政宗くんのリベンジ

政宗くんのリベンジ

過去に「豚足」とあだ名を付けられて、こっぴどく女性に振られた主人公が、過酷なダイエットを経てイケメンへと変貌。その素性を隠したうえで、過去に自分を振った相手を惚れさせ、復讐しようとする学園ラブ・コメディ。「月刊ComicREX」2012年12月号より連載の作品で、竹岡葉月が漫画原作を初めて手掛けた作品でもある。

正式名称
政宗くんのリベンジ
ふりがな
まさむねくんのりべんじ
原作者
竹岡 葉月
漫画
ジャンル
ラブコメ
レーベル
REXコミックス(一迅社)
巻数
既刊10巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

基本的に主人公である真壁政宗安達垣愛姫が織りなすラブ・コメディ。政宗は女子からモテモテで、登場人物も女子が多いため、いつもハーレム状態。また、愛姫がどうして当時「豚足」と呼んで政宗を振ったのかが、この作品の重要なキーワードとなっている。さらに、単純なラブ・コメディとは異なり、謎解きの要素も随所にちりばめられている。

あらすじ

第1巻

容姿端麗、成績優秀と完璧な高校生・真壁政宗が、八坂高等学校に編入して来た。そんなある日、教室に「残虐姫」の異名を持つ安達垣愛姫が現れ、自身に告白して来た生徒を容赦なくふり、不名誉なあだ名を付け去っていく。愛姫は、子供の頃は肥満児であった政宗に「豚足」というあだ名を付けてふった女性であり、政宗の目的は彼女に復讐する事であった。自分に惚れさせたあとに愛姫を捨てる事で復讐を果たそうと、自分を磨き続けて来た政宗は、彼女の身辺調査を開始。そんな中、愛姫を助けた事で政宗は彼女と交流を持つようになるが、その直後、謎の人物から政宗の正体を知っていると手紙が届く。差出人は愛姫の使用人でクラスメイトの小岩井吉乃だった。そして吉乃は、愛姫の自分に対する態度の改善を目的に、政宗の復讐に協力を申し出る。なかなか愛姫との関係が進展せずに焦っていた政宗は、吉乃の協力で愛姫とデートをする事に成功。そのデート中、お嬢様育ちの愛姫は、吉乃のおふざけを信じて奇行を繰り返す。そんな中、時折見せる愛姫の優しさに子供の頃の思い出がよみがえった政宗は、計画の遂行に不要な感情が湧き出すのを感じる。一方で吉乃は、政宗との秘密の関係に楽しさを覚えていた。

第2巻

真壁政宗は友人の朱里小十郎に勉強を教える中で、安達垣愛姫と試験で勝負する事になる。試験当日、政宗は体調不良に襲われ結果は芳しくなかったものの、同様に補習を受ける事になった愛姫との補習デートを楽しむ。補習中も趣味の少女漫画から得た知識で愛姫にアプローチする政宗だったが、まったくの逆効果で気持ち悪がられてしまう。政宗は、小岩井吉乃のアドバイスによって、あえて愛姫を突き放してみたところ効果は絶大で、愛姫との距離を縮める事に成功する。しかし、政宗のミスによって吉乃との秘密の作戦会議を愛姫に目撃され、二人が付き合っていると勘違いされてしまう。政宗にからかわれていたと思い怒った愛姫は、初めて学校をサボってしまうが、吉乃の仲裁によって勘違いだとわかり、愛姫は政宗への好意を自覚するのだった。しかし、仲直りした政宗と愛姫の前に藤ノ宮寧子が現れ、突然政宗に抱きつく。転校生として学校に現れた寧子は、政宗と会うために転校して来たと周囲に話すが、身に覚えのない政宗は彼女を問い詰める。しかし、のらりくらりと質問をかわし、嘘ばかりつく寧子は恋のライバルとして愛姫に宣戦布告するのだった。

