概要・あらすじ
大正13年、父親の残した借金を返済するため、19歳の少女の森光子は吉原へ売られる。光子は「春駒」という源氏名を名乗り、花魁として働き始める。周旋屋の男からは「騒いで酒のお酌でもしていればいい楽な仕事」「2、3年で帰れる」と説明されていた光子だったが、初めての客に無理やり抱かれてから自分が騙されていたことを知る。想像よりも遙かにつらい花魁の仕事と収入の少なさに光子は絶望するが、実家に残してきた母親と妹を思うと、逃げ出すこともできなかった。やがて光子は、周旋屋の男や自分の客、遊郭の楼主たちへの復讐を誓い、自分が経験した地獄を日記に書き残そうとし始める。
登場人物・キャラクター
森 光子 (もり みつこ)
貧しい農村部に生まれ育った19歳の少女。他界した父親が残した借金を返済するため、上京して吉原で働くことになる。大正13年より吉原にある遊郭、長金花楼に花魁「春駒」として働き始める。勤め始める前にはほとんど仕事の内容を知らされておらず、仕事を始めてから花魁の過酷な実態を知る。読書好きな文学少女であり、自分の体験を克明に記録することが、自分を騙した人々への復讐になると考え、日々の出来事を日記に残している。
クレジット
- 原案
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森 光子