魔法医レクスと愉快な患者たち
本作は「魔法×医療×下ネタ」をテーマに、勇者が魔王を討伐してから15年後の平和なファンタジー世界を舞台にしたギャグコメディ。人間(ヒューマン)やエルフ、オークなどが共存し、モンスター討伐を生業とする冒険者たちはパーティを組んで活動している。医療の知識だけでなく、魔法や装備、モンスターの生態に関する解説や小ネタを織り交ぜることで、独特の世界観を構築している。主人公のレクスと個性豊かな患者たちによるテンポの良い会話劇や、刺激的な下ネタギャグも楽しめる。基本的には1話完結形式で進行し、各エピソードではさまざまな悩みやトラブルを抱えた患者たちがレクスの診療所に駆け込んでくる。
謎多き魔法医レクスの騒がしい日常
謎に包まれた治癒魔術師、レクスは、魔王が討伐され平和を取り戻した町で、小さな診療所を営んでいる。診療所に訪れるのは主に冒険者たちだが、彼らは好奇心が旺盛すぎるあまりスライムで大ケガをしたり、装備や印紋に過剰なこだわりを持つことで体調を崩したりと、個性的な変わり者ばかり。レクスはそんな患者たちに呆れつつも、彼らの悩みに真摯に向き合い、高度で繊細な魔法治療を施していく。多忙な日々を送る中、レクスは近所に住む未亡人の体から、魔力が著しく枯渇していることに気づくのだった。
レクスと仲間たちの奇想天外な解決法
未亡人の魔力枯渇の謎を追うレクスは、その原因が未亡人を狙って魔力を貪るインキュバスのベルマであることを突き止める。レクスはベルマに決闘を挑み、あっさりと勝利を収める。ベルマはレクスの魔法によってその能力を封じられ、強制的に人間の女性へと変えられてしまう。レクスはベルマの更生を兼ねて、看護師見習いとして雇うことになる。その後もレクスの診療所には、エッチな触手を求める女性ハンターや、治癒魔法に快感を覚えるマゾヒストの男性など、個性豊かな患者たちが続々と訪れる。患者たちが引き起こす予測不能なドタバタ劇や、レクスたちが奇想天外な手段でトラブルを解決していく様子が、本作の大きな魅力となっている。
登場人物・キャラクター
レクス
高度な魔法治療を得意とする中年男性。銀髪に眼鏡をかけている。平和になった町で診療所を営むレクスのもとには、前代未聞のトラブルや問題を抱えた患者たちが次々と訪れる。魔法技術に非常に優れ、繊細なコントロールを要する治療も難なくこなす。さらに、魔法による肉体強化も可能で、肉弾戦を含む戦闘にも秀でている。治癒魔術の習得には苦労したと語るものの、レクス自身の過去や経歴は謎に包まれている。近年、加齢による肉体の衰えを感じており、それが彼の悩みの一つとなっている。
ベルマ
未亡人の魔力だけを狙うインキュバス。レクスとの勝負に敗れた結果、彼の魔法によって強制的に女性の姿に変えられ、看護師見習いとして雇われることになる。元々は褐色肌の筋肉質な男性だったが、今では赤毛の巨乳美女へと変貌を遂げている。つねに自信に満ち、プライドも高く、レクスのスキを狙っては寝首をかこうと企んでいる。しかし、逆境やプレッシャーには脆い一面も持ち合わせている。ベルマ自身も独特な性癖の持ち主だが、診療所に訪れる患者たちはそれを遥かに上回る変態ばかりのため、ツッコミ役に回ることが多い。
書誌情報
魔法医レクスの変態カルテ 3巻 新潮社〈バンチコミックス〉
第1巻
(2024-03-08発行、 978-4107726865)
第2巻
(2024-09-09発行、 978-4107727442)
第3巻
(2025-04-09発行、 978-4107728128)