第3巻

藤ノ宮寧子の宣戦布告で、再び安達垣愛姫との関係が悪化した事を焦る真壁政宗は、愛姫と校門前で言い争いをしてしまい、二人でプール掃除の罰を受ける。二人きりで掃除を続ける中、愛姫は政宗に対して、自分への好意を証明するためにキスをするよう命令する。突然の事に混乱しながらも計画のためキスをしようとする政宗だったが、朱里小十郎らの乱入でうやむやになってしまう。愛姫に対する自分の好意を伝える事には成功した政宗だが、帰宅すると小岩井吉乃と寧子が家で料理をしていた。政宗は、嘘を重ねながらも自分への好意を隠そうともしない寧子の行動に、改めて彼女に対する疑念を大きくしていく。夏休みに入った政宗は、愛姫や友人達と共に綱手島にある愛姫の別荘へと向かっていた。寧子の存在に焦る吉乃は、旅行中に愛姫とうまくいかなければすべてをバラすと政宗に発破をかける。その言葉に焦った政宗は、別荘について早々、安達垣家のメイドの由井崎翠に対し、自分と愛姫が交際していると自己紹介する。

第4巻

真壁政宗の宣言に混乱した安達垣愛姫だが、由井崎翠に男嫌いが直ったと思わせるため、旅行中限定という条件付きで政宗の言葉を否定しなかった。その夜、政宗の行動を称賛する小岩井吉乃の提案で、肝試しをする事になるが、彼氏にふられたばかりの由井崎の嫌がらせで恐ろしい廃校を紹介される。愛姫を大切に思う由井崎は、政宗に交際をあきらめさせるため嫌がらせを行うが失敗し、政宗に助けられた事で二人の関係を認めるのだった。旅行を終え帰宅後、昔の写真がなくなっている事に気づいた政宗は、藤ノ宮寧子を問い詰める。あっさりと持って行った事を認め、子供の頃の政宗もかわいいと言う寧子は、彼にキスをするのだった。だが、寧子の思いに違和感を感じる政宗は彼女をふってしまう。後日、政宗は失恋のショックから行方をくらましていた寧子を探し出し、政宗への思いは恋に対するあこがれであり、本気ではなかったという寧子の言葉を聞く。しかし、寧子は子供の頃に出会った政宗に本気で恋をしており、一人涙を流していた。その夜、寧子の行動で政宗に対する恋心を再確認していた愛姫の前に、幼なじみを名乗る少年・雅宗兼次が現れる。

第5巻

夏休み明けのある日。久々に会う安達垣愛姫にアプローチを再開しようとする真壁政宗だったが、愛姫の幼なじみだという少年・雅宗兼次が現れ、愛姫の許嫁であるとみんなに告げる。焦った政宗は雑誌で学んだ壁ドンを駆使して、愛姫を口説こうとするがうまくいかない。一方、兼次は本当は愛姫との結婚は考えていないと偽り、男嫌いの愛姫の親衛隊を味方につけて政宗への妨害を始める。文化祭が近づく中、政宗のクラスと愛姫のクラスが出し物の演劇「白雪姫」が被ってしまい、どちらの演劇が完成度が高いか勝負する事になる。すると政宗は、勝った方が後夜祭での愛姫とダンスを踊るという賭けを兼次に提案する。兼次の実家は貧困にあえいでおり、偶然、由井崎翠に愛姫の幼なじみの政宗と勘違いされた事から、財産目当てで政宗のふりをして愛姫に近づいたのだった。しかし本物の政宗の正体は知らず、いつ本物が現れるか、自身の正体がバレてしまうか、と兼次は気が気ではなかった。文化祭当日、風邪を引いてしまった政宗は、無理して何とか演劇に参加しようとするが、何者かによって拉致されてしまう。同時に、兼次も小岩井吉乃の手によって保健室に閉じ込められていた。

