恋のツキ

恋のツキ

31歳を過ぎた女性と、16歳の高校生との15歳差の恋愛を描いた物語。互いの年齢差による恋愛観のギャップからくる、30代女性のリアルな感情が描かれている。「月刊モーニングtwo」2016年2月号から連載の作品。

正式名称
恋のツキ
ふりがな
こいのつき
作者
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あらすじ

第1巻

映画館でアルバイトとして働く平ワコは、彼氏の青井ふうたと同棲して3年になる。ワコはふうたとの関係に納得してはいるものの、どこか満たされない日々を過ごしていた。そんなある日、ワコは映画館に客としてやって来た高校生の伊古ユメアキと出会う。すでに自分が失った、若さとみずみずしさを持ったユメアキに惹かれていくワコは、いけないとわかりつつもユメアキとの関係を持つ。ワコはそんな関係を同棲しているふうたに気づかれないようにしていたが、ある日ユメアキから正式に告白される。

第2巻

伊古ユメアキから好きだと言われた平ワコは、こんな自分を好きになってくれたユメアキを愛おしく思う。しかし自身の年齢が31歳である事、そしてユメアキが自分より15歳も若い事にもとまどっていた。ワコは、自分には青井ふうたという彼氏がいる事を告げるが、ユメアキにそれでも好きだと思いを伝えられ、ワコはふうたと別れる事を決意する。しかし、ふうたはワコと結婚する決意を固めており、ワコの両親にあいさつに行く日取りを決めていた。ふうたとユメアキとのあいだでゆれるワコだったが、ついにユメアキとの事をふうたに知られてしまう。ショックを受けたふうたはワコと同棲していたアパートを出ていくが、自分にも至らない点があった事を反省し、再びワコのもとへと戻って来る。ふうたがいる事が当り前の幸せだという事を痛感したワコは、今度こそふうたと生きていく事を決意する。

第3巻

平ワコ伊古ユメアキとの関係を精算し、青井ふうたと未来を生きようと決意した。しかし、ユメアキはワコの事をあきらめないと告げる。一方のワコもまた、ユメアキと会う事で心に均衡が保たれている事を実感していた。そんな中、ワコがアルバイトとして働いていた映画館が閉館し、ワコは無職になってしまう。ワコは何社も面接を受けるが、30歳を過ぎた女性を採用してくれるところはなかった。途方に暮れるワコは、心のよりどころとしてユメアキを頼るようになっていく。ふうたはそんなワコの心の変化に気づかずに、何げない一言でワコを傷つけてしまう。そしてワコは、ふうたとの口論の末に別れを切り出すのだった。

第4巻

青井ふうたは、別れを切り出してきた平ワコにとまどいながらも懸命に説得しようとするが、ワコの決意は固く、二人は別れる事になった。ワコはふうたのアパートを出て一人で暮らす部屋を探し、さらに新たな職場に就職が決まる。こうして晴れて伊古ユメアキと付き合えるようになったワコは、ユメアキの通う高校で開かれる文化祭に行くが、そこでユメアキと親しく話すサカキサトコと出会う。サトコがユメアキに思いを寄せているのではないかとワコは不安を覚えるが、これまでと変わらず自分を見てくれるユメアキの姿に安心する。だが、その後もユメアキからサトコの話をたびたび聞かされ、ワコは少しずつ精神のバランスが保てなくなっていく。

第5巻

精神的に不安定な状態が続いていた平ワコは、ある日偶然にもかつての彼氏だった土屋情と再会する。土屋とはすれ違いが増えた事で別れたものの、久しぶりに再会した土屋との会話はワコにとって心地よいものだった。一方の伊古ユメアキは、同じ学校に通うサカキサトコから告白されるが、ワコと付き合っているからと断る。しかしサトコは、ユメアキがワコにいいように利用されているだけだと食い下がる。サトコの言葉が引っかかったユメアキは、ワコが自分と浮気をした末に彼氏と別れた事を思い出し、いずれは自分も浮気をされるのではないかと不安を覚える。そんな中、ワコは土屋から呼び出され、結婚を申し込まれる。

