恋風

恋風

結婚相談所に勤める佐伯耕四郎はフられたばかり。その後突然、生き別れだった15歳の妹小日向七夏と再会する。彼女と同居するうちに、お互いに兄妹愛ではない、男女の恋慕の情が生まれてくることに気づく。「心の底から誰かを恋しいと思ったことがあるか」がテーマの、結ばれ得ない兄と妹の恋愛物語。

正式名称
恋風
ふりがな
こいかぜ
作者
ジャンル
恋愛
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概要・あらすじ

結婚相談所に勤める佐伯耕四郎はフられたばかりで傷心だった。その日、生き別れだった15歳の妹小日向七夏と出会う。佐伯耕四郎と父の家で一緒に暮らすうちに、妹の小日向七夏を女性としてみていることに気づく。一方小日向七夏は兄に対して、恋愛感情を抱いていることを悟ってしまう。しかしお互い兄妹で恋愛が成立しないのはわかっている。

それでも止められない小日向七夏と、大人の理性で必死に耐え苦しんでいる佐伯耕四郎。二人は近づいたり離れたり、傷つけ合いながら、お互いの愛情をさらに深く理解するようになっていく。

登場人物・キャラクター

佐伯 耕四郎 (さえき こうしろう)

結婚相談所勤務の28歳。付き合っていた秋本宵子に、「心の底から誰かを恋しいと思ったことがあるのかしら」と言われてフられ、落ち込んでいた。その時突如出会った、12年生き別れの妹の小日向七夏と同居することになる。最初は気に留めていなかったが、唐突に彼女に対して性欲を抱き、女性としてみていることに気づき、罪悪感を抱く。 小日向七夏のことはなるべく距離を置いて妹として接しようとしているものの、彼女の成長に焦りを感じる。小日向七夏に「お兄ちゃんが好き」と言われてから、彼女への恋慕をはっきりと理解。一緒にいるのはよくないと、一人暮らしを始めるものの、自分の本当の気持ちに苛まれ続ける。

小日向 七夏 (こひなた なのか)

佐伯耕四郎の15歳の妹。父の佐伯善三と母の小日向梢絵が離婚して以来、12年間佐伯耕四郎とは離れて暮らしていたが、高校通学のため同居することになった。兄と会えたことを非常に喜んでいる純朴で幼い少女で、クラスメイトにも「お兄ちゃんを好きなのは当たり前」という。気取らない格好をしているため、クラスメイトの男子からは「ダサイ」と言われている。 佐伯耕四郎には「かわいい」と言われ、気遣いを示されていくうちに、次第に兄を異性として意識しはじめ、ある日「お兄ちゃんが好き」と告白。本当の意味で兄が好きだと気づき、一人暮らしをはじめた佐伯耕四郎の家に押しかけるようになる。かわいいもの、特にくまが好きで、料理や裁縫を器用にこなす。

佐伯 善三 (さえき ぜんぞう)

佐伯耕四郎と小日向七夏の父。かつて愛人がおり、また妻の小日向梢絵の仕事に不満があり、離婚した。息子娘双方を大切にしており、特に小日向七夏は、具合が悪くなっただけで泣くくらいかわいがっている。

小日向 梢絵 (こひなた まきえ)

佐伯耕四郎と小日向七夏の母。かつて夫に愛人がおり、また自分の仕事に不満を言われたことで、離婚した。美容院を経営している。大雑把な性格で、子供二人に対してもサバサバした対応を取っている。二人が幼い時に、くまのぬいぐるみを作って持たせていた。

千鳥 要 (ちどり かなめ)

結婚相談所勤務で、佐伯耕四郎の同僚。サバサバした性格。いつも不安そうな顔をしている佐伯耕四郎を見ては話しかけ、皮肉りながら気にかけている。落ち着かない佐伯耕四郎を、共に仕事をする気のおけない仕事仲間として信用し、バリバリ仕事をこなすキャリアウーマン。佐伯耕四郎が一人暮らしを始めてからは、仕事帰りに寄っては泊まりこむことも多いが、恋愛感情はお互い一切ない。 佐伯耕四郎と妹が恋愛関係にあることを知ってからは、優しさゆえに二人にストップをかけるべく厳しい言葉をぶつける。

小田切 圭 (おだぎり けい)

結婚相談所勤務で佐伯耕四郎の同僚。メガネをかけており、妹という存在に強烈な幻想を抱いている。そのため佐伯耕四郎の妹の存在が判明してからというもの、彼に話を聞くためついてまわっている。

安西 双葉 (あんざい ふたば)

小日向七夏の同級生で親友。メガネをかけてツインテールにしており、うわさ話好きで元気な少女。テンションが高く、社交的な性格。新しい友人関係をつなぐことが多々ある。小日向七夏をとても大事に思っており、彼女の悩みのために駆けまわることが多い。

環 央子 (たまき おうこ)

安西双葉の紹介で知り合った小日向七夏の友人。非常に大人びた性格で、常に落ち着いたしゃべり方をする。男子と付き合っており、キスをしているところを安西双葉と小日向七夏が目撃している。頭がいい。

宮内 一哉 (みやうち かずや)

小日向七夏の学校の、文化祭実行委員会の仲間。大人びた性格で、小日向七夏がブラコンと呼ばれていたのを気にしていた件を相談した時も、他人の噂は捨て置けばいいとアドバイスする。最初は小日向七夏と一緒にいるところを佐伯耕四郎に見られて、彼氏と勘違いされる。後輩の女子から告白されることが多くモテる。 ただし図書館司書の若苗に片思いをしているため、「応えられない気持ちは受け取れない」と断っている。

若苗 (わかなえ)

佐伯耕四郎の結婚相談所に来ている、小日向七夏の高校の司書。話すのが極端に苦手で、19回お見合いをしているものの一度もうまくいかなかった。20回目のお見合いで、佐伯耕四郎の後押しにより、清水という男性と付き合いが始まるようになる。

浅野 和幸 (あさの かずゆき)

宮内一哉経由で小日向七夏にラブレターを出した男子。女友達からは地味と言われている。小日向七夏には、文化祭の最中にフられる。明るい性格で、フられたあとも小日向七夏と宮内一哉に気さくに話しかけてくる。

清水 (しみず)

佐伯耕四郎の結婚相談所に来た、小日向七夏の学校の司書、若苗20回目のお見合い相手。若苗のことを気に入っており、話すのが苦手な彼女をリードしながら少しずつ付き合うことになる。呉服屋の息子で、婚約後、今幸せだが平凡なこのままでいいのか迷っている。

秋本 宵子 (あきもと しょうこ)

佐伯耕四郎の元カノ。いつも一緒に居るような仲だったが、彼に「心の底から誰かを恋しいと思ったことがあるのかしら」と言って別れる。

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