第6巻

真壁政宗を拉致したのは、演劇の妨害を目論む安達垣愛姫の親衛隊であった。王子役が拉致された事で演劇ができない愛姫達は、それぞれ政宗と雅宗兼次の捜索を始める。親衛隊をやり込め、何とか脱出に成功した政宗は、クラスメイトの双葉妙達と合流するが、そこで既に上演時間になった愛姫達のクラスが、王子役の兼次抜きで演劇を始めている事を知る。演劇に向けて一生懸命練習していた愛姫の演技を見た政宗は、小岩井吉乃と連絡が取れずに兼次の居場所もわからないために、代役の王子として劇に乱入する。風邪のせいで朦朧としながらも愛姫のために演技をしていた政宗だったが、最後の最後でうっかり愛姫に本当にキスをしてしまう。劇は好評のうちに幕を閉じたが、政宗は後夜祭も保健室で寝込む事になってしまう。突然キスをして来た政宗に怒り心頭の愛姫だったが、そこに現れた兼次に、8年前に突然姿を消した事に理由があるのではと尋ねる。偽物の政宗である兼次は、そんな事は覚えていないと答えを濁すが、その返答に愛姫は寂しさと違和感を覚えるのだった。後日、政宗達は修学旅行でフランスへと行く事になる。

第7巻

フランスに到着した真壁政宗は、安達垣愛姫との関係を深めようと考えていた。そんな政宗と愛姫の前に、日本の漫画が大好きなフランスの高校生ミュリエル・ベッソンが現れ、漫画のモデルになってくれるよう頼んでくる。デートを理由に断る政宗だったが、ミュリエルの兄で裏社会の人間であるフランク・ベッソンから脅迫を受け、渋々協力する事になる。ミュリエルのために、日本の高校生のデートを演じる事になるが、照れもありなかなかうまくいかない。一方その頃、雅宗兼次は文化祭で自分を拉致し、政宗に協力している人物が小岩井吉乃である事を突き止め、彼女に脅しをかける。兼次の言葉を受け、さらに8年前の愛姫と政宗が決別する事になった事件について、ある秘密を抱えている吉乃は悔しさから涙を流す。政宗を誘った愛姫は、なぜ今のような男嫌いの自分になったのかを彼に話し始める。両親の関係が冷えており、寂しさからわがままな子供であった愛姫だが、虐められていた政宗を助けた事から二人はかけがえのない友人になる。しかし、ある日を境に理由もなく政宗が姿を消したという。その話を聞いた政宗は自分の記憶との違いに、衝撃を受けるのだった。

第8巻

安達垣愛姫の前から突然姿を消したのは真壁政宗自身という、身に覚えのない話を聞いた政宗は狼狽し愛姫に心ない言葉を口にして、喧嘩別れしてしまう。一方その頃、雅宗兼次のもとに病弱な妹・雅宗菫が倒れたという連絡が入る。修学旅行が終わり、今回の出来事を小岩井吉乃に相談する政宗だったが、愛姫との仲直りの方法は思いつかない。そこに藤ノ宮寧子が現れ、政宗の愛姫に対する思いはもう恋ではない、という言葉を掛けられ政宗は混乱する。さらにフランク・ベッソンも現れ、ミュリエル・ベッソンからの感謝の手紙が渡される。手紙を読み、愛姫の言葉が真実であると知った政宗はある事実に気づき、吉乃のもとに向かう。当時屋敷にいたもう一人の子供で、政宗を唯一豚足と呼ぶ吉乃が、愛姫のふりをして政宗をふった張本人であった。愛姫を奪われた嫉妬から行動を起こした吉乃だったが、後悔から政宗の復讐に協力していたのだった。吉乃の言葉を受け愛姫のもとに向かった政宗は、自身の正体を明かし彼女に告白する。

第9巻

付き合い始めた真壁政宗安達垣愛姫だったが、これまでの経緯もありなかなかうまくいかない。そんな中、腕に蕁麻疹が現れた政宗は不思議に思う。過去の過ちを愛姫に黙っていてくれた政宗に感謝する小岩井吉乃は、政宗に愛姫の誕生日を教える。愛姫の誕生日であるクリスマスにデートをする事になった二人は、一度はいい雰囲気になるものの、愛姫は8年前の肥満児だった政宗を無意識に求めており、今の自分を見てほしい政宗と愛姫の思いはすれ違ってしまう。後日、愛姫に触れるたびに起こる蕁麻疹の治療のため病院を訪れた政宗は、藤ノ宮寧子を見かける。寧子に症状を伝えた政宗は彼女から、今の政宗は復讐を終え、燃え尽き症候群になっているのではないかと言われ混乱する。その帰り道、足をくじいた吉乃を見つけた政宗は彼女を助け、これまでと同じように相談を持ち掛ける。交際に対する後悔を漏らす政宗は、吉乃と触れ合っている時は蕁麻疹が出ず、二人で復讐計画を立てていた時が一番楽しかったと弱音を吐く。家に帰った吉乃は愛姫の治療を受けながら、政宗の言葉を思い出し、涙を流すのだった。

