幻人だらけの高校を舞台にした青春ファンタジーコメディ
多様性の時代とされる現代。かつては幻想と思われていた「人ならざるもの」が実在することが判明する。「幻人」と呼ばれた彼らは少しずつ認知され、人間社会と交わるようになった。本作の舞台となる「私立景希高等学校」は、幻人が最も多く通う高校である。主人公の友孝は、人間関係をこじらせ「地元の友人に会わずにすむ」という理由で、家から2時間もかかる景希高校に入学した。そこで友孝は、クラスメイトで人狼(ウェアウルフ)の美少女、つみきと友だちになる。本作は、多種多様な幻人たちが存在するニューノーマルな日常と、友孝&つみきのほのかな恋愛感情を描いた学園青春ファンタジーコメディである。
人間関係に悩む人間の少年×気さくで優しい人狼の美少女
友孝は、「こう言ったら相手にどう思われるだろう」「これをやればどう反応されるだろう」、そんなことばかりを気にしすぎて、自分の気持がわからなくなってしまった人間の少年。つみきは、パワフルで可愛いウェアウルフの幻人。気さくで優しい性格で、人の目を気にすることもなく、自分の意見をはっきりと口にする。対照的な二人だが、つみきは優しい友孝のことを大事な友達だと言い、「友孝の気持ちを一緒に見つけていこう」と提案する。友人になった二人は、遠足、体育祭、花火見物、文化祭といったイベントを通じて、少しずつ惹(ひ)かれ合うようになる。
ユニークな幻人たちが次々と登場
本作は、友孝とつみきを軸にした学園ストーリーだが、その他のユニークな幻人たちも大きな魅力の一つである。例えば、吸血鬼(バンパイア)の幻人、千賀守貴は、人を魅了する香りを発するナルシストだが、そのせいで信頼できる友人ができずに寂しい思いをしている。また、蛇園三麗はメデューサの幻人で、裸眼では相手を石化してしまうため、普段はメガネをかけている。他にも、戦闘狂で、つみきにヒリヒリした勝負を挑む、半魚人の幻人、揮波キバや、ゆるふわであざとい性格ながら、「刺すよ」の一言が怖い、ユニコーンの幻人、馬美ろまんなど、様々なタイプの幻人が登場する。
登場人物・キャラクター
真層 友孝 (しんそう ゆたか)
15歳の人間の男子。私立景希高等学校1年生で、身長170センチメートル、足のサイズは24センチメートル。姉と妹がいる。空気を読んだ言動ばかりしてきたため、自分のことがよくわからなくなっている。クラスメイトの幻人、つみきと仲良くなり、はっきりした彼女の言動に憧れる。
尾守 つみき (おがみ つみき)
15歳の女子で、人狼(ウェアウルフ)タイプの幻人。私立景希高等学校1年生で、身長165センチメートル、足のサイズ約30センチメートル。妹が二人、弟が一人いる。天然で気さくな性格。狼の耳と尻尾が特徴。聴覚に優れており、ずば抜けた身体能力と怪力の持ち主。満月を見ると遠吠えしてしまう癖があり、毎週金曜日にカツサンドをたべることを楽しみにしている。友孝と友だちになり、次第に惹(ひ)かれるようになる。景希高校1年3大美女の一人。
揮波 キバ (きなみ きば)
15歳の女子で、半魚人タイプの幻人。私立景希高等学校1年生で、「TickTalk」というSNSで15万人のフォロワーがいる。アップするダンス動画は必ずバズるというインフルエンサー。ヒレ耳と目の下のウロコが特徴。戦闘好きで、体育祭では、つみきとのヒリヒリした戦いを望んだ。景希高校1年3大美女の一人。
馬美 ろまん (うまみ ろまん)
15歳の女子で、ユニコーンタイプの幻人。私立景希高等学校1年生で、「インステ」というSNSで13万人のフォロワーがいる。おっとりとした話し方で、インステライブでも大人気を誇る。額の角と小さな羽耳が特徴。景希高校1年3大美女の一人。
書誌情報
尾守つみきと奇日常。 4巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2024-03-18発行、 978-4098531820)
第2巻
(2024-06-18発行、 978-4098533817)
第3巻
(2024-09-18発行、 978-4098535750)
第4巻
(2024-12-18発行、 978-4098538072)