になり、西田おにいさんはそろそろ元気がなくなっているセミを捕まえに行こうと言い出す。西田おにいさんは、昔の子供達のようにトリモチを使ってセミを捕まえようと考えていたのだ。しかしセミの時期は過ぎ去っており、採れるのはコオロギや赤トンボといった秋の虫ばかり。それでも一人で子供のようにはしゃぐ西田おにいさんを、りえこさん達は冷たい表情で見守る。(エピソード「蒼茫の章」)

原稿がなかなか目的のページ数に達しないりえこさんは、公園で昆虫を探し始める。季節は初冬で、昆虫の数はあまり多くはない。それでも、やる気になれば昆虫を見つける事はできそうだが、りえこさんと水口くん、西田おにいさんの気分はいつまでたっても盛り上がらない。(エピソード「清閑の章」)

りえこさん達は、取材するため石垣島へ出かけた。折悪しく台風とぶつかってしまったものの、悪戦苦闘の末に一行はチョウの群生地を見つけ、過去最高の成果をあげる。この事態に一行は沸き立つものの、あまりに昆虫が採れ過ぎると原稿を描くのが面倒になると、ただ一人りえこさんだけが憂鬱な気分になる。(エピソード「波涛の章」)

石垣島で取材費を使い過ぎたせいで、今回の取材は近場の多摩動物公園となった。しかしりえこさん達は、昆虫館で世界のさまざまなゴキブリや昆虫標本を見たり、昆虫生態館ではコオイムシや放し飼いのチョウを見学したりと、思いがけず楽しいひと時を過ごす。だが、家庭がうまくいっていない水口くんだけは、家族をこういう楽しい場所へ連れて来るべきだったと、思い悩むのだった。(エピソード「瑞光の章」)

最終回を迎えて、りえこさん達三人は、りえこさんの故郷であこがれのトサオサムシを採るという目標を立てた張り切っていた。取材初日からあいにくの雨だったものの、りえこさんと西田おにいさんは珍しい昆虫を捕ろうとがんばっていた。対照的に水口くんはやる気がなく、「あとはよろしく」という言葉を残して東京へと帰ってしまう。残された二人は、5日間の取材日程で何としても珍しい昆虫を捕まえようと躍起になる。(エピソード「帰郷の章」)

連載の終わりを迎えたりえこさんは、最後に西田おにいさんと水口くんに対して、この2年間の事について腹を割って話そうと提案した。取材中にダジャレばかり言う西田おにいさんと、昆虫が大嫌いなのに昆虫の新連載を始めてしまった水口くんを、りえこさんは激しく非難する。そして最後に、連載中に殺してしまった昆虫達に謝罪するのだった。(エピソード「別離の章」)

登場人物・キャラクター

りえこさん

博打とシンナーが大好きな女性作家。頭が悪く、細かい作業にも向いていないと自己分析している。「金になるかどうか」で物事を判断する癖があり、オサムシやクワガタムシ、化石などで一儲けを企む。昆虫に関しては何の思い入れもないが、エッセイ漫画を描く手前、仕事として昆虫とは真剣に向き合っていく。

西田おにいさん (にしだおにいさん)

りえこさんの昆虫採集をサポートする独身男性。年齢は42歳。何よりも昆虫が大好きで、オサムシの匂いでトリップするなど、少々危険な一面を持つ。そのためりえこさんからは、知り合いの中でもっともいっしょにいてはいけない人と評されている。

水口くん

りえこさんの担当編集者の男性。りえこさんに昆虫を題材とするマンガを描いてもらうにあたって、取材の昆虫採集にも毎回同行している。ただし虫が大嫌いなため、昆虫採集に対してはまったくやる気を見せない。一方で、普段の取材費を無理やり切り詰めて海外取材費用を捻出するなど、敏腕編集者の一面をのぞかせる事もある。物語が進むにつれ、水口くんの人生もどんどん転落していく。

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