第10巻

八坂高等学校の生徒達はバレンタインデーの話題で盛り上がっており、安達垣愛姫真壁政宗のために、小岩井吉乃に教わりながらチョコレート作りに励んでいた。バレンタインデー当日、愛姫からのチョコレートを渡された政宗は、彼女への複雑な感情を整理して、素直に愛姫と付き合っていく事を決意する。ある日、愛姫を呼び出した藤ノ宮寧子は、政宗は愛姫の事が好きではないから別れるように求める。クリスマスのデートの際、政宗の部屋で復讐計画が書かれたノートを見つけていた愛姫は政宗の復讐心に気づいていたが、それでも政宗が好きだから別れたくないと答える。ホワイトデーに政宗をデートに誘った愛姫は、かつてのいじめっ子に政宗への謝罪をさせたあと、政宗に別れを告げる。二人が別れた事を知った吉乃は、二人を仲直りさせようと奔走するが、愛姫から吉乃も政宗が好きな事を看破され、自分の気持ちに向き合うように言われる。政宗と復讐計画を行なう中で、彼への思いを募らせていた吉乃は自分の気持ちを伝えるため、傷心の政宗がいる長野県へと向かう。

メディアミックス

TVアニメ

2017年1月から湊未來監督によるTVアニメ版がTOKYO MX、KBS京都、サンテレビ、AT-X、BSフジで放送された。キャラクターデザインは澤入祐樹、音楽は加藤達也が担当している。主なキャストは真壁政宗役を花江夏樹、安達垣愛姫役を大橋彩香、小岩井吉乃役を水瀬いのりが務めている。

WEBラジオ

2016年12月26日よりインターネットラジオステーション「音泉」にて安達垣愛姫役の大橋彩香と小岩井吉乃役の水瀬いのりがパーソナリティを務める『ラジオ「政宗くんのリベンジ」~あやか・いのりのラジオは豚足の始まり~』が毎週月曜日に配信されていた。

登場人物・キャラクター

真壁 政宗 (まかべ まさむね)

八坂高等学校に通う男子。頭脳明晰、運動神経抜群、さらにコミュニケーション能力にも長けた、自他ともに認める完璧なイケメン。学校では異性からモテモテの人気者。しかし、「豚足」と呼ばれていじめられていた暗い過去を持っており、それを秘密にして高校生活を送っている。「豚足」のあだ名を付けた安達垣愛姫に恨みを抱いており、最高の形で惚れさせて最高の形で振る、という復讐を目論んでいる。 自身は「豚足」時代の自分に戻りたくないと強く思っており、カロリー制限はもちろん、筋トレや自分磨きを欠かさない。女子とコミュニケーションを取る時は、妹の早瀬千夏が持っていた少女漫画を参考資料にしており、歯の浮くようなセリフを多用する。

安達垣 愛姫 (あだがき あき)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。安達垣グループの筆頭で、頭脳明晰な美女。しかし、もの凄い男嫌いで、自分に言い寄ってくる男子を振ったうえに、容赦なく不名誉なあだ名を付けて撃退するため、「残虐姫」の異名を持つ。実はかなりの大食漢。そのことは周りに隠しているが、昼食は人気のない体育館倉庫でこっそりと食べている。表向きはキツイ物言いが目立つため、性格が悪いと思われがちだが、実際は他人に対して思いやりの心を持ち、政宗も「強くて傍若無人だが、それと同じくらい優しい」と評している。

小岩井 吉乃 (こいわい よしの)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。安達垣愛姫の使用人で、愛姫にいつもこき使われている。その姿は、政宗も「意地悪な継母にいびられるシンデレラみたい」と評するほど。普段は「小動物モード」となって誰に対してもおとなしく、愛姫の言うことを従順に聞いている。しかし、心の底ではそれを良しとしておらず、利害の一致した政宗と「デッド・オア・ラブ作戦」に加担している。 実際は非常に腹黒い人物。

