恋愛カタログ

恋愛カタログ

おっちょこちょいで人が良い高校2年生の花本実果は、コンパで出会った高田修司に一目惚れし、自ら告白して付き合うことになる。不器用ながらも、お互いに真摯に向き合いながら成長する実果と修司、そして彼女たちを取り巻く仲間を描いたラブストーリー。「別冊マーガレット」1995年1月号から2007年5月号にかけて掲載された作品。『恋愛カタログ』の後日談を描いた番外編『恋愛カタログ ~after party~』も収録されている。

正式名称
恋愛カタログ
ふりがな
れんあいかたろぐ
作者
ジャンル
恋愛
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あらすじ

第1巻

おっちょこちょいで人がいい高校生・花本実果は、他校の高田修司に一目惚れし、大胆にも告白して付き合う事になった。占いを頼りに、試行錯誤を繰り返す実果だったが、いざ修司と二人きりになると緊張して空回りしてしまう。実果は修司に嫌われたのではないかと、いつもヒヤヒヤしていたが、修司とデートを重ねるたびに、二人の距離も縮まっていく。そんな中、修司とライブに行った実果は、そこで修司の中学時代の友人・本谷なつおと出会う。なつおの修司に対する意味深長な態度が引っかかっていた実果だったが、ある日、実果は修司と、思いがけずキスをしてしまい激しく動揺。そんな中、修司から本谷のバンドを手伝うので春休みはまったく会えないと言われてしまう。

第2巻

高田修司は、中学時代の友人・本谷なつおのバンドを手伝う事になった。そこで、修司の彼女として存在感を示したい花本実果は、毎日差入れ持参で練習を見学しに行くようになる。そんな実果を本谷は邪魔者扱いし、さらには修司とも音楽性の違いから激しくぶつかる。このままでは、本谷と平行線をたどると思った修司は、あっさりバンドを辞めてしまう。実果はそんな修司に寄り添い、二人は無事に二度目のキスを果たす。そんな中、高校3年生になった実果は、修司と親友の小倉ユウ山根恭歌のカップルと共に、貸別荘に出掛ける。二人きりになりたいユウと恭歌に合わせ、修司とデートを楽しむ実果だったが、立ち寄った洋館にバッグを忘れてしまう。夜中に一人でバッグを取りに行こうとした実果に気づいた修司は、実果に付き添う優しさを見せる。

第3巻

高校3年生の花本実果は、他校の不破から告白される。高田修司に告白した自分を思い出して懐かしい気持ちになった実果だったが、付き合っている人がいると断ってしまう。ところが、夏休みに「少年の船」でボランティア活動をする事にした実果と修司は、実果をあきらめきれない不破と、修司に恋する小学生・背戸田恵に翻弄され、険悪なムードになってしまう。実果は修司から、悪者になりたくないから不破を断れないと批難され、一方、実果は片思いする気持ちがわからない修司に苛立つ。困り果てた実果だが、親友・小倉ユウに電話で悩みを相談。気持ちがほぐれた実果は、修司と仲直りしようと決める。

第4巻

高校3年生の夏休み、花本実果の家で小倉ユウ早起、メグのなかよし四人組でパジャマパーティーが開かれたが、早起は彼氏の話ばかりする実果とユウに腹を立てて家に帰ってしまう。実果の妹・花本種を痴漢と間違え、実果の家に戻って来た早起は、みんなを困らせた事でスッキリした気持になり、機嫌を直す。そんな中、実果は生意気だがなぜか気になる男子中学生から執拗にからまれるようになる。彼は高田修司の弟・高田隆司だった。隆司の悪だくみにより、実果と修司の誕生日デートは散々な結果となる。それを知った種は、実果に横柄な態度を取る隆司を殴ってしまう。

第5巻

花本実果高田修司の弟・高田隆司から、お前の事は認めないと宣戦布告される。そんな隆司の策略により、修司の母は家に来た実果を、複数のガールフレンドの中の一人だと誤解する。ある日、隆司が自分を殴った花本種に好意を寄せている事が発覚。実果達は、文化祭を利用して隆司と種をなかよくさせようと計画を立てるが、実果の不用意な一言で、隆司にその事がバレてしまう。文化祭当日、種は大人の男性にナンパされ、カラオケボックスへ連れて行かれる。二人を追った実果と修司が別の個室で待機していると、隆司も種を追ってやって来る。

第6巻

高田隆司はナンパされていた花本種を助け出し、その必死さに種も隆司に興味を抱く。そんなある日、高田修司と同じK大学を志望する花本実果は、自分の成績がボーダーラインスレスレだと知り、受験勉強に専念する事を宣言。修司に会う事も我慢して勉強に励むが、姉好きの種はついつい実果の邪魔をしてしまう。さらには、隆司も実果の邪魔をするようになり、実果を気遣った種は、隆司をデートに誘う。なにをしでかすかわからない隆司を懸念した修司は、実果と共に種と隆司を尾行。だが、実果に気づいた隆司は、種の真意を知ってしまい、ひどく傷つく。実果達はそんな隆司を、クリスマスパーティーに招待するが、隆司が悪態をついたせいで、種は怒って帰ってしまう。

第7巻

クリスマスパーティーで、苛立った高田隆司から突然キスをされてしまった花本実果は、バラされたくなかったら、花本種を責任もってなんとかしろと隆司から脅される。そこで実果は、隆司と種を誘い、みんなで初詣に出掛ける事にする。ひょんな事から、高田修司はコンタクトレンズを失くしたという川瀬乃利子を助け、彼女は修司に恋心を抱く。後日、乃利子が修司に連絡を取って来たために、実果は不安を感じてしまう。一方、種といい雰囲気になりかけた隆司は、隆司を好きなタラコから、種に実果とのキスをバラされたくなければ、私にキスしろと詰め寄られる。

