恋は雨上がりのように

恋は雨上がりのように

17歳の女子高生橘あきらは、ふとした出来事がきっかけで、ある男性に想いを寄せる。相手は、よりによって45歳でうだつの上がらないファミレスの店長・近藤正己。ちょっと変った感性を持つ女子高生と、ごく普通の中年男の不器用な恋愛模様を描いた、ファンタジックでユーモラスなラブストーリー。2015年『コミックナタリー大賞』第2位。2016年『このマンガがすごい! オトコ編』第4位。2016年『全国書店員が選んだおすすめコミック』第4位。2016年『マンガ大賞』第7位。2018年1月からテレビアニメが放送され、同年5月から実写映画も公開された。

正式名称
恋は雨上がりのように
ふりがな
こいはあめあがりのように
作者
ジャンル
恋愛一般
レーベル
ビッグコミックス(小学館)
巻数
既刊9巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

物語の主人公・橘あきらは、横浜で暮らす女子高生。かつて陸上部に所属していたあきらは、アキレス腱を断裂したことが原因で、競技生活を断念。部活を辞めたあきらは、放課後にファミレス「cafeレストラン ガーデン」でアルバイトにいそしんでいた。ただし、彼女が働く動機は金銭などではなく、店長である近藤正己。きっかけは、陸上競技を諦めざるを得なくなって落ち込んでいたあきらに、見ず知らずの近藤がさりげない優しさを見せてくれたこと。それ以来、あきらの近藤に対する想いは日ごとに募るばかり。しかし、相手との年の差は28歳。立場の違いもあって、あきらは気持ちを思うように伝えられず、もどかしい日々が続いていた。そんなある日、あきらは客の忘れ物を届けようと無理をして、脚の古傷を悪化させてしまう。ところがこの出来事が、あきらにとってはまさに怪我の功名。近藤に秘めた想いを伝える契機となる。

第2巻

橘あきらから想いを告白された近藤正己は、落ち着かない日々を過ごしていた。相手は17歳の女子高生。子供ではないが大人でもない微妙な年頃。世間の目も恐いし、万一コトに及ぼうものなら、法的にも完全にアウトな相手である。悩んだ挙げ句、自分はかつがれているのでは? と疑ったりもしたものの、彼女の想いは紛れもない本物だった。45歳バツイチ、夢も希望もない自分にどうしてそこまで。戸惑う近藤だが、ふとした言葉の綾からあきらとデートをすることになってしまう。一方、近藤とのデートに浮かれるあきらだが、彼への想いをアルバイトの同僚である加瀬亮介に知られてしまい、それを内密にすることと引き替えに、加瀬ともデートするハメに。デート当日、自分に対して一切興味を示さないあきらに対して、プライドを刺激されたのか、加瀬は思いもよらない行動に出る。君と店長はうまくいかない。絶対に。単なる腹いせともとれる加瀬の言葉は、あきらの心に重くのしかかる。

第3巻

橘あきらはここしばらく、純文学に興味を抱くようになっていた。きっかけはごくごくシンプルで、想いを寄せる近藤正己が純文学好きだと知ったから。そんなある日、補習の課題だった『羅生門』を話題に、店長との会話が思いの外弾んだこともあって、あきらの純文学への興味は急上昇。もっとも、興味の対象はあくまで「店長の好きな純文学」で、読み物としての興味は二の次。店長のことをもっとよく知りたい。という欲求が中心である。ともあれ、そんな欲求に突き動かされたあきらは、中央図書館へと足を運ぶ。そこであきらは店長とバッタリ遭遇。実は中央図書館は、店長の行きつけの場所だったのだ。ただし、店長は市外に住んでいるため、図書カードは作れない模様。そんな彼に気を利かせたあきらは、自分のカードで本を借りることを申し出る。ところが、その申し出の際、店長がたまたま見かけた本が、彼の心に影を落とすことになる。

第4巻

君が俺の何を知っているの。苛立ちからつい口にしてしまった近藤正己の言葉に、橘あきらは大きく動揺する。心のざわつきに居ても立ってもいられなくなったあきらは、嵐の夜、夏風邪で店を休んだ店長の自宅へ突然訪問。張り裂けそうな胸の内を店長にぶつける。そんなあきらの真っ直ぐさは、彼にとってはキラキラと輝いて見え、自分がとうに忘れてしまっていた若き日々を思い出させる。彼女の不安を取り払ってあげたい。そんな想いに突き動かされた近藤は、思わずあきらを抱きしめてしまう。しばらくして我に返った彼は、これは友達としてのハグだから。と、苦しい言い訳。それでもあきらに取ってみれば、店長とスタッフという関係から「友達」へと、微妙ながらも一歩前進といったところ。そんなあきらにとっては、もう一人気になる友達がいた。それは陸上部の喜屋武はるか。自らの脚の負傷で部を引退して以来、彼女とはすれ違いが続いていた。そんな関係を修復しようと、あきらは喜屋武を夏祭りへと誘う。