藤ノ宮 寧子 (ふじのみや ねこ)

「豚足」時代の真壁政宗を知る人物。政宗と再会するために、わざわざ八坂高等学校へ転入して来た女子。家には使用人がおり、移動は専用のハイヤーを使用しているお嬢様。見た目だけなら、政宗も「可愛い」と認めるかなりの美少女で、政宗に好意を持っている。性格は物腰こそ柔らかいが、一方で平気でウソをつくといった、したたかな一面があり、つかみどころがない。 また、自身が病気を患っていたためもあって極度の健康オタクで、「適度な緊張感こそ健康維持の秘訣」をモットーに、いつもノーパンで過ごしている。

双葉 妙 (ふたば さえ)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。政宗のクラスメイトで、クラス委員長を務めており、部活は水泳部に所属している。転入して来た政宗に何かと親切に振る舞う、面倒見のいい人物。政宗に対して好意を持っており、告白するが玉砕。しかし、その後も政宗とは友好的な友人関係を続けている。実は腐女子で、政宗と朱里小十郎をカップルとして妄想して楽しむこともある。

朱里 小十郎 (しゅり こじゅうろう)

真壁政宗のクラスメイトで友人の男子。政宗に男であることを確認されるほど中性的な顔立ちをしている。一部の女子からは「総受けの小十郎きゅん」と言われて、マニアックな人気を得ている。最近は富ノ宮寧子のことが気になっている。勉強は不得意。

雅宗 兼次 (がそう かねつぐ)

真壁政宗と同じ学校に通う男子。転入生で、あだ名は「マサムネ」。身長160センチ、体重63キロ。ややぽっちゃり体型ながら運動はそこそこできる。転校1日目で男女を問わず溶け込むことができる、フレンドリーな性格の持ち主。実家の雅宗家は、かつては相当な財力を誇ったが、現在は貧乏な暮らしぶり。「豚足」であることを隠している政宗に代わり、自身が政宗であると騙(かた)って安達垣愛姫に近づく。 その後は、先代の雅宗家と安達垣家で交わした子息同士の婚約書を盾に、私財をすべて自分のものにしようと目論んでいる。

金子 園香 (かねこ そのか)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。安達垣愛姫の取り巻きの1人。八坂高等学校の生徒会副会長を務めている。男嫌いの愛姫のことを「カッコイイ」と思っており、愛姫の前だと顔を赤らめてはしゃぐ。生徒会では会長よりも権力を有しており、生徒会のメンバーからは「八坂の陰の権力者」と評されている。

木場 菊音 (きば きくね)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。安達垣愛姫の取り巻きの1人。剣道部に所属している褐色の肌のスポーツ少女。精神的な強さを誇り、金子園香に対しても自分を尊敬する許可を与えているが、当の園香には相手にされていない。愛姫のことになると、暴力をも辞さない男勝りな性格の持ち主。

水野 鞠 (みずの まり)

真壁政宗と同じ高校に通う女子。安達垣愛姫の取り巻きの1人。クラス委員を務めている。取り巻きの中では最もクールで、愛姫の情報にも詳しい。最近の愛姫を見て「政宗と一緒にいたいように見える」と指摘するなど、鋭い観察眼を持っている。

早瀬 絹江 (はやせ きぬえ)

真壁政宗の母親。42歳には見えないほど童顔で、身長もかなり低く、まるで少女のように見える。息子を溺愛しており、かつて大量の高カロリー料理を政宗に与えて、太らせたきっかけを作った人物でもある。政宗が痩せてイケメン化してからは、その溺愛ぶりが更にエスカレートし、その愛情はすでに「変態」の域へと達している。

早瀬 千夏 (はやせ ちなつ)

真壁政宗の14歳の妹。政宗とは異なり、どんなに食べても太らない体質で、ダイエットに励む政宗の前で、お菓子を食べてはいらつかせる「いらつかせ名人」。細身で長身のモデル体型。

