彼岸島

2年前に行方不明になった兄・宮本篤を求めて、雅という吸血鬼によって支配されている絶海の孤島・彼岸島に足を踏み入れることになった宮本明が、仲間たちとともに吸血鬼との死闘を繰り広げるバトル・ホラー漫画。松本光司の代表作であり、シリーズに『彼岸島 最後の47日間』および『彼岸島 48日後…』がある。

概要・あらすじ

高校生・宮本明は、家の前で倒れていた謎の女・青山冷を介抱する。2年前に行方不明になっていたの兄・宮本篤のことを知っているという冷の正体を探ろうとしたとその友人たちは、冷に同行していた男に襲われるも、協力してこれを倒す。男は何と吸血鬼であった。冷によれば、彼女の出身地である彼岸島吸血鬼に占拠されており、篤もそこにいるのだという。

吸血鬼を倒すために西山ケンちゃんら仲間とともに彼岸島へ向かっただったが、敵は想像以上に強大であり歯が立たない。しかし、篤との再会や友人の一人・ポンの死を経て吸血鬼のボスであるを倒すことを決意したは、篤の師匠である巨漢の僧・青山龍ノ介に弟子入りし、吸血鬼と戦う戦士として覚醒。

との果てしない戦いに身を投じていく。

登場人物・キャラクター

宮本 明 (ミヤモト アキラ)

商店街の青果店の息子で、連載開始時点で卒業を控えた高校3年生。当初は優秀な兄・宮本篤や、想い人のユキと付き合っているケンちゃんに対する鬱屈した気持ちを抱える、妄想が多い作家志望の内向的な少年だった。青山冷の導きで仲間たちと彼岸島に渡ってから変わっていき、亡者と化したポンを自らの手で殺害せざるを得なかったことを決定的なきっかけとして、雅と戦うことを決意する。 以後、師匠の下で修業を積んでからは戦士として覚醒。ヒゲをたくわえた精悍な顔つきになり、日本刀を主な武器として吸血鬼を次々と屠っていくようになる。

(ミヤビ)

彼岸島に古くから住む吸血鬼一族の生き残りで、年齢は約400歳の男。彼岸島を吸血鬼の支配する島に変えた張本人であり、その最終目的は人類を滅ぼして吸血鬼による支配を行うこと。これは、400年生きてきた中で人間が何度も戦争を繰り返す姿を見てきたことから人間に愛想を尽かしたことに由来している。 太平洋戦争中に旧日本軍が行った人体実験により、ほぼ不死の生命力と他人を吸血鬼に変貌させる感染能力を得ているほか、サイコジャックという精神支配能力なども持つ。かつて師匠たちによって一度は冷凍封印されたものの、宮本篤によってその封印が解かれたことで復活した。武器は鉄扇。

青山 龍ノ介 (アオヤマ リュウノスケ)

彼岸島で雅たち吸血鬼に対抗するレジスタンスを組織している人物であり、元々島にいた吸血鬼一族の生き残り。身長262cmという巨体で、常に面で顔を隠している。また、寺の住職であったため、法衣を着ていることが多い。怪力を活かしての丸太攻撃を得意とする、頼れるリーダーだが、時折発作を起こして暴れることがあり、その際は鎖に繋がれている。 宮本明・宮本篤らに修業をつけたことから「師匠」と呼ばれており、名前を呼ばれる機会はほとんどない。口癖は「すまぬ」。

宮本 篤 (ミヤモト アツシ)

宮本明の兄で、ロイド眼鏡を着用していることから、雅からは「丸メガネ」と呼ばれた。婚約者ともに訪れた彼岸島で雅の封印を解いてしまい、婚約者を雅にレイプされた上で殺害される。そのため雅に復讐を誓い、師匠率いるレジスタンスに入って吸血鬼との戦いを続けていた。何をやらせても優秀な人間で戦闘能力は非常に高く、日本刀のほか、丸太などさまざまな武器を使って数多くの吸血鬼を屠る。

西山 正一 (ニシヤマ ショウイチ)

正一の名だったが後に徹とも名乗った。商店街の文房具屋の息子で、眼鏡をかけた青年。宮本明の友人の一人で、共に彼岸島へ渡る。明たち一行の中では頭脳派で、作戦の立案や仲間内での揉め事の調停役などを務めるほか、手製の爆弾や地雷で戦果を上げることもある。料理の腕も高く、特に豚汁は絶品。

三村 正和 (ミムラ マサカズ)

宮本明の友人の一人で、共に彼岸島へ渡る。本名は三村だが、ケンちゃんといつも一緒にいたことから加藤というあだ名が付いており、本名を呼ばれることは基本的にない。これといった長所はないが、憎めない性格で、明たち一行の中でムードメーカーとなっている。

斉藤 健一 (サイトウ ケンイチ)

宮本明の友人の一人で、共に彼岸島へ渡る。商店街の鮮魚店の息子であり、明たち一行の中では最年長でリーダー的存在。友のために自らを犠牲にすることも厭わない熱い性格をしている。ユキとは恋人同士。

ユキ

宮本明の友人の一人で、共に彼岸島へ渡った女性。高校時代は弓道部に所属していたことから弓の腕前に優れており、戦闘時は吸血鬼を射殺すことも。ケンちゃんとは恋人同士だが、明や西山からも想いを寄せられていた。

ポン

本名不詳。宮本明の友人の一人で、共に彼岸島へ渡る。内気で臆病な性格であり、ポンというあだ名も嫌がっているが、強く言うことはできない。彼岸島上陸後、女吸血鬼の入浴を覗いていたところを捕らえられ、雅によって亡者にされてしまう。その状態で出会った明に、人間としての意識があるうちに殺してくれるよう頼み、明の手で死亡。 明が雅との闘いを決意するきっかけを作った。

