怪奇版画男

怪奇版画男

謎の怪人・版画男が版画を疎かにする者を相手に縦横無尽に暴れまわる姿を描くギャグ漫画。原稿は全て吹き出しの文字にいたるまで版画を彫り、刷って作成している版画漫画。1998年(平成10年)日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。

正式名称
怪奇版画男
ふりがな
かいきはんがおとこ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

年賀状を出さなかった山田の前に、突如、怪人・版画男が現れ、彫刻刀を振り回して襲い、山田は版画として刷られてしまう。そして怪人・版画男はこの版画漫画を彫る作者を拉致して強制的に版画を彫らせる。夏に暑中見舞いを出さなかった少女を怪人・版画男は手下の版画教団を引き連れて襲おうとするが、怪人プリントゴッコと版画とプリントゴッコのどちらでハガキを刷るかを競うことになる。

登場人物・キャラクター

版画男 (はんがおとこ)

棟方志功の作品のような丸顔に大きな目をした全身黒タイツの容姿の正体不明の怪人。版画に対して人一倍の情熱を持っていて、年賀状を始めとする版画の手紙を疎かにするものには容赦なく暴力を振るって版画を彫るように強制する。

山田 (やまだ)

忙しくて年賀状を出さなかったために版画男に襲われる。

作者 (さくしゃ)

版画漫画を作るため画材屋に版画板を買いに行くが、年賀状シーズンにしか置いていないと言われて困っていた。そこを版画男に拉致されて、版画を彫らされる。

版画教団 (はんがきょうだん)

版画を疎かにする人を襲う怪人・版画男に従う部下たちで、版画男風の帽子を被り黒タイツの集団。

怪人プリントゴッコ (かいじんぷりんとごっこ)

暑中見舞いを出さなかった女・ゆみこを襲って版画を彫らそうとする版画男に対抗して、暑中見舞いにプリントゴッコを使わせようとする怪人。

ととこちゃん

版画を疎かにする人を襲う怪人・版画男とつきあっている女子大生。二人は交換版画をしているが、ととこちゃんは版画にしか興味のない版画男の気持ちが判らない。

ふにこちゃ

版画男とつき合っている女子大生ととこちゃんの友人。父親が年賀状作成に命を賭けており、辰年の年賀状のために中国奥地に竜を求めて行って行方不明となっている。母親は心労のために帰らぬ人となった。版画男が強制的に年賀状の版画を彫らせようとすることを断固拒否する。しかし鯛の魚拓のめでたさに心を入れ替える。

アイドル

大人の女優に脱皮するためにヘアヌード写真を撮影しようとしたが、カメラマンの代わりに版画男が版画を彫りに来る。

(かめ)

流れの仕事師として雀荘に入るが、版画男を相手に自分の牌にいかに早く役を彫るか勝負することになってしまう。

掘釜 (ほりかま)

背に背負った者のオトコを上げツキを呼ぶ伝説の昇り龍の精妙・幽玄な図柄の彫り物(刺青)を彫れる鮃町三代目掘釜、65歳。しかし掘釜は体調を崩しており、代わりに弟子の版画男とその兄弟子が競って昇り龍を彫ることになる。

よしゆき

雪に閉ざされた山小屋でよしゆきと版画男は遭難しかかっている。恋人にふられ会社をクビになり、人生の目的を失ったよしゆきは自暴自棄となっていたが、版画男に版画を彫ることを強制される。

版画売りの少女 (はんがうりのしょうじょ)

クリスマスが近づく冬の夜に、版画売りの少女は木版画よりも森林資源を損なわない紙版画を売っているが一枚も売れない。寒さしのぎのために自分で版画男の登場する紙版画を刷り始める。

怪奇指紋男 (かいきしもんおとこ)

怪奇指紋男は顔が指紋で、連続暴行事件を起こす。版画男の刑事と手下の版画教団は怪奇指紋男を追う。

イベント・出来事

夏の全国高校版画大会 (なつのぜんこくこうこうはんがたいかい)

『怪奇版画男』のイベント。全国高校版画大会東西地区決勝戦で版画男率いる赤玉高校は青犬学園と版画の試合をする。

品評会 (ひんぴょうかい)

『怪奇版画男』のイベント。版画を疎かにする人を襲う怪人・版画男は1996年正月に年賀状をくれた人たちを集めて品評会を開催し、それぞれの年賀状の版画のできを厳しく評価して版画を特訓する。

2色ページ (にしょくぺーじ)

『怪奇版画男』のイベント。白黒と赤の2色ページなので、版画を疎かにする人を襲う怪人・版画男たちは日の出やリンゴなど赤い図案の2色刷をひたすら彫り続ける。

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