真壁政宗の祖父 (まかべまさむねのそふ)

真壁政宗の祖父。安達垣愛姫に振られてウジウジしていた政宗を情けなく思い、自分の家に住まわせた。その際に厳しいダイエットを課して、8年の歳月をかけて、政宗を細マッチョのイケメンへと変貌させた。ある意味、現在の政宗の生みの親。

藤ノ宮寧子の祖父 (ふどのみやねこのそふ)

富ノ宮寧子の祖父。病弱で体の調子が優れなかった寧子に、海外での手術を提案した人物。しかし、成功確率が7割なので、寧子に手術を受けさせるか、最後まで迷っていた。その手術を受ける代わりに「恋がしたい」と胸中を吐露されるなど、寧子からも信頼されている。

雅宗 菫 (がそう すみれ)

雅宗兼次の幼い妹。兄である兼次を「かねちゃま」と呼んでいる。天真爛漫で純真無垢ながら、雅宗家の懐事情も考慮して、無理なことはねだらない、しっかりした一面を持つ。兼次が何に代えても守りたいと思っている存在。

小岩井 成乃 (こいわい なりの)

小岩井吉乃の姉。吉乃と同様に安達垣愛姫に仕えている人物の1人。猫を被って「小動物モード」になる妹とは異なり、普段から自然体で、安達垣家の屋敷の中でも煙草を吹かしている。

椎堂 (しどう)

藤ノ宮寧子の付き人を務めている女性。寧子には富ノ宮家の一員としての自覚を持ってもらいたいと思っており、ことあるごとに口酸っぱく注意喚起をしている。常に寧子の近くに控えており、護衛や運転手としての役割も果たしている。

由井崎 翠 (ゆいさき みどり)

安達垣愛姫の父親の秘書を務める女性。愛姫からは「美人で仕事ができるいい人」と評されている。しかし、実際はなかなか恋愛がうまくいかず、未だに未婚。自分の顔を「愛人顔」と自虐している。欠点は酒癖が悪いこと。また、カラオケで歌う曲はいつもデスメタル。

ミュリエル・ベッソン (みゅりえるべっそん)

フランスの高校に通う女子。真壁政宗が修学旅行先のパリで出会った人物。将来は日本の漫画を描きたいという夢を持っている。日本のアニメと漫画で勉強したため、日本語は堪能で、しゃべることもできる。しかし、漫画を描くにあたって、日本の男子高校生についての知識不足を気にしており、偶然出会った政宗をモデルとして、漫画を描きたいと考えている。

フランク・ベッソン (ふらんくべっそん)

ミュリエル・ベッソンの兄。日本にはビジネスで頻繁に来日し、ヤクザとさまざまな取引をしている。妹のミュリエルのことを溺愛しており、この世で最も罪深いのは「ミュリエルを泣かせること」、2番目に罪深いのは「ミュリエルをがっかりさせること」としている。そのため、真壁政宗に、ミュリエルの漫画のモデルになることを依頼する。

タナベ アキオ

真壁政宗と同じ高校に通うクラスメイトの男子。安達垣愛姫に好意を抱き、ラブレターを送る。しかし、「体育の時の凛々しい姿に惚れました」という一文から、愛姫に「スパッツの足好き」呼ばわりされ、「ムッチン王子」というあだ名を付けられて振られた。のちにそのことを根に持ち、愛姫に襲いかかるが、政宗に邪魔をされ撃退される。

山田 茂雄 (やまだ しげお)

真壁政宗と同じ高校に通う男子。学校でも有名なイケメンで、女子の間ではファンクラブも存在している。安達垣愛姫に告白すると身辺調査をされた。そして、下級生の二の腕を凝視していたり、自身と同じ「シゲオ」という名前の主人公が活躍する小説を、ネットに連載していることが明るみに出てしまい、全校生徒にばらされて振られた。

鈴木 涼太 (すずき りょうた)

真壁政宗と同じ高校に通う男子。野球部のエースを務めており、坊主頭で色黒なスポーツマンオーラ全開の人物。安達垣愛姫に告白するが、「すけちくび」というあだ名を付けられて振られた。

岩田 哲雄 (いわた てつお)