青山 冷 (アオヤマ レイ)

宮本明たちが彼岸島へやってくるきっかけを作った女性。師匠の義理の娘であり、吸血鬼に従うふりをしてスパイとして活動していた。かつては宮本篤のパートナーとして吸血鬼に関する情報収集を行っており、篤のことを密かに想っているが口に出すことはない。嘘をつくときに上唇を舐める癖がある。

隊長 (タイチョウ)

雅の護衛隊の隊長をしていた吸血鬼であり、本名は不詳。宮本明とは本来敵対する立場だが、行きがかり上共闘することになってからは奇妙な信頼関係で結ばれるようになり、ツンデレめいた口調で何かと明のことを心配するようになる。泳ぎが得意で、若いころは「カッパ」と呼ばれたほど。

吸血鬼 (キュウケツキ)

『彼岸島』に登場する怪物。牙のような犬歯を持ち、力や嗅覚が人間より圧倒的に優れ、興奮すると白目が赤黒くなり髪は白髪となる。服装は、編み笠、着物、ゴム手袋、長靴を着用している個体が多い。不老で、太陽光や十字架等は効果がなく、体が欠損しても問題ないほど耐久力も高いが、脳を失えば死ぬので不死ではない。また、一定時間人間の血を吸わないと、邪鬼や亡者といった存在に変貌してしまう。 雅を発祥とする血液感染性のウィルスに感染することで人間が変貌した姿であり、人間だった頃の記憶は持っていても人間のことは見下している。元々は彼岸島に住む特定の一族における非感染性風土病の発病者であり、島民とも平和に共存していたが、太平洋戦争中に旧日本軍の人体実験の対象となったことで一族のほとんどが死亡してしまい、感染性を持つように変化した雅だけが生き残ったことで現在のような存在となった。

邪鬼 (オニ)

『彼岸島』に登場する怪物。吸血鬼が一定期間人間の血を吸わないと変貌する姿の一つである。その姿や能力はさまざまだが、人間の何倍もの体躯を持ち、理性がなく、人間だろうと吸血鬼だろうと餌とみなして襲い掛かるという性質は共通している。制御できるのは、邪鬼使いと呼ばれる一部の吸血鬼と、サイコジャックという精神支配能力を持つ雅のみ。

亡者 (モウジャ)

『彼岸島』に登場する怪物。吸血鬼が一定期間人間の血を吸わないと変貌する姿の一つである。体表からは幾つもの顔が生えており、腐臭のする膿をばらまく。そのため吸血鬼からも忌み嫌われており、山奥で群れ、虫を食べて暮らしている。邪鬼とは異なり、変貌してからしばらくは自我が残っているが、徐々にそれも消えていく。何の力もないが、生命力だけは凄まじく、肉片からでも再生するため、殺すには吸血鬼時代の頭部を潰し、死体を焼くしかない。

場所

彼岸島 (ヒガンジマ)

『彼岸島』の舞台となる島。雅率いる吸血鬼たちによって支配されており、師匠を中心とした人間のレジスタンスが吸血鬼と激しい戦いを繰り広げている。海底火山が隆起してできた火山島であり、地熱の関係で年間を通して気温が安定していることから、通常は秋にしか咲かない彼岸花が一年中咲いている。小さな離島ということだが、旧日本軍の研究所や炭鉱、樹海、砂丘など、さまざまな施設・地形が存在する。 島の周りの海には水中型の邪鬼が群れをなしているため、脱出は困難。

その他キーワード

丸太 (マルタ)

『彼岸島』に登場するアイテムであり、作品を代表する武器。吸血鬼を殺すには頭を潰すのが有効なため、師匠を中心に多用される。単純な打撃武器としてのほか、投げることで飛び道具として用いられたりするなど、あらゆる場面で活用される。

書誌情報

彼岸島 全33巻 講談社〈ヤンマガKC〉 完結

第1巻

(2003年4月発行、 978-4063611267)

第2巻

(2003年4月発行、 978-4063611274)

第3巻

(2003年7月発行、 978-4063611434)

第4巻

(2003年10月発行、 978-4063611656)

第5巻

(2004年1月発行、 978-4063611991)

第6巻

(2004年4月発行、 978-4063612240)

第7巻

(2004年7月発行、 978-4063612486)

第8巻

(2004年9月発行、 978-4063612653)

第9巻

(2004年12月発行、 978-4063612905)

第10巻

(2005年3月発行、 978-4063613162)

第11巻

(2005年6月発行、 978-4063613377)

第12巻

(2005年9月発行、 978-4063613599)

第13巻

(2005年12月発行、 978-4063613957)

第14巻

(2006年3月発行、 978-4063614237)

第15巻

(2006年5月発行、 978-4063614442)

第16巻

(2006年7月発行、 978-4063614541)

第17巻

(2006年10月発行、 978-4063614800)

第18巻

(2007年1月発行、 978-4063615142)

第19巻

(2007年4月発行、 978-4063615395)

第20巻

(2007年7月発行、 978-4063615739)

第21巻

(2007年10月発行、 978-4063616019)

第22巻

(2007年12月発行、 978-4063616200)

第23巻

(2008年3月発行、 978-4063616453)

第24巻

(2008年7月発行、 978-4063616859)

第25巻

(2008年11月発行、 978-4063617252)

第26巻

(2009年3月発行、 978-4063617580)

第27巻

(2009年7月発行、 978-4063617986)

第28巻

(2009年11月発行、 978-4063618464)

第29巻

(2009年12月発行、 978-4063618471)

第30巻

(2010年1月発行、 978-4063618556)

第31巻

(2010年6月発行、 978-4063618969)

第32巻

(2010年9月発行、 978-4063619270)

第33巻

(2010年12月発行、 978-4063619669)

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