曙橋三叉路白鳳喫茶室にて

曙橋三叉路白鳳喫茶室にて

毎週金曜日の午後、喫茶「白鳳堂」の窓辺に必ず座っている藤田金蓉。誰かを待ち続ける金蓉は、いつのまにか人気者になり、さまざまな相談を持ちかけられるようになる。昭和初期の銀座を舞台に、謎めいた青年・金蓉が人の悩みを解決する姿を描いた人間ドラマ。白泉社「メロディ」2021年4月号より連載を開始。

正式名称
曙橋三叉路白鳳喫茶室にて
ふりがな
あけぼのばしさんさろはくほうきっさしつにて
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
花とゆめコミックス(白泉社)
巻数
既刊3巻
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概要・あらすじ

昭和初期の東京市中央区。銀座の喫茶室「白鳳堂」に、一人の男子学生が現れる。彼の名は藤田金蓉。毎週金曜日の午後三時に現れ、必ず二階の窓辺の席に座る。人を待っているというが、誰かが来たことはない。そんな姿がなんともいじらしいと、いつのまにかすっかり人気者になってしまった学生である。そんな金蓉は、人の困り事を上手に解決することでも有名だった。人生の岐路に立っているという婦人・咲は、白鳳堂の給仕に勧められ、金蓉に話を聞いてもらうことになる。彼女の恋人は、老舗小間物問屋・増田屋の子息だが、増田屋の女将に「咲」という字は縁を「裂く」からと、縁談を断られたという。「どうしても結婚するなら改名せよ」と言われた咲だが、そう簡単に名前を変えたくはなかった。彼女は早くに両親を亡くしたため、親からもらったものは名前だけだった。名前を捨てるか、彼をすてるか、咲は迷っていたのだ。翌日、金蓉は増田屋を訪れる。金蓉の母はこの店の常連である。金蓉は「咲という名の従姉へ、刺繡入りの贈り物をする」という嘘をつく。すると女将は、自分には「咲」という名の亡くなった姉がいたという身の上話を始めた。姉は、嫁ぎ先で子宝に恵まれず、「裂き」などという名前のせいだと離縁され、気落ちしていたところに流行り病であっけなく亡くなったのだという。増田屋の女将には「咲」という名前に深いトラウマがあったのだ。後日金蓉は、相談者の婦人・咲に、増田屋の女将の事情を告げたあと、ある助言をする。

登場人物・キャラクター

藤田 金蓉 (ふじた きんよう)

どこか儚げな男子学生。毎週金曜日の午後3時、喫茶「白鳳堂」の窓辺に必ず座り、誰かを待っている。そのうち店で人気者になり、いつのまにか、人から相談を受けるようになる。優男で争い事を好まないが、じつは武術に優れており、ケンカに強い。名士である藤田家の末っ子。一華、二葉、三津子という三人の姉がいる。妾腹であり、実の母親は赤坂の元芸者。8歳の頃、実母が英国駐在官夫人の三味線の師匠であったため、彼らが住む大きな屋敷を度々訪問。そこの息子である2歳年上のクロードと出会う。最初はケンカになるが、すぐに仲良くなり、強い絆で結ばれる。大正12年の関東大震災で、実母とは離れ離れになり、廃墟で一人ぼっちでいたところをクロードに助けられた。

クロード

燃えるような赤い髪と緑の瞳が特徴のイギリス人男性。藤田金蓉の2歳年上。10歳の頃、屋敷に出入りしていた金蓉と出会う。はじめはケンカしてしまうが、すぐに打ち解け、強い絆で結ばれる。大正12年、関東大震災が起きた際、実母と離れ、廃墟で一人ぼっちになって困っていた金蓉を助ける。

十村 (とおそん)

丸い眼鏡が特徴の大柄な女性。藤田金蓉の従者で車を運転し、金蓉の送り迎えをする。冷静沈着な成果で、金蓉に対して少々辛辣な口を利くことがある。

書誌情報

曙橋三叉路白鳳喫茶室にて 3巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉

第2巻

(2022-11-18発行、 978-4592228578)

第3巻

(2023-11-02発行、 978-4592228585)

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