真壁政宗と同じ高校に通う男子。柔道部に所属しており、その恵まれた体格を活かして、昼休み時には混雑する八坂高等学校の売店で、強引に目的の食品を買いこんでいる。他の生徒からは「ずるくね?」「力押しじゃ敵わない」などと言われているが、本人はまったくそれを気にしていない。

俵田 マサル (たわらだ まさる)

道場では敵なしだった木場菊音が、中学3年生の時に唯一剣道で勝つことができなかった男子。いつも反則スレスレの手を使って戦い、菊音にとっては憎むべき相手でもあった。当時は安達垣愛姫に好意を寄せていて告白したが、「卑怯者」というあだ名を付けられて振られた。

理事長 (りじちょう)

八坂高等学校の理事長を務める男性。出世を望む教師に、「副校長に推薦する」という甘い言葉を使っては、さまざまな貢ぎ物を得ている。都合が悪い話になると、とぼけて話をすり替える、黒い一面を持つ人物。

3年B組金欠先生 (さんねんびーぐみきんけつせんせい)

真壁政宗の通う高校の体育教師。「体育はすべての力」と書かれているTシャツを着ている。安達垣愛姫が政宗に向かって投げたスクールバッグが当たってしまい、その罰として2人にプール掃除をするように命じた。ちなみに「3年B組金欠先生」は愛姫が付けたあだ名。

ケンジ

由井崎翠と付き合っていた彼氏。自分よりライブを優先する翠に不信感を抱いており、しっかり仕事をしているかどうかすらも疑っている。翠からは「ケツの穴の小さいオトコ」呼ばわりされている。翠にはやたらと振り回されており、最終的には「君に付き合うのは疲れた」というメッセージを送って、翠との関係を終わらせる。

エイジ

少女漫画「薔薇の瞳のステロイド」のメインヒーローの男子。すべての言動が格好良く、モモ相手には歯の浮くようなセリフを言うこともある。特に「お前の涙だと思えば雨に濡れるのも悪くない」と言って、モモに傘を差し出すシーンは、ファンの間でも評判となっている。真壁政宗がイケメンの参考にしているキャラクター。

モモ

少女漫画「薔薇の瞳のステロイド」の主人公の女子。好きだった先輩に彼女がいたことで失恋。屋上から行き場を失ったラブレターなどを飛ばすなど、少女漫画の主人公らしくロマンチックな行動が目立つ。現在は、エイジに惹かれている。

集団・組織

御前様ハーレム (ごぜんさまはーれむ)

安達垣愛姫の取り巻きで構成される愛姫の親衛隊。「愛姫様親衛隊」とも呼ばれている。メンバーは金子園香、木場菊音、水野鞠の3人で、主に愛姫が学内で関わる友人でもある。メンバー3人の目的は、愛姫が自分たちの「百合王国」で永遠に輝いて欲しいということで合致している。

場所

八坂高等学校 (やさかこうとうがっこう)

真壁政宗が通う私立の高校。構内は広大で、さまざまな施設が存在している。しかし、売店はそこまで大きくはなく、昼休みになると多くの生徒たちでごった返してしまう。そのため、政宗や小岩井吉乃が安達垣愛姫の昼食を買いに行く際は、いつも購入に苦労している。

聖澄女学院 (せいちょうじょがくいん)

藤ノ宮寧子が八坂高等学校に転校する前に通っていた高校。テレビにも取り上げられるほど有名な全寮制のお嬢様学校だが、真壁政宗のクラスメイトの女子によれば「すんごい山の中にある」とのこと。校舎のデザインも凝っていて、お城のような造りとなっている。

綱手島 (つなでじま)

安達垣グループが所有している離島。島にはプライベートビーチはもちろん、安達垣グループ所有の立派な別荘もある。真壁政宗が夏休みに安達垣愛姫と一緒に訪れた場所。政宗が由井崎翠の前で「愛姫とは恋人」と宣言したことにより、ここにいる間だけは、政宗と愛姫は恋人のふりをしていた。

綱手小学校 (つなでしょうがっこう)