第8巻

いよいよK大学の入試日が近づいて来た。校内で川瀬乃利子に偶然出会った花本実果は動揺する事なくやり過ごしたが、その後、高田修司と乃利子が、春休みに同じ短期アルバイトをする事が判明。一方、高田隆司にバレンタインのチョコレートを買った花本種は、隆司と実果がキスしたと知り、隆司にいきなりキスをする。種とのキスで自信をつけた隆司は、タラコを拒絶。すると、怒ったタラコは修司に、実果と隆司のキスをばらすのだった。そんな中、K大学に補欠合格した実果は、無事、繰り上げ合格を果たす。そして、実果と修司は、小倉ユウ山根恭歌のカップルと卒業旅行に出掛けるのだった。

第9巻

花本実果達の卒業旅行に、実果の叔母の出産の手伝いに来た花本種高田隆司の二人も合流。高田修司は実果とのキスを、種と共にやって来た実果の母に目撃される。そんな中、実果はいとこの黒滝健吾が、家庭内で孤独を感じていると、彼の幼なじみの曙陽子から知らされる。一方、種が健吾を好きだと思い込んだ隆司は、勢い余って不用意な言葉で種を傷つけてしまう。その後、種が腹痛を起こしてしまった事を反省し、隆司は自分の気持を素直に伝えて謝罪する。

第10巻

高田修司の中学時代の恋愛相手が気になって仕方がない花本実果は、修司に恋愛の思い出話をせがむ。修司の彼女だった夏木結衣は、学校のアイドル的な存在だったが、修司に恋する郷右近望を手ひどく罵った事で、修司の気持ちは冷めたという。そんな中、修司の父の転勤が決まり、高田隆司は両親と大阪へ行く事を余儀なくされる。一方、修司との恋を邪魔する隆司がいない大学生活を妄想し、実果の気持ちは浮き立つ。同じ頃、花本種は先輩の前川に告白される。そんな中、種と隆司の合同誕生会が開かれる。そこで、隆司は東京に残ってくれると思い込んでいた種が彼を責めた事で、二人の関係に暗雲が漂うようになってしまう。

第11巻

高田隆司と喧嘩した花本種は、前川からデートに誘われる。デートの最中、種は前川が隆司の事をチビと呼んだ事にぶち切れる。一方、隆司の転校を懸念する花本実果は、なぜ隆司が修司の父に逆らえないのか疑問に思う。修司の父は穏やかな反面、静かに怒りを表現する人間だったのだ。帰宅した隆司は、父親に愛している女性がいるから大阪には行かないと言い切り、修司もそれに加勢する。高田家では冷戦が続いたが、最終的に隆司は修司と家に残る事になった。そんな中、大学生活をスタートさせた実果は、友達を作ろうと意気込むが、強引で物事をはっきり言う笹錦望に気に入られ、親友扱いされてしまい、やがて理不尽な思いを抱くようになる。

第12巻

花本実果笹錦望が、中学時代に高田修司に思いを寄せていた郷右近望だと確信し、気まずさを避けるため、自分の彼氏が修司だと笹錦に打ち明ける。無関心を装う笹錦だったが、それからは実果の家には頼んでもいない出前が届けられるなど、数々の嫌がらせを受けるようになる。実果は犯人が笹錦だと断定するが、修司はそんな実果に落胆した様子を見せる。そんな中、実果は笹錦が屈折するに至った経緯を本人から聞かされ、心を痛める。一方、同窓会の件で修司宅を訪れた笹錦は、たまたま花本家に嫌がらせをした犯人を目撃した隆司に責められ、狼狽する。しかし実果が高田家を訪ねると、隆司に酒を飲まされた笹錦はものまねショーを披露していた。修司の中学校の同窓会当日、笹錦に会場に連れて行かれた実果は、修司の元彼女・夏木結衣から心ない言葉を投げかけられる。

第13巻

高田修司が幹事を務める同窓会で、二次会のカラオケに参加した笹錦望は、得意の歌を披露し、会場を盛り上げる。だが、またもや夏木結衣の嫌味が炸裂。そんな結衣を、笹錦は完璧にやり込める。そんな中、黒滝健吾花本実果の家へ遊びに来た曙陽子は、笹錦のダイエット魂に火を点ける。笹錦はスポーツジムに通い出すのだが、初恋の相手・に似ているインストラクターの越光充に恋心を覚える。傷つかないよう自制していた笹錦だったが、彼女の由香里と別れたという越光からキスをされ有頂天になる。しばらくして、様子のおかしい笹錦を心配した実果が越光に会いに行くと、越光が彼女と復縁していた事が判明。実果に責められた越光は笹錦に謝罪するが、彼女に容赦ない言葉を浴びせられ、その胸倉をつかんでしまう。

第14巻

越光充笹錦望に言われた言葉が胸に刺さり、本当に由香里と別れる。越光が笹錦に謝りたいと知った花本実果は、二人のためにデートをお膳立てし、高田修司と共に笹錦をフォローする事になる。しかし遅刻して来た越光は、みんなを不愉快にさせる言動を取る。そんな越光は、自分が落とした財布を必死に探す笹錦の姿を目にし、あきらめてもらうために取った自分の行動を謝罪する。そして笹錦の告白を受け、曖昧で悪いと前置きして、興味はあると返すのだった。夏休みに入り、山田良男という内気な男の子の家庭教師を始めた修司は、心配性の良男の母親から毎日来てほしいと頼まれる。修司と旅行に行けない事に落ち込む実果だったが、祖母の家に行きたいという良男の保護者として修司が付き添う事になり、実果と種、そして隆司も同行する運びとなった。

第15巻

山田良男には大塚良子というメール友達がおり、お互い好意を抱いていた。良子は良男の祖母の家の近くに住んでおり、良男は良子に前々から会いたいと言われていたのだ。ところが、良男は自分の身長を180センチと偽っていたため、家庭教師の高田修司に代わりにデートしてほしいと頼み込む。良男と偽り、良子に会った修司だが、友達としてついて来た良男は良子と意気投合。だが良子は、ひょんな事から花本実果と手をつないだ修司を目撃し、良男の嘘を知ってしまう。良子から、もうメールを送らないでくれと拒否された良男は落ち込んでしまうが、それを見かねた修司が助け船を出した事で二人は仲直りする。一方、実果は修司と二人きりになった際、二人の仲が物足りないと、意味深長な言葉を修司から投げかけられる。

