明仁天皇物語

明仁天皇物語

日本を取り巻く国際環境が悪化の一途を辿る中、「象徴天皇」とは何かを模索し続け、憲法の定める平和を希求する第125代天皇・明仁と、それを支える美智子との姿を描いたヒューマンドラマ。雑誌連載はなく、完全書き下ろしの単行本。2019年6月28日に小学館より発売。

正式名称
明仁天皇物語
ふりがな
あきひとてんのうものがたり
原作者
永福 一成
作画
ジャンル
その他歴史・時代
 
ヒューマンドラマ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
関連商品
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あらすじ

平成(22016)年、第125代天皇である明仁が譲位するビデオメッセージが公開された。ナチス・ドイツが権力を掌握した年に誕生した明仁は、小学生時代を日中戦争から太平洋戦争の戦時下で過ごす。疎開も経験した明仁は、中等部に進学してからも友人たちを御用邸に招いて宿泊させるなど、戦前の皇室では考えられないほど一般国民と近しい距離で接していた。英語教師のエリザベス・J・G・ヴァイニングレジナルド・H・ブライスたちから、民主主義や象徴としての天皇の在り方について教えられる中で、立太子の礼を経て正式に「皇太子」となった明仁は、昭和天皇の名代としてエリザベス女王の戴冠式に出席した。流暢な英語と折り目正しい振る舞いで強い反日感情を抱くイギリス国民の態度を軟化させた明仁は、エリザベス女王から将来の伴侶についてアドバイスを受ける。その4年後、明仁は軽井沢で開催されたテニスの大会で美智子と出会う。旧華族勢力からの反対もありながら、美智子の聡明で謙虚な一面に強く惹かれた明仁は、粘り強くアプローチして妃に迎えることになる。結婚、出産を経た明仁と美智子だったが、訪米後にバッシングに晒され、本土復帰を果たした沖縄への訪問では火炎瓶が投擲(とうてき)されるハプニングに見舞われる。

また、本作『明仁天皇物語』と関連して、小学館のビッグコミックスから能條純一の『昭和天皇物語』が刊行されている。昭和天皇をモチーフとした主人公・裕仁が、養育掛(よういくがかり)の足立タカ、学習院の院長・乃木希典、皇太子妃となる良子(ながこ)らとの交流の中で日本国民を導く君主に成長しつつも、第二次世界大戦において軍部の暴走に翻弄される人生が描かれている。

登場人物・キャラクター

明仁 (あきひと)

平成の天皇となった人物。ナチス・ドイツが権力を掌握した1933年に誕生し、幼少時は日中戦争や太平洋戦争下で過ごし、疎開も経験している。英語教師のエリザベス・J・G・ヴァイニングやレジナルド・H・ブライスたちから、民主主義や自主性について学んだ。昭和天皇が新憲法を裁可して以降、「象徴天皇」の在り方について思案を重ねる。エリザベス女王の戴冠式の際に彼女から、「伴侶には聡明で慈悲深く、芯の強い女性を選ぶべきだ」と助言を受けた。その後、美智子の聡明で謙虚なところに惹かれ、粘り強くアプローチを繰り返して妃に迎えた。称号の「継宮明仁」という呼び名のほか「東宮」「皇太子」とも呼ばれているが、英語教師のエリザベスからは「ジミー」、中学校以降の友人たちからは「チャブ」とあだ名されていた。実在の人物、明仁がモデル。

美智子 (みちこ)

日清製粉グループ会長夫妻の長女。軽井沢でのテニス大会にペアで出場した際、明仁のペアに勝利したが、勝っても謙虚な姿勢を見せたことで明仁の興味を惹いた。その後、明仁とミックスダブルスのパートナーとして大会に出場した。明仁から皇太子妃にと望まれ一度は正式に辞退したが、明仁からの強いアプローチにより、最終的に受け入れた。明治時代以降初めての民間出身者。旧姓は「正田美智子」で、「ミッチー」とあだ名されていた。実在の人物、上皇后美智子がモデル。

エリザベス・J・G・ヴァイニング (えりざべす じゃねっと ぐれい ゔぁいにんぐ)

明仁の英語教育係として赴任したアメリカ人の女性。英語の授業において、明仁をはじめとした全生徒に英語名での呼び名を付け、民主主義とは何かを考えるきっかけを与えた人物。当初は1年間の契約だったが、皇室からの高い評価を受けて4年間赴任した。実在の人物、エリザベス・ヴァイニングがモデル。

レジナルド・H・ブライス (れじなるど ほーらす ぶらいす)

皇室から信任の厚いイギリス人の男性。第二次世界大戦開戦以前から日本に在住し、英語教師として活動していた。昭和天皇の詔書である「人間宣言」の起草にも参加している。明仁に「象徴天皇」の在り方についてアドバイスを与えた。実在の人物、レジナルド・ブライスがモデル。

小泉 信三 (こいずみ しんぞう)

元慶應義塾の塾長で、東宮御教育常時参与を務める男性。顔全体に火傷痕がある。旧華族勢力である守旧派が「皇太子妃には旧皇族か五摂家から選ぶべき」という考えを持っている中で、民間出身者から皇太子妃を選出することを信念としており、極秘に名門女学校に妃候補の推薦を打診していた。美智子もその一人として推挙されていた。実在の人物、小泉信三がモデル。

エリザベス女王 (えりざべすじょおう)

イギリスの女王。戴冠式において、昭和天皇の名代として出席した明仁を歓迎しつつも、かつて昭和天皇を迎えた時と同じ待遇で迎えることはできないと正直に話した。国際社会に日本が復帰するまで、今後いっそうの努力が必要であることを自覚している様子の明仁に、共に時代を率いていこうと語った。また、将来の伴侶について何も考えていなかった明仁に対し、「伴侶には聡明で慈悲深く、芯の強い女性を選ぶべきだ」と助言した。実在の人物、エリザベス2世がモデル。

織田 和雄 (おだ かずお)

明仁の後輩の男性。明仁が美智子に好意を持っていることを知り、明仁と美智子の恋愛を応援していた。美智子の皇室入りの打診を小泉信三に任せていることに不満を抱き、明仁と美智子が直接電話をする際、その仲介役を担った。明仁からは「ポケ」と呼ばれている。実在の人物である織田和雄をモチーフとしている。

クレジット

原作

監修

志波 秀宇

書誌情報

明仁天皇物語 小学館〈ビッグ コミックス〉

(2019-06-28発行、 978-4098603435)

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