概要・あらすじ
「改造部品」という移植型の人工生体機能によって、人間が自由に身体機能をデザインできるようになった時代。追跡屋の青年が仕事の途中で出会った男・ロギイは、横暴で身勝手だが、子どもとの約束で改造人間の集団に立ち向かう奇妙な人物だった。改造人間にまつわる様々な事件に関わるロギイだが、その根底には「改造部品」の本体であるオリジナルの少女と交わした約束があった。
悪事に使われる「改造部品」を処分するため、彼は自由気ままに暮らしながらも、様々な事件に関わっていく。
登場人物・キャラクター
ロギイ
長身で眉のない凶悪そうな人相が特徴の青年で、人から依頼された改造人間がらみの仕事をこなす「処分屋」を営む。様々な能力を持った改造人間らと渡り合うだけのパワー・スピード・精密動作を兼ね備えており、自身も複数の部品を用いた改造人間である。幼い頃より、正体不明の研究施設で育った名も無い少年だったが、施設で出会ったハロから、識別タグの「ROG-11」という字を基にロギイと命名された。 ハロと交わした約束により、彼女から生まれた「改造部品」と、それを悪用する改造人間の処分を行動原理としている。自分の人相を気にしており、「薄い」「しょうゆ顔」などと言われると腹を立てる。異性の好みは熟女や女医タイプ。
ドグ
23歳。鋭敏な嗅覚を持つ改造人間で、その能力を生かして人を捜索する「追跡屋」。嗅覚以外の能力は一般人並みの気弱な青年で、依頼者たちからは「犬」と軽蔑気味に呼ばれている。犯罪集団・ストレスフリーから受けた仕事中にロギイと出会い、以後一方的にロギイの横暴さに振り回される立場になった。 「ドグ」という呼び名はロギイが決めたもので、本名は不詳。普段は小さなDVDショップを営んでいる。趣味は美少女フィギュアの収集。
チビ
改造人間の部品の基となるオリジナルとして、玩具会社・バウブル社に幽閉されていた幼い少女。依頼を受けてバウブル社に潜入したロギイによって救出され、依頼では処分される筈だったが保護され、ドグが保護役を押し付けられた。本名は不詳で、ロギイらの「チビ」「チビちゃん」という呼び方が定着した。 ドグによると、人間とは異なる、作り物のような匂いがするという。当初は無口で感情表現が乏しかったが、ドグと生活するうちに言葉を覚え、笑顔を見せるようになる。
ハロ
幼少期のロギイが研究施設で出会った少女で、改造人間の部品の基となるオリジナルとして幽閉されていた。ロギイと出会い、当時自分の名を持っていなかった彼の命名者となる。ロギイには、改造人間の部品になった後の自分を「守って」と依頼した。後の生死は不明だが、全身を改造人間の部品にされたと思われる。 後にロギイが能力を悪用する改造人間を処分する動機となった。
郁 (いく)
端正な容姿の青年警察官。改造人間の犯罪に対抗すべく、改造人間を人員とした不正規の部隊を編成した。部隊名はなく具体的な役職は不明だが、部下からは「局長」と呼ばれる。約十年前、研究施設から保護された幼少期のロギイと会っており、その当時は長髪の中性的な容姿だった。以来、ロギイとは顔見知りで、ロギイからは「ババア」と呼ばれるが、性別は明言されていない。 部下にロギイの検挙を命じたが、本気で敵対する意志はなく、ロギイに改造人間の処分を辞めさせ、監視下に置くことが目的だったと思われる。
たまち
27歳の女性警察官で、実年齢よりは若く見られる。フルネームは不明で、本名と思われる「たまち」ではなく「たまちい」と呼ばれたがる。改造人間で、郁が編成した不正規部隊の隊員。息を嗅がせた相手に言うことを聞かせる能力を持つが、恋愛対象の男にはこの能力を使わないと決めている。本人の言によれば彼氏持ち。 後輩の川松に対しては「川松っちゃん」「デコ松」など適当なあだ名をつけて呼び、嫌がられている。
川松 (かわまつ)
長身の青年警察官で、郁が編成した改造人間による不正規部隊の隊員。本人の言によれば、元はSATに所属していたが上官との諍いで免職になっていた。自分のコミュニケーション能力不足を気にしており、年上の相手には丁寧に会話しようとする。しかし非常にキレやすく、改造人間への憎悪もあってストレスフリーやロギイに攻撃を仕掛けた。 自らも改造人間で、電気を操る能力を持つ。電気によるショック攻撃や探索能力でロギイを追い詰め、肉弾戦でもロギイを上回るが、水に触れると力を失うという弱点を持つ。
宮島 (みやじま)
肥満体で髪型はモヒカンの男性警察官。郁が編成した改造人間による不正規部隊の隊員で、たまちや川松からは「次長」と呼ばれ、部隊内のナンバー2と思われる。年齢は不詳だが結婚歴があり、離婚して3年が経つ。改造人間と思われるが能力は不明。常にハンバーガーなどのジャンクフードを食べている。
イグナイト
27歳。ストレスフリーのリーダーで、顔の上半分をマスクで覆っている。メンバーを倒したロギイを捕えるべく、追跡屋を金で雇い捜索させた。発火能力を持ち、常に「憂さを晴らす」ことを行動原理としている。通りすがりの少女の傘を奪い、その父親に暴行して家を焼いた件で、少女の依頼を受けたロギイによって倒される。 その後、メンバーともども更生して肉体労働に勤しむようになったが、川松に襲われ倒される。
ユキロウ
ロギイに依頼をしに現れた少年で、唯一の肉親である女医の姉を不良改造人間たちから奪回するよう求めた。活発に振舞っていたが病気を持っており、姉は治療費を稼ぐため改造人間たちのお抱え改造医として心ならずも雇われていた。
アキヒナ
黒いスーツと帽子を着込んだ男で、透明になる能力の改造人間。本人の言によると、硬水を飲むと透明化の精度が落ちるが、それでも一般人からみれば完全に消えたように見える。「上」と呼ぶ何らかの組織に指示を受けてチビを捜索している。巨体で大食漢の相棒・アルジャーノンを連れている。
集団・組織
ストレスフリー
『改造人間ロギイ』に登場する集団。イグナイトをリーダーとする不良改造人間集団で、ストレスから解放された生き方をポリシーとして掲げ、一般人に迷惑を与える活動をしていた。メンバーはいずれもひょっとこの面を付けており、面の口から火を吹く改造人間。全員がロギイに敗れた後は、肉体労働によってストレス解消に励む団体となったが、川松に襲われ全員蹴散らされる。
バウブル社 (ばうぶるしゃ)
『改造人間ロギイ』に登場する企業。「世界に玩具と笑顔を届ける」をキャッチコピーとする大手玩具会社だが、裏では武器・兵器・薬物、改造人間の部品を生産・開発していた。改造人間の部品の基となるオリジナルの少女(チビ)を入手し、幽閉していた。社員たちは男女とも縦縞の制服に身を包み、裏では銃器や改造人間によって武装している。
その他キーワード
オリジナル
『改造人間ロギイ』に登場する用語。臓器移植のための体組織や細胞提供を目的に、人工的に作られた人間の総称。そうしたオリジナルの中に、移植を受けた者へ様々な「副作用」をもたらす個体が出始めた。それらの「副作用」は「皮膚の鋼鉄化」や「透明化」といった超人的なもので、莫大な利益をもたらす存在として企業や研究組織によって秘密裡に研究・開発されている。 『改造人間ロギイ』に登場したオリジナルはチビ、ハロといずれも幼い少女だが、性別や年頃に制限があるかは不明。