第5巻

近藤正己と「友達」という立場となった橘あきらは、その微妙な距離感に戸惑っていた。自分の想いは確かに伝わったはずだが、店長はあくまで一線を越えることなく、大人な対応に終始するばかり。そんなあきらに対して、想いが一方通行気味という点では、同じような立場であるアルバイト仲間の西田ユイは、身近に彼女のことを想っている人がいるかも知れないと、ほのめかす。一方、同じくバイト仲間であり、かつてあきらにデートを強要した加瀬亮介は、彼女以上に困難な恋慕の情を抱えていた。その相手とは、義理の姉である珠子。惚れっぽく、男に振られる度に亮介の部屋を訪れる珠子。この義姉に対する禁断の想いが、亮介の心を歪ませているのかも。そんな亮介は、傷心の癒えきらない義姉に付き合わされる形で植物園へ。そこで彼は、店長とその息子である近藤勇斗、それにあきらとバッタリ遭遇。珠子の提案により、5人で園内を回ることになる。亮介にとってはどうにも居心地の悪い組みあわせだが、この際に彼らが目にしたある植物と、その後の亮介の言葉が、あきらに一歩前へ踏み出す勇気を与えることとなる。

第6巻

10月を迎えた頃、西田ユイ吉澤タカシへのクリスマスプレゼントとしてマフラーを編むことを思い立つ。随分と気の早い話ではあるが、それは自分の不器用さを理解しているが故のこと。そんなユイに触発され、橘あきらも店長にマフラーを編もうと決意する。不慣れな手編み作業に悪戦苦闘する二人だが、そんな彼女たちの努力は、思わぬ幸運や出会いをもたらしてくれることとなる。また、マフラーの件とは別で、あきらは気になる人物と出会う。それは、あきらとは別の高校の陸上部員、倉田みずきである。あきらの走りに強い憧れを抱いていたというみずきは、どうして陸上を辞めたのかと、スレートにあきらを問いただす。不躾な質問に思わずムッとするあきらだったが、みずきにはそれだけの理由があった。彼女もまた、あきらと同じくアキレス腱断裂を経験し、そこから復帰した経験の持ち主だったのだ。どうして走れへんのですか。みずきの言葉は、あきらの心をざわつかせる。

第7巻

橘あきら近藤正己ともに過去への関わりがクローズアップされる。近藤は純文学に対する自らの想い。親友であり、現役の作家として第一線を走る九条ちひろは、新人作家の作品に悩みを抱き、映画化された自身の作品にさえ納得しない。大学時代そのままの姿勢で文学と向き合っている。そんなちひろの姿に懐かしさを感じた近藤は、自分自身が歳を取ってしまったことを改めて実感する。日々肉体は朽ち、心は鈍く淀んでいく、だからこそあきらたちがキラキラと美しく感じるのかもしれないと。一方のあきらは、陸上に対する断ちがたい気持ち。あきらはこの未練を断ち切ろうと、スパイクやユニフォームを捨てようとする。そんなあきらの与り知らぬ所で、親友の喜屋武はるかは心を痛めていた。幼少の頃からあきらと共に過ごしてきたはるかは、彼女の走りに対する想いが決して軽くはないことを知っていた。それ故に、気軽に復帰話をすることなどできないが、さりとて放っておくこともできない。そんなはるかに、思い掛けない相手が声をかける。それは、サッカー部を引退したばかりの三年生、山本だった。

第8巻

自分は橘あきらを好きなのだ。あまりに離れた歳の差などから、これまで敢えて意識しないできた感情に気付いてしまった近藤正己は、大いに戸惑う。努めて平静を保とうとするものの、その反応はまるで思春期の少年に戻ったかのよう。ついついあきらを避けてしまう。そんな店長の変化にあきらが気付かぬはずもなく、彼女もモヤモヤした気分でいた。さらにあきらには、もうひとつ感情を揺さぶる出来事が。親友の喜屋武はるかが、あきらに対して陸上部への復帰を懇願してきたのだ。いつでもあきらのこと待ってるから。はるかの真摯な言葉があきらの心に刺さる。また、ちょっとした成り行きから近藤勇斗に陸上のアドバイスをすることになったこともあり、あきらは改めて自分の陸上に対する想いを再認識することになる。そんな中、あきらと西田ユイが共にクリスマスを目指して編み続けていたマフラーが完成。ユイはクリスマス前に、吉澤タカシへの想いを告白する決意を固める。

第9巻

橘あきらは、喜屋武はるかに誘われて、女子全国高校駅伝大会を観戦に京都へ向う。その場で改めて触れたはるかの陸上に対する真っ直ぐな想い。そして、偶然居合わせた倉田みずきの、あきらの復帰を信じて疑わない言葉。さらに吉澤タカシにフラれてもなお、前向きに美容師への夢を騙る西田ユイ。そんな彼女たちに触発されてか、あきらの心にも微妙な変化が生じ始める。そんなあきらの心境の変化に呼応するかのように、近藤正己にも前向きな気持ちが芽生え始める。かつての情熱を取り戻したかのように、再び筆を執って原稿に向いだしたのだ。一方、近藤の親友である九条ちひろにも、創作意欲を刺激する出会いが。それは新進気鋭の作家、町田すいとの出会い。今風のチャラい若者かと思いきや、出版社の謝恩会で顔合わせした当人は、純朴そうな17歳の男子高生。あどけない表情で恐れを知らずに将来を夢見るその姿は、ちひろの心に新たなパワーを注ぎ込む。