第16巻

花本実果は、熱が出た高田修司と一線を越えるつもりで、彼の家に泊まる決意をする。お泊り用品を買いにコンビニに出掛けた実果は、偶然出会った山根明日歌に素直な気持ちをぶつけろとアドバイスされる。明日香は大場克彦の子供を妊娠したかもしれないと妊娠検査薬を買いに来ていたのだ。その夜、実果は恐怖心が勝り、修司を受け入れる事ができなかった。いつまでも待つと言った修司だが、やはり実果を理解できないもどかしさを抱えていた。そんな中、明日歌が書置きを残し失踪。平気を装っていた明日歌だが、妊娠しているという事に動揺して、パニックになってしまったのだ。そんなある日、修司と二人きりになるのを避けていた実果は、自分の気持ちを精一杯伝えるが、俺の気持ちはどうなるんだと修司に言い返されてしまう。

第17巻

気持ちを抑えきれない高田修司は、花本実果を無理やり部屋に連れ込む。だが、修司は自分の強引さに落ち込み、実果はこれまで修司を傷つけていた事に気づく。二人は会わないまま、夏休みが過ぎ、山根明日歌大場克彦の結婚式に出席した実果は、久々に再会した修司から距離を置こうと告げられる。そんな中、実果は越光充と自然消滅してつらいはずの笹錦望に励まされ、スポ―ツクラブに入会。一方、実果と修司の別れに思うところのあった花本種は、高田隆司に別れを告げる。そんな隆司はかわいいと評判の下級生・種村綾花から告白されるが、綾花は極端に性格の歪んだ女の子だった。 

第18巻

高田隆司種村綾花といっしょに居るのを目撃した花本種は、暴食に走ってしまう。自分が隆司を好きな事を自覚した種は、改めて隆司に好きだと告白。一方、隆司にこっぴどくふられた種村綾花は、隆司への復讐を企む。綾花は自分のファンに隆司を襲わせ、さらに種を監禁させるよう命じるが、種に間違えられた実果が監禁されてしまう。実果は偶然、同じスポーツジムの三条要に助けられるが、それを目撃した高田修司は、三条を犯人だと思い込み殴ってしまう。そんな中、種は綾花に殴り込みをかけ、実果を拉致した二人組をもボコボコにする。同じ頃、三条の強引なアプローチを断ろうと実果が必死になる中、三条の存在に苛立つ修司は、自分の器の小ささに落ち込む。そんなある日、実果は修司と川瀬乃利子が二人でいるところを目撃する。

第19巻

川瀬乃利子の恋愛相談に乗った高田修司は、酔った乃利子を山根恭歌の家に連れて行くが、翌朝、寝ぼけた二人はキスしてしまう。程なくして、花本実果が思い切って修司に話し掛け、修司も自分の悪かったところを謝り、二人は距離を縮めるのだった。ところが、小倉ユウから乃利子と修司が恭歌の家に泊まったと聞き、実果は修司に鎌をかける。その行為を三条要に卑怯者と咎められた実果は、本音で修司にぶつかる。その後も三条に相談するようになった実果は、修司と和解する。しかし、三条の存在が許せない修司は、三条を殴ってしまう。三条は修司の実果への思いの強さを知り、身を引く事を決意。こうして再び実果とカップルとなった修司は、クリスマスに実果を驚かそうと内緒で教習所へ通い始める。

第20巻

クリスマスに用意したワンピースが、みんなから不評だったため、花本実果は、パンツスタイルで出掛ける。それを見た高田修司は、今夜はNOだというサインだと受け取っていた。夜景を見ながら幸せな気分に浸る実果はもっと修司に触れたいと思いながらも、結局帰りたくないとは言えず、家に帰って悶々とした気持を抱えるのだった。そんなある日、家族が温泉へ旅行に出掛け、実果にチャンスが訪れる。修司の家を訪ねた実果だが、高田隆司の邪魔が入り、二人きりになれない。やがて、気を利かせた隆司は花本種のところへ行くと書き置きを残し出て行く。そして実果は、思い切って帰りたくないと修司に伝える。

第21巻

無事、高田修司との初体験を終えた花本実果は、満ち足りた幸せを感じていた。一方、姉離れできない花本種は、その事を知りショックを受け、高田隆司に結婚するまでHはしないと宣言。そんな種は、受験生のストレスを抱えていた。種は第一志望の女子校より、隆司といっしょに通える共学に行きたい事を両親に言えずにいたのだ。そんな中、2回目のHをする機会のない実果は、バレンタインデーのお家デートに期待をかけるが、運悪く生理になってしまう。春になり、種は共学の高校に入学して、それぞれが新しい季節を迎えた。実果と笹錦望が子供服売り場でのアルバイトに励む中、同じビルの喫茶店で働く加賀靖弘の落とし物を拾った笹錦にも、春の予感が訪れる。

第22巻

笹錦望は、少女漫画家の「春日ヤヒロ」こと加賀靖弘から、原稿を拾ってくれたお礼にと食事に誘われる。加賀に彼女がいない事を知った笹錦の気持は盛り上がるものの、無理して気持ちを抑えつけていた。そんな笹錦を鼓舞するべく、実果は大学の学園祭に「春日ヤヒロ」のサイン会を提案。まだサイン会をできる立場ではないと加賀は一度はサイン会を断るが、笹錦は実果とヤヒロファンの児玉みずほと共に署名運動を開始。それが功を奏し、加賀のサイン会は実現するのだが、ハードなダイエットがたたって笹錦は倒れてしまう。学園祭の当日、笹錦は大学祭のビューティー計画に参加。参加者は好きな人に告白するというルールに従い、美しく変身した笹錦は加賀に告白するはずだったが、肝心の加賀の到着が遅れていた。