綱手島にある小学校で、現在は廃校となっている。真壁政宗が安達垣愛姫の好感度をあげようと肝試しをする際に、由井崎翠に勧められて訪れた。翠はここで政宗を驚かせようとして待ち構えていたが、逆に政宗たちに驚かされて醜態を晒すことになった。

イベント・出来事

八坂祭 (やさかさい)

八坂高等学校で開かれる文化祭。双葉妙いわく、「結構本格的な文化祭」。後夜祭の後に行われるダンスパーティが名物となっている。クラスの出し物は投票で評価される仕組みになっており、投票数トップを取ると「売店優先購入権」「リフレッシュ休暇五日間」「マラソン大会ショートカット」など、さまざまな特典が与えられる。

その他キーワード

リベンジ帳 (りべんじちょう)

真壁政宗が常に持ち歩いているメモ帳。中には「デッド・オア・ラブ作戦」を成功に導くための情報が詰まっている。女子と関わっていく過程で、自身の経験から得た情報もあり、安達垣愛姫にどう接するべきかという内容が多い。

デッド・オア・ラブ作戦 (でっどおあらぶさくせん)

真壁政宗が計画した作戦。自分のことを「豚足」呼ばわりしたうえに、こっぴどく振った安達垣愛姫に復讐するために計画。素性を隠して愛姫に近づき、好意を持たせて愛姫が本気になった後に捨てるというもの。この作戦には、愛姫の使用人である小岩井吉乃も協力している。

ラブ盛り大作戦 (らぶもりだいさくせん)

好感度アップ作戦。真壁政宗が「デッド・オア・ラブ作戦」を成功させるために、安達垣愛姫に実行した。具体的には「薔薇の瞳のステロイド」のエイジの言動を真似してアプローチをかけるもので、「俺はもうお前しか見えない」や「お前の涙だと思えば雨に濡れるのも悪くない」など、歯の浮くようなセリフで愛姫へしゃべりかけた。 成果はなく、愛姫からは「マジキモい」と一蹴された。

トロピカルブルーハワイサンド

八坂高等学校の売店で発売される夏季限定のスイーツ。白い砂浜に見立てた上食パンに、トロピカルなパイナップルとブルーキュラソーで海を表現した生クリームをサンドしている。洒落心に満ちた外見と、男子高校生の胃袋を満たすボリュームを両立させた奇跡の一品で、安達垣愛姫の好物。

F (ふぃっしんぐ)

雅宗兼次が安達垣愛姫にその身分を偽って近づき、婚約して安達垣家の資金を得ようとする作戦。兼次いわく「エビで鯛を釣るならぬ愛で大金を釣る」。具体的には、両家の先代が交わした子息の婚約を約束する誓約書を武器に、愛姫に取り入るというもの。

第1回ハダピュア平和条約 (だいいっかいはだぴゅあへいわじょうやく)

安達垣愛姫と藤ノ宮寧子が「わたしはハダピュア」の主題歌をカラオケで一緒に歌うことによって結ばれた条約。普段は相容れない2人だが、「わたしはハダピュア」の主題歌を歌う時は息がピッタリだった。これをきっかけに第1回ハダピュア平和条約が結ばれて仲良くなりかけたが、お互いの好きなキャラクターが異なったため、この条約は即座に破棄された。

わたしはハダピュア

過去に日曜日の朝に放映されていた女児向けのアニメ。変身魔法少女もので、シリーズ化もしている人気作。真壁政宗との初デートの時、安達垣愛姫は小岩井吉乃に言われるがままに、この作品の「ホワイトニング」というキャラクターのコスプレをして現れた。

薔薇の瞳のステロイド (ばらのひとみのすてろいど)

早瀬千夏が持っている少女漫画。作者は花野ラブ子。エイジとモモの恋模様を描いた作品で、真壁政宗はこの漫画を読んで重要シーンにふせんを張り付け、女心を勉強している。政宗いわく、エイジは「完璧キャラ」。

クレジット

原作

竹岡 葉月

書誌情報

政宗くんのリベンジ 10巻 一迅社〈REXコミックス〉

第1巻

(2013-04-27発行、 978-4758063722)

第10巻

(2018-07-27発行、 978-4758067300)

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