メディアミックス

TVアニメ

『恋は雨上がりのように After the Rain』

フジテレビ系列『ノイタミナ』枠にて、2018年1月12日より放送開始。監督:渡辺歩、シリーズ構成:赤尾でこ、キャラクターデザイン・総作画監督:柴田由香、音楽:吉俣良、アニメーション制作:WIT STUDIO、製作 :アニメ「恋雨」製作委員会、オープニングテーマ『ノスタルジックレインフォール』歌:CHICO with HoneyWorks、エンディングテーマ『Ref:rain』歌:Aimer、放送局:フジテレビ系列

実写映画

『恋は雨上がりのように』

2018年5月25日公開。監督はCMディレクターとして活躍する傍ら、『世界から猫が消えたなら』、『帝一の國』など、スタイリッシュな意欲作を続々と手がける永井聡。主人公の女子高生・橘あきらを『バクマン。』、『溺れるナイフ』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』などの話題作に出演してきた若手の実力派女優・小松菜奈、ファミレス店長・[◆近藤正巳]を『アイアムアヒーロー』、『探偵はBARにいる3』を始めとする数々の映画やドラマに出演し、MCや作家、歌手などの多方面で活躍するマルチタレントの大泉洋が演じる。監督:永井聡、脚本:坂口理子、配給:東宝

登場人物・キャラクター

主人公

背が高くスレンダーなスタイルで、凛々しい顔立ちの少女。6月21日生まれの17歳で、風見沢高校に通う2年生。黒のロングヘアで、アルバイト中や陸上競技ではポニーテイルにするのが基本だが、お団子に結うことも... 関連ページ:橘 あきら

ファミレス「cafeレストラン ガーデン」の店長をしている男性。1月5日生まれの45歳。バイトの面々からは低く見られており、客のクレームに頭を下げ続け、気苦労が絶えない。ストレスが原因なのか、後頭部に... 関連ページ:近藤 正己

近藤正己の息子。小学生4年生。明るく活発なヤンチャ盛り。離婚した母親に引き取られているが、父親のことを慕っており、頻繁に彼の元へ訪れている。アパートだけでなく、店にあがりこむことも多く、店員たちからも... 関連ページ:近藤 勇斗

橘あきらと同じ風見沢高校に通う2年生の男子で、あきらのクラスメイト。髪型はワイルドなツンツンヘッド。明るく、ポジティブシンキングで、いつもテンション高めだが、乙女心には鈍感。純朴な性格のため、周囲から... 関連ページ:吉澤 タカシ

ファミレス「cafeレストラン ガーデン」でアルバイトをしている大学生の男性。長めの髪を後ろで束ねている。経験の幅を広げるためにファミレスのバイトを選んだものの、周囲のレベルの低さに内心では辟易してい... 関連ページ:加瀬 亮介

ファミレス「cafeレストラン ガーデン」でアルバイトをしている女子高生。背が低く、ショート目の髪に、くりくりと大きな目の持ち主。明るく活発なムードメーカーで、おせっかい好き。橘あきらとは別の学校に通... 関連ページ:西田 ユイ

西田ユイの姉。美容師。ユイ曰く、美容師になりたいと志したのは自分が先で、影響を受けたのは姉の方とのこと。ユイの散髪の練習で被害を受けた相手のフォローを務めることがしばしばある。姉妹関係はすこぶる良好で... 関連ページ:西田 マイ

ファミレス「cafeレストラン ガーデン」で働く女性。押しの強い仏頂面の持ち主で、口調もキツ目で気が強い。店長の近藤正己に対して不満が多く、情けないと日々感じている。そのせいもあって近藤には、一切遠慮... 関連ページ:久保

橘あきらと同じ風見沢高校に通う2年生の女子で、あきらの友人。褐色の肌にショートカットで、典型的なスポーツ少女といった出で立ち。そばかすが増えるのを気にして、冬でも日焼け止めクリームを欠かさない。翔太と... 関連ページ:喜屋武 はるか

書誌情報

恋は雨上がりのように 既刊9巻 小学館〈ビッグコミックス〉 連載中

第1巻

(2015年1月発行、 978-4091867285)

第2巻

(2015年4月発行、 978-4091868688)

第3巻

(2015年9月発行、 978-4091872005)

第4巻

(2016年1月発行、 978-4091874177)

第5巻

(2016年6月10日発行、 978-4091876294)

第6巻

(2016年10月12日発行、 978-4091877987)

第7巻

(2017年3月10日発行、 978-4091893895)

第8巻

(2017年7月12日発行、 978-4091895462)

第9巻

(2017年11月10日発行、 978-4091896568)

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