第23巻

笹錦望の告白を、加賀靖弘は受け入れる。一方、花本種の愛情の矛先は、姉の花本実果から確実に高田隆司に変化していた。加賀と笹錦の交際は一見順調そうに見えたが、笹錦は自分に提供する話題がない事に悩んでいた。内面から恋ができないと落ち込む笹錦に、加賀は自分の小さい頃のアルバムを見せ、笹錦がどんな風に生きて来たのか知りたいと寄り添う。そんなある日、転勤していた高田修司の両親が大阪から戻って来た。家が手狭になり、修司の父から一人暮らしを提案された修司は、それに同意する。それを聞いた実果は、修司との愛の生活を想像し心を弾ませる。

第24巻

高田修司が一人暮らしをスタートさせた頃、実果の母花本実果に必要以上に干渉するようになる。実果の母は、近所の人から妊娠して大学を辞めて帰って来た親戚の娘の話を聞いたのだった。そんな中、親の反対を振り切って同棲している、中学時代のクラスメイトの松野に感化された実果は、両親と喧嘩して家出し、修司のもとへ駆け込む。修司からはいっしょに住んでみないかと提案される実果だったが、そんな彼女を笹錦望は甘えているだけだと非難する。一方、実果の両親は彼女に対し、急に素知らぬ態度を取るようになっていた。そしてある時、実果は修司が実果の両親に、とりあえず1週間だけ時間がほしいと頼んだ事を知ってしまう。

第25巻

高田修司の不真面目な態度に憤った花本実果は、修司の部屋を飛び出して松野の部屋を訪ねるが、自分の未熟さを実感し、実家に戻る事を決意する。こうして、実果のプチ同棲騒動は終結し、高田隆司の受験日がやって来る。前日に花本種から激励を受けた隆司は、受験票を入れた上着を種に貸した事に気づき、さらに風邪の症状が悪化、最悪の事態に陥る。種が受験会場に駆けつけた事で、試験は何とか無事に受けられたものの、隆司は確実に落ちたとへこんでいた。しかし隆司は、奇蹟的に合格を果たすのだった。そんな中、大学3年生になった実果の保育園実習が始まり、園児の扱いに実果が右往左往する中、修司に似たという5歳児が散歩中にいなくなってしまう。

第26巻

花本実果は保育園実習で苦戦を強いられ、自分は保育士に向いていないと思い悩む。しかしが、なぜ自分を避けていたのかを知り、翔をはじめ子供達との距離を縮めていく。一方、笹錦望はカリスマ保育士として剛腕ともいえる手腕をいかんなく発揮し、子供達の人気者になっていた。そんな中、花本種と同じ高校に入学した高田隆司は、文芸部の種が女子に人気の高い草野といつも二人きりだと知り、苦悩の末、文芸部への入部を決める。ある日、隆司は種への不満をぶつけたポエムを美咲奈緒から絶賛され、感銘を受けた奈緒も文芸部に加入。文芸部の夏合宿が始まり、幽霊が出ると噂される部屋の押し入れで、種は隆司を驚かそうと待っていた。

第27巻

文芸部の夏合宿で花本種とキスをした高田隆司は、顧問の白石藤子にけしかけられた事もあり、キスから先に進むかどうか躊躇する。だが、種がムードのない話を連発したせいで隆司は戦意喪失して、種を置き去りにする。隆司は、自分に思いを寄せてくれている気がする美咲奈緒と付き合った方がいいのではないかと本気で悩み始める。しばらくして、種と話す機会を持った隆司は、自分の事しか考えていなかったと気づかされる。反省した隆司は、親友のユキから修業になると勧められた新聞配達を始める。その姿を見た種は、こっそりと隆司に差入れを届けるのだった。一方、奈緒が好意を寄せている相手は隆司ではなく草野だと判明し、隆司は奈緒の背中を押す。そんな中、花本姉妹と高田兄弟は、種が応募したクイズ番組への出場が決まる。

第28巻

クイズ番組に参加した花本実果花本種高田修司高田隆司は順調に勝ち進み、ある島にやって来た。出場チームは島の民家に宿泊するというルールに従い、実果達は不気味な老婆・砂掛の家に泊まるが、隆司が砂掛と親しくなった事が功を奏し、実果達のチームはゲームを有利に進める。クイズ終盤に波乱が訪れるものの、実果達は番組を盛り上げ、3位となる。一方、笹錦望加賀靖弘のアシスタントの島本由菜の女子力を目の当たりにし、再び美しくなる努力を始める。すると、笹錦のファンだと名乗る葉庭から声を掛けられるなど、笹錦にモテ期が到来。そんなある日、笹錦は加賀から子守を手伝ってほしいと頼まれる。笹錦が公園に出掛けると、加賀はいつの間にか現れた島本と話し込んでいた。

第29巻

笹錦望は、島本と親密な様子で話し込んでいた加賀靖弘に、自分は彼女なのかどうか問いかけるが、答えを聞かずに逃げ去ってしまう。それを知った花本実果は、加賀に事の重大さを理解させるべく、発破をかける。加賀は笹錦を訪ね、仕事中心の自分は笹錦の「恋人」にはなれなかったと謝罪したうえで、結婚してほしいとプロポーズするのだった。季節は秋になり、実果達は就職を真剣に考えるようになる。高田修司は教育実習に参加するも、教師という職業が、今一つピンと来ない。自分には人生の目的がないと、あせりに似た気持ちを抱える修司だったが、実果はそんな修司を励ます事しかできなかった。