第6巻

かつての彼氏だった土屋情からプロポーズされた平ワコは、伊古ユメアキの事を考えてその話を断る。偶然にもワコがプロポーズされた事を知ったユメアキは、ワコに対して不安な気持ちをぶつけるが、ワコの事を信じて関係を続ける事を約束する。そしてユメアキは、ワコに後押しされて自分の趣味である映画撮影に再び取り組む事になる。告白されて以来、気まずい関係となっていたサカキサトコとも仲直りしたユメアキは、精力的に映画撮影に励む。ワコもまた、少しずつ精神のバランスを取り戻し、仕事も順調な日々が続いていた。しかし季節が変わり、ユメアキとの楽しい日が続く中、突然ワコはユメアキから、ほかに好きな人ができたと告げられる。

登場人物・キャラクター

平 ワコ (たいら わこ)

映画が趣味の女性。映画館でチケット販売のアルバイトをしていて、年齢は31歳。映画館に観客としてやって来た高校生の伊古ユメアキと知り合う。15歳も年齢の離れたユメアキに対して、当初は恋愛対象として見ていなかったが、徐々にユメアキに惹かれていく。結果的に付き合っていた青井ふうたと別れ、ユメアキと付き合う事を選択するが、その事がユメアキとともに平ワコ自身を苦しめる事へとつながっていく。

伊古 ユメアキ (いこ ゆめあき)

映画が趣味の男子高校生。平ワコのアルバイトしている映画館に客として来た事で彼女と知り合う。年齢は16歳。ワコに対しては出会った当初から好意を寄せており、積極的にその気持ちを伝えようとする。ワコと付き合うようになってからもできるだけいっしょにいようとしているが、一方でワコが浮気の末に自分と付き合ったという事実に、いずれはまた誰かと浮気するのではないかと不安を抱くようになる。内向的な性格のため友人も少なかったが、映画を通じてサカキサトコたちと知り合い、少しずつ前向きになっていく。

青井 ふうた (あおい ふうた)

平ワコと付き合っている男性。ワコとは同棲して4年になり、結婚を意識している。伊古ユメアキと出会い、少しずつ自分から離れていくワコの事を不安に思いながらも、関係が壊れる事はないだろうと考えていた。ワコの事は大切に思っていたが、自分に黙ってワコがユメアキと関係を持った事、そして自分に対して不満を抱いていた事を知らされ、結果的にワコと別れる。その後は別の女性と付き合うようになる。

サカキ サトコ

伊古ユメアキと同じ高校に通う女子高校生。映画が趣味だというユメアキの事を気に入り、サカキサトコ自身が所属する映画研究会に勧誘する。ピアノが趣味で、休日には近所の教会で演奏している。当初はユメアキを異性として意識していなかったが、行動を共にする事で少しずつユメアキに惹かれていく。面倒見のいい性格で、困っている人がいると思わず助けてしまう。平ワコの事はユメアキから親戚と紹介されるが、その後ユメアキと付き合っている事を知り、嫌悪感をあらわにする。

土屋 情 (つちや じょう)

かつて平ワコと付き合っていた男性。互いにすれ違いが多くなったために別れたが、決して嫌いになって別れたわけではなかった。ワコと別れたあとに結婚するが、相手の浮気によって離婚している。偶然にもワコと再会し、彼女と接する機会が増えていく。ワコとは互いに意識せずに気軽に話ができるようになった事から、あらためて彼女を支えたいと思うようになり、結婚を申し込む。伊古ユメアキと付き合っていたワコにはその申し出を断られたものの、ワコとの結婚をあきらめたわけではない。

中村 リサ (なかむら りさ)

平ワコと同じ映画館で働く女性。青井ふうたの大学時代の先輩にあたる。ワコにふうたを紹介した人物であり、ワコにとっては恋愛相談をはじめ、さまざまな相談事ができる相手だった。既婚者で、ワコがふうたと別れた直後に妊娠した。

三島 (みしま)

伊古ユメアキと同じ高校に通う男子高校生。サカキサトコと共に映画研究会に所属しており、ユメアキ同様に映画に対する深い知識と情熱を持っている。ユメアキとは映画を通じてなかよくなり、それまで友人と呼べる相手がいなかったユメアキにとって親友とも呼べる存在となっていく。サトコがユメアキに対して思いを寄せている事に気づき、さりげなく二人きりにさせるなど、気配りのできる人物でもある。

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