概要・あらすじ
魔法による大きな戦争の結果、「魔法汚染」に蝕まれた世界。エンダ村に住むソルテ=シュガルの両親は、魔法汚染を浄化する研究のために命を失った。孤児となったソルテは、レゼル村長に引き取られて元気に育つ。ある日ソルテは、魔法汚染地帯につながる「デタラメ洞窟」の入り口で、瀕死の女性サリエラと出会う。サリエラは、ソルテと同じくレゼル村長に育てられた孤児だった。そして、レゼル村長により、奴隷商人に売られたという。レゼルは村の水源浄化のために、貴族と契約を交わしており、村の子供を奴隷として売却していたのだ。魔界から霊宝を引き揚げるサルベイジャーのルインに買われたサリエラは、彼の一番弟子となり、財を成したという。そして先日、魔界で死毒を受け、両親の墓地があるエンダ村に戻ってきたのだ。死の間際、サリエラはソルテにペンダントを手渡す。ルイン一行が全滅する原因となった、いわくつきの霊宝だという。ペンダントを託されたソルテのもとにやって来たのは、奴隷商の男だった。秘密を知られたレゼル村長が手を回したのだ。ソルテは毅然とした態度で奴隷馬車に乗り込み、奴隷商の男に「サルベイジャーに売って欲しい」と希望を伝えた。帰る所を失ったソルテは、どうせなら魔界を越え、世界の果てまで行ってみたいと考えたのだ。エンダ村を旅立った奴隷馬車には先客がいた。ヒッチハイクのつもりで乗り込み、そのまま奴隷として売られることになったフィロ=クレイダルという少年だった。それから馬車はずいぶんと進んだが、いつまでたっても日が落ちない。不思議に思った奴隷商人は、自分たちがいつの間にか魔法汚染地帯に入っていることに気づいた。空では黒い太陽が笑い、地面にはキノコが生える変な世界で、かぼちゃと化した人々がソルテを襲う。その時、サリエラからもらったペンダントが光を発し、中からセレンと名乗る妖精が出現した。セレンとソルテは合体して魔法少女に変身し、フィロを抱えて汚染地帯から脱出する。合体を解いたセレンは、ソルテの叔父であるブラックに会いに行くことを提言する。セレンによると、自分がソルテたち三人と冒険するのは二回目なのだという。かつてソルテたちは、魔界の奥地を目指して旅をし、魔法のトラップで時間を巻き戻されたというのだ。その後、ソルテは街で偶然、ブラックと再会。こうして勢ぞろいした四人は、魔界を目指して二周目の冒険に出かけるのだった。
登場人物・キャラクター
ソルテ=シュガル
魔法汚染の研究をしていた両親を亡くし、レゼル村長によって育てられた少女。両親を亡くしたあと、一人称が「あたし」から「おれ」に変化。活発でやんちゃな少年のように育つ。「デタラメ洞窟」で出会ったサリエラに、ペンダントと財産を託されたことがきっかけで、世界の秘密を知るために、魔界の先にある最果ての地を目指す。ペンダントから出現した妖精セレンと合体することにより、魔法少女に変身できる。のちに「幸運なソルテ」と呼ばれる。
フィロ=クレイダル
ソルテ=シュガルと共に、魔界の先にある最果ての地を目指すことになる少年。女性のような整った顔立ちで、長い黒髪と目の下のクマが特徴。「闘神の呪い」で不死身であり、長い年月を少年の姿で過ごす。自分を殺せる強い戦士を求めて旅を続けており「死にたがりのフィロ」とも呼ばれる。
セレン
魔法の力を持った妖精。サリエラからソルテ=シュガルに託されたペンダントの中から出現した。かつて、ソルテ、フィロ=クレイダル、ブラックらと、魔界の奥地を目指して旅をし、魔法のトラップで時間を巻き戻された。今回の冒険が二回目であることを唯一知っている。「妖精合体、魔法相転移魔女化」という能力で、ソルテと合体して魔法少女に変身できる。「小さなセレン」と呼ばれる。
ブラック
ソルテ=シュガルの叔父。精霊病のため、モグラの獣人になっている。行方不明だったが、ソルテがサリエラの財産をゆずり受けるため、カリア市を訪れた際、偶然再会。ソルテたちと共に、魔界の先にある最果ての地を目指すことになる。地方で教師をしていたことがあり、「物知りブラック」と呼ばれる。
サリエラ
ソルテ=シュガルが住んでいたエンダ村出身の女性。ソルテと同じく、両親を亡くし、レゼル村長に育てられる。その後、レゼルによって奴隷商人に売られ、伝説のサルベイジャーのルインに買われる。やがて自分もサルベイジャーとなり、多額の財を成す。魔界で死毒を受けたあと、両親の墓地があるエンダ村に戻り、ソルテと出会う。ソルテに霊宝のペンダントと自分の財産を託し、息を引き取る。