第30巻

高田修司は、就職に希望を持てなくなっていた矢先、花本実果から保育園のおゆうぎ会でピアノを弾いてほしいと頼まれる。ここで園児と触れあった修司は、教師になろうと考え始める。一方、小倉ユウは、自分の身の振り方を真剣に考えていない山根恭歌に、苛立ちを隠せないでいた。そんな中、ユウは英会話教室で知り合った光一と、ベッドイン直前まで行くも、自分には恭歌しかいないと実感するのだった。クリスマスの季節が到来し、実果達がサプライズパーティーを楽しむ中、笹錦望加賀靖弘とのクリスマスイヴにすべてを賭けていた。仕事が押していた加賀は、用事があるとどこかへ出かけてしまうが、帰って来た加賀はおもむろに笹錦の手を取るのだった。

第31巻

高校2年生の花本種は行きたい大学もなく、進路についてはまったく考えていなかった。種の将来を心配した高田隆司は、種の興味のありそうな事を調べたりと彼女のために奔走するが、種は至ってマイペースだった。ある時、隆司は種から冬の北海道旅行に誘われ、乳しぼりがしたいという種と共に牧場に泊まる事になる。種は牧場の息子・浩貴となかよくなり、熱を出した隆司をよそに、牧場の手伝いを経験する。種はこの旅でなにか思うところがあったのだが、振り回されっぱなしの隆司には知る由もなかった。一方、料理に目覚めた山根恭歌はローカル情報誌の料理コンテストへの参加を宣言。料理好きの花本実果もそれに触発され、高田修司の好きな和食でコンテストに挑む事になる。

第32巻

料理コンテストに挑んだ花本実果は、料理は心だと発言しておきながら、敵は山根恭歌一人だと鼻息を荒くしていた。しかし、気合いが空回りした実果は、恭歌に優勝を持っていかれてしまう。3月になり、実果に妊娠疑惑が持ち上がり、思い切って高田修司に打ち明けるも、実果の妊娠検査薬での結果は陰性だった。一方、試しに検査薬を使った笹錦望に陽性反応が出る。修司の困った様子がひっかかっていた実果は、修司を困らせようと、妊娠したと告げる。すると修司は実果の両親に、実果が妊娠したので結婚させてほしいと頭を下げ、大騒動に発展。一方、笹錦はめでたく加賀靖弘と婚約する。そんな中、高田隆司花本種の異変に気づく。

第33巻

花火大会の日、花本種高田隆司に、卒業したら旅に出ると告げる。二人は揉めるものの、隆司の了承を得ないまま、種は自分の決めた道を進もうと決意を固める。9月も半ば、笹錦望花本実果に結婚を辞めると言い出す。その理由は、締め切りに追われる加賀靖弘に嫌われるのが怖く、なにも主張できないからだという。そんな中、笹錦の陣痛が始まり、病院に加賀が駆けつける。無事子供を産んだ笹錦は、加賀の忙しさは、子供の事が気になっていたためだと知り、安堵する。一方、保育士試験に受かり、就職も決まった実果が、卒業旅行の計画に浮かれる中、高田修司のもとに離島の中学校の教諭の内定通知が届く。遠距離恋愛に不安を感じる実果だったが、気を取り直して修司といっしょに離島を訪ねる。そこで実果は、離島の教諭職には異動がいっさいないという現状を知ってしまう。

第34巻

花本実果高田修司小倉ユウ山根恭歌らと共に、温泉へ出掛けた。実果達は、これまでの思い出を振り返り、楽しい時間を過ごすが、やはり修司と離れる事への不安は隠せない。実果は、こんなに弱い自分が子供の相手をできるのかと、さらなる不安に押しつぶされそうになる。旅への出発を翌日に控えた卒業式の日、花本種高田隆司と結ばれる。そんな種から、貪欲に幸せを追求しろと激励された実果は、どんな風に子供と向き合いたいかを模索する。自分の道を決めた実果は、保育園の事で調べものがあると、みんなに黙って卒業式を欠席。そして実果は、修司が離島に出発する見送りにも姿を見せなかった。みんなが心配する中、大荷物を持った実果が出航ギリギリで船へと飛び乗る。 

登場人物・キャラクター

花本 実果 (はなもと みか)

おっちょこちょいで、人が良い女子高生。他力本願な性格だが、一目惚れした高田修司に皆の前で告白し、付き合うことになる。一転して恋愛一色の日々になるのだが、初めての恋愛であり、修司の言葉足らずな態度に悩むことが多く、心配事がそのまま夢に出てきたりする。人に優しい態度ばかりを取ってしまうため、他の異性からしつこくされることがあり、時に偽善者呼ばわりされることを気にしている。 修司と同じ大学に進学し、2人の仲は順調そのものだったが、なかなか一線を越えられない。

高田 修司 (たかだ しゅうじ)

花本実果と付き合っている高校生。言葉が少なく本心が見えにくいため、実果に誤解されることが多いが、誠実で優しい。意外にやきもち焼きであり、実果が他の異性に言い寄られると機嫌が悪くなる。実果と同じ大学に進学するが、中々一線を越えようとしない実果を理解できず、徐々に気持ちがすれ違っていくことを感じ、前向きに「少し距離をおこう」と提案する。

花本 種 (はなもと たね)

花本実果の妹で中学生。実果が大好きで、シスコンを認めている。自分に正直で超然としているが、実は脆い面もある。高田修司の弟、高田隆司と付き合うことになるが、容赦のない態度で度々隆司を傷つけてしまう。自分で思っている以上に隆司のことが好きで、自分の気持ちに鈍感なところがある。恋愛でストレスを感じると、お菓子をドカ食いする。

高田 隆司 (たかだ りゅうじ)

花本種に想いを寄せる中学生。言葉使いや態度は乱暴だが、性格は素直でメンタルが弱い。花本実果に対しては甘えから、異常に強気な態度をとる。種に一途過ぎて傷つくことが多いが、自己中心的な態度で種を傷つけていることも多い。

笹錦 望 (ささにしき のぞみ)

