概要・あらすじ
第2次世界大戦。ある時は熱帯のジャングルで、ある時は極北の氷海で、ある時は灼熱の砂漠で、繰り広げられる熾烈な戦闘の中、男達の意地と執念がぶつかり合う。自らの命を冷たい兵器に預けた名も無き戦士達は、愛する人や祖国を想い、ただ生き残ることを願う。だが、彼らの多くは、非情な戦争の炎に散っていくのだった。
登場人物・キャラクター
敷居 (しきい)
日本海軍所属。イギリス軍のポートモレスビー基地を爆撃するため、一式陸上攻撃機の操縦士を務める。ドイツ人パイロット・ファントム・F・ハーロックの著書『スタンレーの魔女』を愛読しており、自らもスタンレー山脈を越えることを夢見ていた。爆撃時に機が被弾し、片肺飛行でスタンレー山脈越えに挑むこととなる。
野中 (のなか)
日本海軍の少尉。戦前はロケット技師を夢見ていたが、皮肉にも音速ロケット特攻機・桜花の搭乗員となってしまう。桜花を搭載していた一式陸上攻撃機が撃墜され、自らは陸攻の搭乗員によって脱出させられた。戦争の狂気を自覚しつつも、再び、特攻任務へと挑む。
ファントム・F・ハーロックⅡ
ドイツ空軍大尉。先祖代々の紋章であるドクロの盾のマークを付けたメッサーシュミットわが青春のアルカディア号を駆る、無敵のパイロット。機体は変わっても、電影照準器REVI C12Dだけは同一の物を愛用している。敗色濃いドイツで日本人技師・台場元と出会い、深い友情で結ばれる。
台場 (だいば)
テストパイロット。プロペラ機で音速を突破することに執念を燃やす。敗色濃い日本では、ジェット機やロケット機の量産化の見込みが立たず、親友の航空技師・山越と共に使い慣れたピストンエンジンのレシプロ機で高速の米軍機に対抗するべく、試験飛行を繰り返す。
関連
スタンレーの魔女 (すたんれーのまじょ)
敵地へ爆撃に向かった敷居をはじめとする攻撃機のクルーたち。その言動はコミカルなものだが、非常過酷な運命を迎えていく。松本零士による「戦場まんがシリーズ」の1篇。 関連ページ:スタンレーの魔女