概要・あらすじ
「朝日新聞社」からの依頼を受け、若者のトレンドと軽薄なグルメブームを批判するという触れ込みのもと、有名なグルメスポットに乗り込んで実況検分をすることになった漫画家の西原理恵子と、コラムニストの神足祐司。野犬のようなアグレッシブさと鋭い舌鋒を持って、しゃらくさい洒落た食い物や有名スポットに群がる人々が生み出す独特の空気感を漫画にて一刀両断する西原に対し、なんとなく西原のフォローをしつつ、一見すると店に対する文句とは思わせない文句のコラムを巧みな名人芸で書き綴っていく神足。
内容の過激さゆえに人々から「野良犬」「世間が狭くなる」と心配され、さらに蔑まれても2人は気にせず、数々の有名グルメスポットをざっくばらんにバッサバッサと斬り捨てていくのだった。
登場人物・キャラクター
西原 理恵子 (さいばら りえこ)
漫画家の女性。「朝日新聞社」の依頼を受け、グルメスポットのガイド漫画『恨ミシュラン』を描くことになった。訪問した店舗の格式や世間での人気にとらわれることなく、己の感性のみで辛辣な評価を下していく純粋かつ唯我独尊な性格。感受性が豊かで観察眼に優れており、食べた料理の味や出会った店員の一挙手一投足を紹介する際には目の付け所が違う、独自のセンスを発揮する。 一方で食した高級料理を「ただのどなべ」と評したり、要領の悪い店員を「昆虫よりバカ」と見下げる、はてはグルメスポットにいる子供に「意味もなく横隔膜が破れるまでハラに蹴りを入れたくなる」などなど、相当にきわどい、ギリギリでアウトな表現を好んで使う。辛辣な評価基準は仕事仲間に対しても向けられ、神足祐司ですら冴えない飲んだくれ親父として描いていた。 基本的に5段階評価で星が多いほど酷い店、という格付けを行う恨ミシュランだが、あまりにも酷い店に対しては10個の星を付けるなど、その仕事ぶりもまたフリーダム。料理の価格の高いグルメスポットが好き。漫画家の西原理恵子本人。
神足 祐司 (こうたり ゆうじ)
コラムニストの男性。西原理恵子と共にグルメスポットを巡っており、表現が穏当とはいえない西原の漫画を中和するかのように、ウイットに富んだ柔らかい文章の面白コラムを綴っていた。実はグルメスポットに対する評価基準は西原に負けず劣らず厳しいが、『恨ミシュラン』の内容はあくまで「ギャグ」であるというのが持論。西原の描く漫画内にも多く登場するが、そこではいつも前後不覚になるほど酩酊して、しょっちゅうポカをやらかす臭い親父として描かれている。 西原曰く、現金を持っていると酒に突っ込んでしまうせいなのか、5000円以上持たせてもらっているのを見たことがないとのこと。無類のフグ好き。コラムニストの神足祐司本人。
小島 (こじま)
『恨ミシュラン』の初代担当で、「朝日新聞社」の社員。比較的常識的でツッコミ役ができる人物として描かれているが、悪酔いカップルを冷やかしたり、2代目の担当となった青柳に対し、店でメニュー全品の支払いをさせようとするなどの微妙なイジメをしていた。
銀角 (ぎんかく)
西原理恵子の友人でイラストレーターの男性。身長が180cmを超える短髪の巨漢で、西原いわく「世界一危険なイラストレーター」。非常に喧嘩っ早いうえに狂暴な性格をしており、西原と行ったグルメスポットで料理の味が気に食わなかった時には、カウンターを蹴り上げて店側に悪態をついていたほど。「食物はB級にあり」がモットー。
Mさん (えむさん)
某広告代理店に務める男性。語尾に「ざんす」をつける嫌味な男性として描かれている。西原理恵子に対し、「人が好かれと思っているところにいきなりやってきて、クソまでたれる野犬」という厳しい評価を下していた。自分が過去に苦い思いをした某有名グルメスポットに対する私怨を晴らすため、西原を連れて同店舗に行き、漫画上でボロクソに叩かせることに成功する。
青柳 (あおやぎ)
『恨ミシュラン』の2代目担当を務めた男性。極貧の中、苦学して一橋大学を卒業した苦労人。常識的かつ忍耐強い性格が逆に災いし、破天荒な西原理恵子と神足祐司の行動にふりまわされることになる。のちに心労から体調を崩し、そのまま帰郷。弁護士を目指して司法試験へと挑戦することになった。
銀玉親方 (ぎんだまおやかた)
西原理恵子のギャンブルの師匠である男性。パチンコをはじめとするギャンブルに大変詳しい。恰幅がよく、近寄ると甘酸っぱい匂いがするとのこと。若い頃はキャバレーの店員をしており、多くの人間模様を見てきた生き字引的存在。
穴吹編集長 (あなぶきへんしゅうちょう)
「週刊朝日」の編集長を務める男性。高価な料理を出すグルメスポットに行きたがる西原理恵子に手を焼いており、経費がかかりすぎた次の回では必ず安いグルメスポットに西原たちを行かせていた。青柳の退社が決まった際は、彼のボーナスの査定をゼロにしてやったとうそぶいていた。