高田修司の中学時代の同級生で、修司に片思いをしていたことを未だに引きずっている。旧姓は「郷右近」で、母親の再婚により苗字が「笹錦」に変わっている。自分の容姿に対するコンプレックスが強く、それを隠すためにキツい態度で武装している。心を許せると直感した花本実果が修司と付き合っていると知ったことでひと悶着あったものの、なんでも言い合える本当の友達に発展する。 ふとしたきっかけで出会った加賀靖弘と運命的な恋に落ちる。カラオケは皆を唸らせる程の上手さ。

不破 (ふわ)

男子高校生。花本実果を電車で見かけて好きになり、実果に告白する。船で日本一周する「少年の船」に学生ボランティアとして参加するが、偶然にも実果と高田修司も参加していた。実果の態度が曖昧なためか、なかなか諦めきれず、修司がいるにもかかわらず、船の上では実果に接近しチャンスが欲しいと迫る。

加賀 靖弘 (かが やすひろ)

26歳男性、少女漫画家でペンネームは「春日ヤヒロ」。強面だが、誠実で礼儀正しい。漫画にすべてを賭けており、異性と付き合ったことがない。笹錦望と知り合ったことをきっかけに、花本実果たちの大学の学園祭で「春日ヤヒロ」のサイン会をオファーされ、引き受ける。学園祭の企画で痩せて美しくなった望から告白される。

小倉 ユウ (おぐら ゆう)

花本実果の高校時代からの親友。実果が困った時はいつも親身になって相談に乗るなど、しっかり者で面倒見がいい。ノリが軽く明るい性格で、生真面目すぎる実果に軽く妬まれる時がある。高田修司の親友、山根恭歌と付き合っており、不満が溜まると疑似恋愛で発散する時がある。

山根 恭歌 (やまね きょうか)

高田修司の高校時代からの親友。花本実果の親友の小倉ユウと付き合っている。モデルの姉、山根明日香の扱いに慣れているので女の子には優しい。料理が得意。将来の職業について真剣に考えていないところがあり、ユウがキレてしまう。

山根 明日歌 (やまね あすか)

山根恭歌の姉でモデル。おっさんこと大場克彦と付き合っている。奔放で無邪気な女王様気質だが、妊娠が判明すると周りがたじろぐほどの動揺を見せるなど、脆い一面を持っている。やりたい放題のわがままな態度を、心を許せる相手がいないからだと見透かされたことから、克彦に惹かれていく。

川瀬 乃利子 (かわせ のりこ)

K大に通う大学生。父親は高田修司の高校時代のいかつい体育教師。初詣でコンタクトを落とした川瀬乃利子に修司がメガネを貸したことをきっかけに、彼に好感を持つ。修司の毅然とした態度から修司への思いは断ち切ったが、大学で再会し、煮え切らない彼氏のことを相談しているうちに、酔っ払って潰れてしまう。

タラコ

高田隆司と同じ中学の先輩。隆司の顔が好きで、顔さえタイプなら他は何でもいいという考えの持ち主。花本実果と隆司のキスを皆にばらされたくなかったら自分にキスをしろと隆司に迫るなど、やりたい放題やるタイプだが、陰湿さはない。

三条 要 (さんじょう かなめ)

花本実果と同じスポーツジムに通う背の高い男性。大阪の高槻出身でバリバリの大阪弁でしゃべる。実果に一目惚れし、積極的に迫る。花本種と間違われて監禁されていた実果を助けたことがきっかけで、少し接近することに成功する。実果の恋愛相談に乗り、高田修司に鎌をかけた実果に「ちゃんと自分で聞け」と責めるなど、男気がある。

大場 克彦 (おおば かつひこ)

山根明日香の彼氏で23歳、カメラマンの卵。一見冴えない男性で、初対面時には、花本実果に変質者と間違えられた。大らかで包容力があり、実は学生時代からモテていた。雑誌編集部で雑用のアルバイトをしている時に、モデルの明日香と出会う。

夏木 結衣 (なつき ゆい)

高田修司の中学時代の彼女。自他共に認める可愛さだが、性格が悪く、自分よりルックスの悪い女性を見下す傾向がある。笹錦望こと「郷右近望」に対して中学時代に酷い暴言を吐いたが、同窓会では逆に望にやり込められる。

種村 綾花 (たねむら あやか)

高田隆司の後輩で、可愛いと評判の女子中学生。性格は歪んでおり、隆司にふられた腹いせに、自分のことを好きな男性の先輩に、隆司と彼女の花本種を襲わせるように仕向けた。結果、隆司が襲撃され、種と間違われた花本実果が監禁されてしまい、怒り狂った種に学校に乗り込まれる。

修司の母 (しゅうじのはは)

高田修司と高田隆司の母親で、修司の父の妻。メガネをかけた優しそうな中年女性。花本実果と修司の交際を邪魔したい隆司から、最近の恋愛は結婚するまで複数の異性と交際するのがふつうだと吹き込まれている。そのため、当初は実果を修司の女友達の一人だと思っていた。実果の事をずっと「実果子ちゃん」と呼び続けるなど性格は天然。

本谷 なつお (もとたに なつお)

高田修司の中学校時代の女友達。バンドを組んでおり、ボーカルを担当している。ライブに行った際、花本実果と共にライブに来ていた修司と再会。バンドのメンバーが自分と喧嘩して辞めたため、修司がしばらくバンドを手伝う事になる。完璧主義者ではっきりモノを言う性格で、実果とは波長が合わない。彼氏の沢田浩介も同じバンドのメンバーだが、なぜか実果に挑戦的な態度を取る。

黒滝 健吾 (くろたき けんご)

花本実果と花本種のいとこで、種と同い年の男子。温泉のある山田村町に住んでいる。小学2年生の頃、母親が再婚して子供が産まれた事もあり、反抗期がひどくなっている。昔は種と結婚を誓うほど仲がよかったが、現在は幼なじみの曙陽子と近しい関係。実は陽子を昔から憎からず思っており、のちに花本家に陽子と遊びに来た時には交際に発展していた。ちなみに、母親は実果達から「長谷川の多恵子おばさん」と呼ばれ、妹は「めばえ」と名付けられた。

