月の夜 星の朝

月の夜 星の朝

幼い頃にキスを交わした幼なじみの2人が、成長してからもバスケットボールを通し、お互いの想いを交差させていく。登場人物それぞれが自分の進路に悩み、少しずつ答えを見出しながら成長していく姿をみずみずしく描いたラブストーリー。「りぼん」1983年2月号から1985年11月号にかけて連載された作品で、1984年には青田浩子主演で映画化もされている。

正式名称
月の夜 星の朝
ふりがな
つきのよる ほしのあさ
作者
ジャンル
バスケットボール
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概要・あらすじ

梁川りお坂本遼太郎は、お互いの親戚の結婚式で出会った幼なじみ同士。当時、たった4歳にして大胆にも公衆の面前でキスを披露した幼い2人は、結婚式会場をあっと驚かせた。そして月日は流れ、中学生になったりおはバスケットボール部の試合で10年ぶりに遼太郎と再会する。ずっと忘れられなかった遼太郎への想いを今も抱き続けていたりおだったが、ある日、同じバスケットボール部の先輩である森村靖彦から告白されてしまう。

登場人物・キャラクター

梁川 りお (やながわ りお)

朝日野中学に通う2年生の元気な女の子で、バスケットボール部に所属している。誕生日は3月10日。幼い頃、叔母の夏目鏡子の結婚式で坂本遼太郎と出会って以来、ずっと彼のことを忘れられずに想い続けていた。10年後、バスケットボール部の試合で、成長した姿の遼太郎と再会する。しかし、うまく心を通い合わせることができず、お互いの気持ちのすれ違いに思い悩む。

坂本 遼太郎 (さかもと りょうたろう)

楠中学に通う2年生の男子。梁川りおの幼なじみで、りおの叔母である夏目鏡子の夫、夏目虎彦の甥にあたる。子供の頃に両親が離婚したため、父親に引き取られて育った。バスケットボール部に所属し、日米親善試合の選抜メンバーにも選ばれるなど中学生離れした実力を誇る。子供の頃からずっとりおを想い続けているが、面倒見の良さからか多くの女の子たちに好意を抱かれ、その度にりおを悩ませている。 かつては名古屋北山中学に通っていた。

浜田 麻衣 (はまだ まい)

梁川りおの同級生で、同じ朝日野中学に通う2年生の女の子。女子バスケットボール部のキャプテンを務めている。小学4年生からミニバスケを始め、現在に至るまでバスケットボール一筋で過ごしてきた。ひそかに森村靖彦に好意を寄せているが、りおに対する森村の気持ちに気付いているため、打ち明けられずにいる。実は由緒ある茶道家元のお嬢様。

森村 靖彦 (もりむら やすひこ)

朝日野中学に通う3年生の男子で、男子バスケットボール部のキャプテンを務めている。梁川りおに好意を抱き一方的に気持ちを伝えるが、坂本遼太郎を忘れられないりおの想いを知り、最終的には身を引く。中学卒業後は高穂高校に進学し、日米親善試合の選抜メンバーにも選ばれる。

夏目 鏡子 (なつめ きょうこ)

梁川りおの叔母で、夏目虎彦の妻。高校生の頃から演劇の道を志し、現在はTVドラマや映画で活躍している人気女優。実話をもとにしたTVドラマ「北風のうしろの国へ」ではヒロインの母親役を演じる。結婚から十数年後に子供を授かり、難産の末に女の子を出産する。

夏目 虎彦 (なつめ とらひこ)

坂本遼太郎の叔父で、夏目鏡子の夫。撮影中の鏡子に手作りのお弁当を差し入れするなど、妻の女優活動を公私ともに支えている。自宅に遼太郎を居候させており、自分の進路や梁川りおのことで思い悩む遼太郎にも寛大な姿勢で接している。

杉田 聖子 (すぎた せいこ)

今をときめく人気アイドル女性歌手。自分のコンサートでいきなり「好きな人がいる」と告白し、ファンを驚かせた。TVドラマ「北風のうしの国へ」で共演した坂本遼太郎に片想いをしており、彼が履いているメーカーのバスケットシューズを購入するなどいじらしい一面を見せる。普通の女の子としての生き方に憧れ、のちに突然、芸能界引退を表明する。

小鹿 まゆみ (こじか まゆみ)

名古屋北山中学のバスケットボール部に所属する2年生の女子。長身を生かした迫力のあるプレーで相手チームを圧倒するゲームメーカー。梁川りおをライバル視しており試合では常に敵意をむき出しにするが、本来は友達思いのやさしい性格。

森田 仁 (もりた ひとし)

楠中学に通う2年生の男子で、坂本遼太郎と同じバスケットボール部に所属している。日米親善試合の事前合同合宿で梁川りおのことを気に入り、積極的にアプローチするが、遼太郎にさりげなく阻止されてしまう。

樋口 伊吹 (ひぐち いぶき)

龍川幸美の妹で、演劇の勉強をしている女の子。家庭の事情で一時的に母方の姓を名乗り、夏目家に居候することになる。姉の想い人でもあった坂本遼太郎を好きになるが、遼太郎の心の中に自分がいないことを知ってしまう。のちに遼太郎の父親と自分の母親が再婚してからは名古屋の家へ帰るが、行き場のない思いから逃れようとして非行に走る。

龍川 幸美 (たつかわ ゆきみ)

坂本遼太郎が名古屋北山中学に通っていた頃の同級生。遼太郎と同じくバスケットボール部で活躍していたが、白血病を患い他界した。生前にしたためていた日記が「北風のうしろの国へ」というタイトルで書籍化されて話題を呼び、TVドラマ化されることとなる。遼太郎を好きだったが、梁川りおのことを忘れられずにいた遼太郎にその想いは届かなかった。

大石 大吾 (おおいし だいご)

中学を卒業した梁川りおが、進学先の高穂高校で出会う1年生の男子で、サッカー部に所属している。りおに片想いしていた友達の桜田を手助けしようとしていたが、逆に自分がりおのことを好きになってしまう。家では、妹の面倒をよく見る心優しい兄。

若狭 剛 (わかさ たけし)

かつて名古屋北山中学のバスケットボール部に所属していた男子生徒。坂本遼太郎に反感を抱き、彼が大切にしている義妹の樋口伊吹を傷つけてやろうと近づいたものの、次第に伊吹に惹かれていく。オートバイを乗り回し、態度も粗暴だが、決して相手に無理強いをしない紳士的な一面もある。

坂本 ナツエ (さかもと なつえ)

坂本遼太郎の生みの母親。遼太郎と同様に、梁川りおのこともとてもかわいがっていた。離婚後は幼い遼太郎を手放し、現在はアメリカに在住。末期のガンを患い、余命半年を宣告されている。高校生になった遼太郎と再会し、アメリカへのバスケットボール留学を勧める。

縞 統也 (しま とうや)

名門である高穂高校に突如、転入してきた男子生徒。編入試験を満点で合格し、同時に試験を受けていた坂本遼太郎の答案用紙も勝手に解答して、同じく満点で合格させた。TVドラマ「北風のうしろの国へ」で音楽の仕事を担当したことがあり、龍川幸美役の代役として出演していた梁川りおのことが気になっていた。現在は全世界でツアーを行うほどの実力派ロックミュージシャン「タビィ」として活躍しているが、実は大財閥「島コンツェルン」の後継者で、18歳になったら家へ戻って会社を継がなければならないという宿命を背負う。 本当の名字は「島」だが、親への反発からわざと違う「縞」を名乗っている。

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