御手洗家、炎上する

御手洗家、炎上する

藤沢もやしの代表作。地元有数の名家で、代々病院を経営する御手洗家を舞台にしている。家族が崩壊するきっかけとなった13年前の火事の真相を探るため、「村田杏子」は偽名を使って、御手洗家に家事代行として潜入する。裕福な一家に起きた悲惨な事件の謎にせまる本格サスペンスドラマ。複雑に絡み合う御手洗家と村田家の人間関係、すべてを奪われた憎悪から、真実を追求しようとする杏子の姿が緊張感たっぷりに描かれている。講談社「Kiss」2017年5月号から2021年6月号にかけて掲載の作品。2023年実写ドラマ化。7月13日からNetflixで独占配信。監督はテレビドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』『約束のネバーランド』の平川雄一朗が担当。村田杏子を永野芽郁、御手洗真希子を鈴木京香が演じている。

正式名称
御手洗家、炎上する
ふりがな
みたらいけえんじょうする
作者
ジャンル
サスペンス
 
ひきこもり
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
既刊8巻
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疑惑、憎悪、野心が渦巻くホームサスペンス

町医者を営む上流家庭・御手洗家を舞台にしたサスペンスドラマ。注目の主婦モデルとして雑誌で活躍する御手洗真希子のもとに、家事代行スタッフ「山内しずか」がやって来る。掃除は丁寧で料理もうまく、気配り上手のしずかを気に入った真希子は、すぐにしずかを雇用する。だが、しずかの正体はかつて御手洗家を不注意で全焼させたことで、離縁された前妻・村田皐月の長女・村田杏子だった。杏子は全焼事故に真希子が関与しているのではないかと疑っており、13年の時を経て、その真相を探るべく行動を起こす。

13年前に起こった全焼事故

かつて御手洗家は、自宅を全焼する火事に見舞われた。その原因は御手洗治の当時の妻・御手洗皐月(村田皐月)の不注意によるものと見做されたが、御手洗杏子(村田皐月)はその日、野次馬の中で一人引きつった笑みを浮かべている渡真希子(後の御手洗真希子)を目撃していた。真希子と皐月はかつてママ友としてなかよくしていたが、真希子が皐月の私服をまねするようになり、態度も横柄になっていったのを、杏子は記憶していたのだ。その後、皐月が離婚をした直後に真希子が後妻として御手洗家に嫁いだことで、杏子の中で「真希子が御手洗家に放火し、皐月に罪を着せたのではないか」という疑惑が確信へと変わっていく。

御手洗家の火事に隠された真相を暴く

家事代行スタッフ「山内しずか」として御手洗家に潜入した村田杏子は、誰が犯人で誰が味方なのかわからないまま、さまざまな人物とかかわっていく。過度なストレスから結婚以前の記憶を失った母親・村田皐月、誰もが羨むセレブ主婦として振る舞う御手洗真希子、引きこもりニートの長男・御手洗希一、医学生の次男・御手洗真二。家事代行として働きながら確かな証拠を得て、杏子は火事に隠された真相にせまっていく。

登場人物・キャラクター

村田 杏子 (むらた あんず)

家事代行を務める女性。年齢は25歳。もともとは地元有数の名家であり、代々病院を経営している御手洗家の令嬢として育った。しかし13年前、自宅が火事で全焼したことで両親が離婚し、火事の責任を一身に背負った母親が村田杏子自身と妹の柚子と共に家を出て以来、村田姓を名乗っている。現在は東京都北西部にある木造アパートで柚子と二人暮らししながら、入院中の母親のもとに通っている。当時の火事の原因が母親の火の不始末とされていることや、母親と仲がよかったシングルマザーの御手洗真希子が、御手洗家の後妻になったことを不審に思っており、自分たち家族を崩壊させたのが真希子ではないかと思っている。13年前の火事の真相を知りたいとの強い思いから、「山内しずか」という偽名を使い、身分を偽って家事代行の家政婦として御手洗家に潜入を試みる。完璧な仕事ぶりで真希子に取り入り、御手洗家に残された母親の持ち物や、火事の真相を探るために証拠集めに奔走している。家族思いの優しい性格で、頭の回転が速く機転が利く。家事全般のスキルが高く、特に料理を得意としている。

御手洗 真希子 (みたらい まきこ)

地元有数の名家で、代々病院を経営している御手洗家の後妻。年齢は46歳。主婦向け雑誌の読者モデルとして活躍中。表向きは人当たりもよく、SNSなどでも理想的な家庭を持つ完璧な主婦として振る舞っているが、実は炊事洗濯掃除などの家事全般が苦手で、周囲に知られないように家事代行業者に頼っている。実はもともとシングルマザーで、御手洗家の前妻とは親しい関係だった。前妻と親しくなるうちに彼女を意識したしぐさや服装を身につけ、どんどん前妻に似ていく。当時は極貧の生活を送っていたが、13年前、御手洗家が全焼する火事が起きたのちに再婚。二人の息子を連れ、御手洗家の後妻として迎えられる。長男の希一は商社勤め、次男の真二は医学部の学生と話しているが、実は希一は自宅の2階の部屋に引きこもっている社会不適合者、いわゆる「ひきニート」。一時が万事、真希子自身にとってマイナスになることはすべて隠蔽しており、非常に計算高くて狡猾(こうかつ)な性格をしている。そのため、他人を自宅に招き入れることを好まず、家事代行業者にすら警戒心を抱いている。かつて、ゴシップ好きの家政婦を辞めさせたことがあり、新たに着任した村田杏子(山内しずか)のことも警戒し、約束を破った彼女を一度は解雇している。しかし、その後に再雇用し、以降は日常のことだけでなく、仕事に関することも、彼女のアドバイスを聞き入れるようになる。杏子からは、真希子が御手洗家の火事に何らかのかかわりを持っていると疑われている。

書誌情報

御手洗家、炎上する 8巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2017-12-13発行、 978-4063980332)

第2巻

(2018-03-13発行、 978-4065111215)

第3巻

(2018-09-13発行、 978-4065129586)

第4巻

(2019-03-13発行、 978-4065147962)

第5巻

(2019-09-13発行、 978-4065170458)

第6巻

(2020-03-13発行、 978-4065190043)

第7巻

(2020-12-11発行、 978-4065214022)

第8巻

(2021-06-11発行、 978-4065224274)

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