大塚 良子 (おおつか よしこ)

山田良男のメル友の女の子。良男の祖母の家の近くに住んでいる。メールでは自身をソバカスだらけで色黒だと卑下していたが、自分に自信がないだけのかわいい女の子。一方で頑なな面があり、良男が高田修司を替え玉とした事が許せず、メールを送らないでくれと、一度は良男を拒絶した。

島本 由菜 (しまもと ゆな)

少女漫画家の春日ヤヒロ事加賀靖弘のアシスタントを務めている女性。ふだんはすっぴんにメガネをかけているが、プライベートでは、オシャレな格好でメイクもバッチリなイマドキ女子。加賀のファンであった事もあり、笹錦にライバル視されている。のちに、加賀の担当の鈴木と付き合っている事が判明する。

前川 (まえかわ)

花本種と同じ中学校の男子。種が所属するバスケットボール部の先輩にあたる。自称B級好きであり、自分が無個性なため、「変」な種を自分のステータスシンボルとして、種に告白した。好みなどが他人と違う事に優越感を得るタイプ。

松野 (まつの)

花本実果の中学時代のクラスメイトだった女性。県外の高校へ進学し、現在は地元の大学に通っている。親の反対を押し切って彼氏と同棲しており、久しぶりに再会した実果を、その部屋に招待した。この時、自分の意思を通しているその態度に、実果が感化される事となった。

修司の父 (しゅうじのちち)

高田修司と高田隆司の父親で、修司の母の夫。転勤が多い仕事をしており、帰りが遅い事も多い。家庭内では、誰も修司の父の命令には逆らえない絶対的な存在だが、見た目は穏やかで頭頂部が禿げている。静かに怒りを表すタイプで、とにかく頑固な性格。言う事を聞かない幼い隆司に腹を立て、隆司を居ない者として1か月まるまる無視した事がある。その性格は隆司に遺伝している。

背戸田 恵 (せとだ めぐみ)

「少年の船」に参加した小学生の女の子。人見知りで、みんなにうまく馴染めないでいる。ひどい船酔い状態になった際、高田修司に介抱された事で思いを寄せるようになる。すると突然強気な性格に変貌し、花本実果に修司が好きになったと宣戦布告した。以降、実果と不破をくっつけようと画策する。実は登校拒否中で、嫌な事があるとすぐお腹をこわす腺病質な面がある。

佐藤 大 (さとう ひろし)

花本実果の中学3年生時のクラスメイトの男子。初めて実果が本気で異性として意識した人物で、妹の名前が「みか」であったり、誕生日が実果と同じ12月23日であったり、となりの席になったりと、なにかと縁がある。そのため、実果は運命的に二人は結ばれるとの思い込みが強くなってしまう。実果とは必要以上に近い関係にはならず、土屋からバレンタインデーにチョコレートをもらい、付き合う事になる。実果が次に誰かを好きになったら、自分からアクションを起こそうと決意するきっかけとなった人物。

山田 良男 (やまだ よしお)

高田修司が夏休みに家庭教師をする事になった中学3年生の男子。裕福な家の子供であり、登校拒否中の問題児。背が低くて声が高く、童顔。自分に自信がなく、母親に過保護に扱われる事が嫌でしょうがない。しかし、根は素直な性格の持ち主。メル友の大塚良子がおり、お互い好意を持っている。お盆に会おうと言われているが、身長が180センチあると自分を偽ってしまったので、修司に代わりにデートに行ってほしいと頼む。

曙 陽子 (あけぼの ようこ)

黒滝健吾の幼なじみで、中学生の女の子。温泉のある山田村町在住。健吾の複雑な家庭事情を知っており、一つ年下の健吾を案じている。ニックネームは「あけちゃん」。健気で前向きな性格で、周りを明るくする陽気なタイプながら根は頑固。体型は太めだが、実は去年より10キロ体重を落としており、引き続きダイエット中。花本家に黒滝健吾と遊びに来た時になかよくなった健吾にストップをかけられ、ダイエットを中断していた。だが、笹錦望のダイエット心を煽るべく、2週間で5キロ痩せると宣言する。

ユキ

高田隆司の親友の男の子。隆司と同じ学年で、中学3年生の時にタラコと付き合い始めた。ひょうひょうとした性格ながら、タラコとの交換日記にはラブラブモードの言葉を書き連ねるなど、文章だとはじけるタイプ。自分の事しか考えず、花本種を傷つけた隆司に、人は苦労すれば見えないものが見えるようになると、新聞配達のアルバイトを勧めた。天然パーマのため、小学生時代は「アーノルド」というあだ名を付けられていた。

由香里 (ゆかり)

越光充の彼女の女子高校生。海で越光を逆ナンパした。気が強く我がままな性格で、すぐモノをねだる。越光と別れたあと、カラオケ店で越光の悪口を言いまくり、アルバイトをしていた笹錦望にお盆で頭を殴られる。

光一 (こういち)

小倉ユウが英会話教室で出会った男性。ソフトでキザな優男で、雰囲気は王子系。英語はペラペラで、日本の大学を出たらアメリカで経営学を勉強しようと思っている。就職活動に本腰を入れない山根恭歌に苛立ったユウがバーチャル恋愛に選んだ相手だが、あわや浮気というところまでいってしまう。

葉庭 (はにわ)

K大学幼児教育2年生の男性。学園祭のビューティー計画で笹錦望のファンになった。ニット帽に黒縁メガネをかけている。笹錦と近づきたいと、自ら声を掛けて来た。笹錦がなんの迷いもなく加賀靖弘に告白した姿に胸を打たれ、笹錦のような人に思われたいと強く願うピュアな性格の持ち主。

浩貴 (ひろき)

