新ローゼリア王国物語

新ローゼリア王国物語

『ローゼリア王国物語』の続編。「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国を舞台に、気は優しいが少々頼りない若き女王のローゼリアと、彼女を謎の暗殺者から守る側近の麗しき男性たちの姿を描くラブロマンス。秋田書店「プリンセスGOLD」2018年11月号、2019年2月号に掲載された作品。

正式名称
新ローゼリア王国物語
ふりがな
しんろーぜりあおうこくものがたり
作者
ジャンル
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あらすじ

田舎の村のリンゴ農家で働いているハビアン・モントーレは、リンゴの品種改良に成功しても「得体の知れないものは不要」と周囲からはまったく認めてもらえず、満たされない日々を過ごしていた。そんな中、「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国の女王であるローゼリアの衛兵募集を見たハビアンは、彼女が愛人募集を兼ねているに違いないと睨(にら)み、権力を得るために志願する。一方、国民のあいだでは、外見も内面も完璧な女性だと絶賛されているローゼリアだったが、家臣たちが弱小国の弱みを見せまいと、わざと流した事実と異なる噂だった。実際は天然気味で、のほほんとした性格のローゼリアに会ったハビアンはがっかりするものの、彼女の国民を思う真摯な気持ちに触れ、次第にローゼリアの力になりたいと心動かされていく。同時にハビアンはローゼリアが何者かに命を狙われており、さらに王宮内に謎の暗殺者が入り込んでいるという噂を耳にする。

関連作品

前作

このシリーズはさちみりほの『ローゼリア王国物語』の続編となっている。『ローゼリア王国物語』は全6巻が刊行されている。その後、2018年より「プリンセスGOLD」で改めて連載がスタートし、その際にシリーズ名が「新ローゼリア王国物語」と改められた。一作目『女王を愛した暗殺者 新ローゼリア王国物語1』の続編として、『白き王子の恋物語 新ローゼリア王国物語2』がある。

登場人物・キャラクター

ローゼリア

「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国の女王。年齢は17歳。国民や近隣の国の大使からは「若いながらも優れた才智と政治力を持つ」「絶世の美貌の持ち主」などと噂されているが、実際は気が優しくて少々天然気味な一面を持った愛嬌のある少女。しかし頭の回転が非常に速く、優れた発想力の持ち主でもある。国民のことを第一に考え、平和を維持するためにさまざまな策略を巡らせている。数か月前から王宮で政務長官補佐を務めているエルナンを異性として意識しており、ハビアン・モントーレのような察しのいい人物には気持ちを悟られている。親しい者からは「ローザ」と呼ばれている。

エルナン

「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国で、政務長官、ルミナスの補佐官を務める青年。数か月前にローゼリアの戴冠式の祭りに暴漢から襲われそうになった彼女を守った功績をたたえられ、しばらく王宮に滞在することになる。その後、各国の言葉や文化に精通していることから仕事を任されるようになり、いつの間にかルミナスの補佐官になった経緯を持つ。出身国も身分も不明だが、ローゼリアからの信頼は厚く、異性としても意識されている。サバサバとした性格の持ち主ながら、エルナン自身の過去はいっさい語らないため、謎が多い。

シリウス

「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国の名門貴族「オーランド家」の長男。弟のルミナスとオルビスがいる。ローゼリアの側近として最も近い距離で仕え、ファッションやヘアメイクも担当している。ローゼリアのビジュアル全般を任されていることから、ふだんの彼女の身だしなみや動作も厳しくチェックし、苦言を呈することも多い。ワイルドな雰囲気を漂わせた美男子で、言いたいことははっきりと主張するタイプ。

ルミナス

「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国の名門貴族「オーランド家」の次男。兄のシリウスと弟のオルビスがいる。ローゼリア王国では政務長官を務めており、女王のローゼリアがまだ17歳と若く、周囲から軽んじられないように「若いながらも優れた才智と政治力を持つ」「絶世の美貌の持ち主」という噂を国民や諸外国に積極的に吹聴している。光り輝くような美男子で、ジョルジーナをはじめとした、周辺にいる女性をあっという間に魅了してしまう。また物腰が柔らかいこともあり、外交を任されている。

オルビス

「薔薇の王国」の別名を持つローゼリア王国の名門貴族「オーランド家」の三男。兄のシリウスとルミナスがいる。ローゼリア王国では、近衛兵隊長として軍部を掌握している。軍部のトップの立場にあるが穏やかで優しい性格で、のんびり屋の癒し系タイプの美男子。しかし、ローゼリアに危険がせまると人が変わったように機敏な動きを見せ、周囲に気づかれないように爆発物を処理するなど実務の能力に長けている。

ハビアン・モントーレ

女王陛下の衛兵募集を見て、田舎のリンゴ農家から王宮にやって来た青年。衛兵の募集要項の中に「容姿端麗であること」という条件があったため、実はローゼリアの愛人募集ではないかと疑い、彼女に取り入って権力を手に入れようと衛兵に志願した。実際のローゼリアに会ってからは愛人募集ではないことを知り、さらに彼女のペースに乗せられて計画は失敗するものの、オルビスの部下の近衛兵となり、その手腕を発揮している。分厚いレンズの眼鏡をかけているため、一見地味な印象を受けるが、実際は整った顔立ちの美男子。優れた頭脳を持った策略家でもあり、つねにクールに振る舞っている。田舎のリンゴ農家ではジョルジーナといっしょに働いており、彼女から好意を抱かれている。農業に従事していた際に、リンゴの品種改良を成功させていたが、村人からは「得体のしれないものは不要」だと認めてもらえなかったため、人生を変えるために権力を欲している。

ジョルジーナ

ハビアン・モントーレと共に田舎のリンゴ農家で働いている女性。外見も内面も完璧だと噂されているローゼリアに一度会ってみたいと願っていたところ、偶然にもリンゴを収穫しに来た彼女と出会う。最初はどこかの村娘だと勘違いして接していたものの、ローゼリア王国女王だと知ったあとも、身分の差がありながらも親しくしている。サバサバとした面倒見のいい性格で、見た目が整った男性が大好き。そのためエルナンやルミナスを見て、胸をときめかせることも多い。ハビアンに好意を抱いている。

フーシェ公爵 (ふーしぇこうしゃく)

貴族の中年男性。女王陛下の衛兵募集を見て、田舎のリンゴ農家から王宮にやって来たハビアン・モントーレを一目見て優秀な人物だと見抜き、フーシェ公爵自身の遠縁の親戚だと偽って衛兵に推薦するなど、後見人を買って出た。古くからローゼリア王国の王族に仕えてきた一族ではあったものの、私利私欲のために不正を働いていることが暴かれたことで、重要なポジションからは外されてしまう。そのため、ハビアンを利用して再び権力を取り戻そうと画策している。

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