あらすじ
第1巻
トシは、姉の中原るんが描いた自分の漫画を気に入り、母親とその友人のビバに漫画を勧める。実際のトシより汗臭さ、醜さ、不潔さを取り除いたデザインになっている漫画内のトシを見た母親は、「漫画のトシなら触れる気がする」という身も蓋もない感想を漏らすのだった。(エピソード1「家族」。ほか、28エピソード収録)
登場人物・キャラクター
トシ
タレント兼フリーターの男性。体重120キロを超える巨漢で、デブタレントとして活動している。明るく能天気で、社交的な性格をしている。オーディションにはなかなか受からないため、今はフリーターとして生計を立てている。10年前にダンサーを目指していた時期があり、今よりも50キロ以上痩せていたが、踊れるデブになりたいという理由で現在の体重になった。体重が重すぎてダンス中に首に負担がかかり、病院で治療してもらうこともある。10年以上前に五人組のアイドルユニットとしてデビューする機会があったが、デビュー当日に衣装を忘れてクビになったという苦い過去を持つ。オーディションに落選したあとに姉の中原るんに対し、「このお腹には夢と脂肪が詰まっているのに」と愚痴をこぼすなど、無自覚に面白い発言をする。外出した際に初対面の外国人とすぐに意気投合するなど、るんからはトシといっしょにいると面白い出来事に遭遇すると思われている。プロのデブであることを自負しており、好き嫌いなくなんでも食べる。るんからは「デブ」という単刀直入なあだ名で呼ばれていた。
中原 るん (なかはら るん)
トシの姉で、漫画家の女性。トシの無自覚な面白さに注目し、彼にまつわるエピソードを漫画化している。トシを「デブ」呼ばわりしているが、トシの方からも「ブス」というあだ名で呼ばれている。互いを蔑称で呼び合っているが、仲が悪いわけではなく、いっしょに食事やカラオケに行ったりしている。悪夢を見て目を覚ました夜には、壁を連打してトシを部屋に呼ぶなど、トシのことをそこそこ頼りにしている。実在の人物、中原るんがモデル。
母親
トシと中原るんの母親。ごくふつうの主婦で面倒見がよく、家族との関係も良好。トシのことも大切に思っているが、デブは苦手。そのため、トシに触ろうとせず、触られるのも嫌がる。中原るんが描いた漫画内に登場する適度に美化されたトシであれば、触ることができると公言していた。
ビバ
職業不詳の男性。母親の友人で、トシたちとは家族同然の仲。優しく愛情深い性格で、幼かったトシのゲロを手で受けとめたこともある。