素朴で感じがいい高校3年生の男子。北海道の「高橋牧場」の息子で、牧場の仕事を手伝っている。まだ進路を決めていない高校2年生の花本種が高田隆司と牧場を訪れた際、種に乳しぼりを体験させた。その際、自分の仕事に誇りを持っている事を種に誉められ、種に好感を持つ。

砂掛 (すなかけ)

離島のカンテレアイランドに住む老婆。クイズ番組に出場した花本実果達を泊める事になっていた。ボブカットの不気味なおばあさんで、家には電気もつけていない。昔の思い人である清彦に似ている高田修司を気に入り、二人の事を語って聞かせる。相手が自分を本当に好きなのか疑い、離れてしまったが、もっと大きな心で相手を信じればよかったと今も後悔している。

(しょう)

花本実果が保育実習に行った「みつばち保育園」に通う5歳児の男の子。高田修司に似ており、実果は好感を抱くのだが、その後実果を拒絶し、散歩中にいなくなってしまう。実は、実果が照れて自分から顔をそむけた事にショックを受けていた事がのちに判明する。

実果の父 (みかのちち)

花本実果と花本種の父親で、実果の母の夫。公務員の男性で、つねに定時に帰宅する。穏やかな性格であまり目立たないが、帰りが遅い事を心配する母親に対して口答えした実果を厳しく叱るなど、たまに存在感を発揮する。

草野 (くさの)

花本種と同じ高校に通う2年生の男子。文芸部に所属している。背が高くてメガネをかけており、女子に人気がある。どこか謎めいており、年上の女性と同棲しながらホストのアルバイトをしているなど、さまざまな噂がある。周囲からスペクタクルな男と思われているのが重荷で、美咲奈緒の告白を一度は断る。趣味は土いじりで、母親と姉との三人で生活している。フラワーコーディネーターの資格を持ち、将来は山奥に小屋を建てて自給自足をしたいと思っている。

越光 充 (こしひかり みつ)

笹錦望が通うスポーツジムのインストラクターの男性。年齢は23歳。彼女は去年の夏に逆ナンパされた女子高校生の由香里。酔った際、笹錦に甘えた態度を見せた事により、笹錦に初恋の相手、北の面影を思い出させた。また、見た目が高田修司にも少し似ている。由香里にふられた勢いで、笹錦にキスをするが、すぐに由香里と復活。流されてばかりで情けないと笹錦に言われ、逆切れするが、その事について謝ろうとするなど、根はそう悪い性格でもない。

美咲 奈緒 (みさき なお)

花本種と同じ高校に通う1年生の女子。文芸部に所属している。軽い引きこもりで、学校に来ると教室以外の場所をウロウロしている。そのため、文芸部の存在を知らなかったという一風変わった人物。隆司が書いたポエムを絶賛した事から、隆司が好きだと誤解されているが、実は草野に惚れこんでいる。早口で声が小さい事もあり、ペンネームは「ササヤキ青」。いつもカバンなどで隠しているが、実は巨乳の持ち主。

児玉 みずほ (こだま みずほ)

花本実果と同じK大学に通う女子。英米文学科の1年生。少女漫画家の「春日ヤヒロ」のデビューからの大ファンで、春日こと加賀靖弘を学園祭に呼ぶ事を提案した実果に協力する。ちなみに、春日が男性だという事は知らなかった。スリムでかわいらしい容姿から、加賀を慕う笹錦望の強力なライバル出現と目されていたが、のちに彼氏がいる事が判明する。

白石 藤子

花本種が通う高校の女性養護教諭。文芸部の顧問も務めている。細身だが胸はFカップという噂がある、色気たっぷりの美人。教師にあるまじき不健全な問題発言を日常的に行なっている。種の様子から、押せばそのままいけると高田隆司をけしかけたりするなど、生徒との交流の仕方は独特。

土屋 (つちや)

花本実果の中学3年生の時のクラスメイトの女子。実果が意識している佐藤大に秘かに思いを寄せており、いつもなにかにかこつけて、佐藤に接近している。偶然を装って待ち伏せしたりと努力していた。バレンタインデーにチョコレートを渡し、その翌日、佐藤に告白されて付き合う事になる。

実果の母 (みかのはは)

花本実果と花本種の母親で、実果の父の妻。しっかり者で気が強い。旅行先で実果と高田修司のキス現場を目撃した際には、女友達と旅行に行くと噓をついていた実果をこっぴどくしかりつけた。また、種の彼氏である高田隆司への信用度は低く、なにかにつけて訝しんでいる面がある。修司が一人暮らしを始めた頃、近所のおばさんから、親戚の娘が妊娠して東京の大学を辞めて帰って来たという話を聞いてから、実果に関する干渉が激しくなる。

早起 (さき)

花本実果と同じ高校に通う女子高校生。いつもは実果、小倉ユウ、メグと四人でなかよくしているが、実果とユウに彼氏ができたために、少し卑屈な思いを抱えている。高校3年生の夏休み、実果の家でパジャマパーティをした際、実果とユウが彼氏の話ばかりするので、機嫌を損ねて帰ってしまう。

(きた)

笹錦望の幼稚園時代の初恋相手の男の子。明るい性格で、小柄で笑顔がかわいい。当時、名字が「郷右近」だった笹錦の事を、悪気なく「ごううんこ」と呼んでおり、笹錦に思いを寄せていた。しかし体育の時間、おもらしをしてしまい、それを隠そうとした笹錦がズボンに手をかけたため、みんなの前で下半身をあらわにするという事態となる。

イベント・出来事

少年の船 (しょうねんのふね)

小学校5~6年生300人と学生ボランティア80人、主宰の責任者等が参加する旅の企画。1週間かけて日本を一周し、船内での集団生活の中で協調性や自主性を育てるのが目的で、内申もよくなる。夏休み、なにか自分の成長につながる事をしたいと言い出した高田修司が、花本実果と参加する事になった。実果に告白した不破もボランティアとして2回目の参加が決まっていた。

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