月詠

月詠

吸血鬼の少女、葉月は森丘耕平の血を吸って下僕化しようとするも、失敗。母親探しのため葉月がついてくる形で森丘耕平は日本に戻るが、そのもとに他の吸血鬼たちが襲来。葉月を狙うようになる。多様な能力を持つ吸血鬼との出会いと戦いの中での、森丘耕平と葉月の成長と恋愛を描いた作品。作中では葉月がつけた猫耳へのこだわりが幾度も描写されている。

正式名称
月詠
ふりがな
つくよみ
作者
ジャンル
アクション
 
オカルト
 
ラブコメ
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概要・あらすじ

カメラマンの森丘耕平は、取材先のドイツの古城で、吸血鬼の少女、葉月と遭遇。彼女は耕平の血を吸って下僕としようとするも、霊的に鈍感な彼に効力はなかった。その後、葉月は母親を見つけるため飛行機で来日。マルミ堂を拠点に耕平についてまわるようになる。ある日、葉月を追ってきた吸血鬼エルフリーデに接触。

ハインリヒ=フォン=キンケルの支配下にある彼女は、吸血鬼の支配に従わない力を持つ耕平を「吸血鬼の恋人」と呼び、その力で自らも呪縛から解放されたいと考えていた。ところがエルフリーデや祖父の御堂竜平らがキンケルに拉致されてしまい、葉月たちは救出に向かう。エルフリーデの協力でキンケルを首尾よく滅ぼすも、葉月は気絶。

帰還後、彼女の中には陽の光が平気なデイウォーカーのルナという人格があることが判明する。耕平はその後、葉月を守るため山ごもりを開始。彼の中の、相手の霊能力を打ち消す消却能力が目覚める。葉月をさらいにきた吸血鬼たちの術に対し、消却能力を使って戦いつづけるが、葉月は戦闘のさなか彼女の父「お館様」に連れ去られてしまう。

耕平たちは、葉月奪還のため吸血鬼達の棲む月黄泉に向かう。

登場人物・キャラクター

森丘 耕平 (もりおか こうへい)

撮影した写真の70%が心霊写真という、特殊体質のカメラマンの青年。ドイツ南西部の古城に撮影に行ったところ、葉月に遭遇。結界を壊して城から葉月を解放する。その際、葉月に血を吸われることで下僕になるはずだったが、一切効かなかった。日本に戻った彼についてくる形で、葉月も来日。吸血鬼だと知った上で、彼女の目的である母親探しを手伝うことを約束する。 葉月に対しては保護者として厳しい態度で接することができ、彼女が成長するきっかけを作る。霊的な力の影響を一切受け付けない体質で、吸血鬼の使う霊能力に対しての耐性が極めて高い。この体質は月詠人の間では「吸血鬼の恋人」と呼ばれており、「吸血鬼の恋人」の血を吸った吸血鬼は、絶対的な主従関係の呪縛から解放される。 また幼いころは霊視能力が高い子供で、霊の危険から守るため、母の静流と祖父の御堂竜平に力を封印された経緯がある。葉月を守るため強くなりたいと願い、後に御堂弥生らのいる布津神社で2年間修行に入り、弱いバケモノを退治できるほどの霊能力者になる。 彼の能力は「消却能力」で、あらゆる霊能力による攻撃や、実体の無い存在を消滅させることができる。

葉月 (はづき)

ルナとも呼ばれる。ドイツ南西部のはずれにある古城に住んでいた、長い黒髪の少女。気が強く、世間知らず。年齢は見た目どおりの中学生くらい。月詠人と呼ばれる吸血鬼。猫耳を好んでつける。森丘耕平に結界を解かせて城を脱出、日本にやってきた。森丘耕平の血を吸って「血の契約」として魔力を発動。 しかし森丘耕平を下僕にはできなかった。その後、下僕化できなかった彼に、共に母親の清音を探すよう願い出る。邪眼の使い手で、目を合わせることで、相手に魅了効果を与え、命令を聞かせることができる。ただし森丘耕平には効かない。自分の欲求を叶えようとしたとき、知識や呪言が頭に浮かび、ホウキに空を飛ぶ属性を付与するなどの術が使用できる。 太陽の光を浴びても問題なく活動できるデイ・ウォーカーで、その血を吸った吸血鬼は自由に陽の光の下に出られるようになる。攻撃手段として、異母妹のアルトの技を見よう見まねで作ったかまいたちを操ることができる。ルナの状態の時は、おとなしく素直なはにかみ屋。

御堂 成児 (みどう せいじ)

森丘耕平のいとこ。長髪でメガネをかけた青年。御堂晴爾の名前で活動する、著名な霊能力者。冷静沈着で、常に合理的に行動をする。安西裕美の担当するオカルト雑誌「月刊フォレスト」に連載を持っている。ドイツの古城で森丘耕平が遭遇した葉月の事件にかかわる。護符を身につけており、葉月の霊能力は効かない。 命に関わる怪我をした際の延命呪や、相手を攻撃する帯雷符を使用できる。

安西 裕美 (あんざい ひろみ)

森丘耕平がカメラマンを務めるオカルト雑誌「月刊フォレスト」の編集者。霊能力者の御堂成児の特集を組むなどの関係で、御堂家には頻繁に出入りしている。御堂家にやってきた葉月のことを大切に思っている。キンケルの術にはまり、召使にされたことがあった。

エルフリーデ

長い金髪の女性。キンケルの配下で、人間からの転向者の月詠人。人間の姿の時はメガネをかけている。葉月を城に戻すために、森丘耕平らのもとにやってきた。「悪魔使い」と呼ばれており、人間世界に実在化した悪魔を召喚することができる。葉月が結界から外に出て自由になったのを羨ましく思っており、彼女の主人であるキンケルを倒そうと考えていた。 キンケル亡き後は自由を手に入れ、森丘耕平の祖父、御堂竜平のもとで暮らす。御堂竜平と仲良くなった後、彼と契約を交わす。

ハインリヒ=フォン=キンケル (はいんりひふぉんきんける)

金髪の男性の月詠人。普段は名門貴族の一員で、独特の光彩の表現方法で評価の高いオカルト宗教画の大家を名乗っている。葉月を連れ戻すためにドイツからやってきた。葉月の母親の姿で、葉月を誘拐。光を屈折させることで幻覚を生み出したり、姿を消すことができる。また服従させた人間に絶対的命令を下す力も持っており、森丘耕平の同僚、安西裕美を操っていた。 自分に注ぐ太陽の光を曲げて、吸血鬼でありながら日中に行動ができるデイ・ウォーカー。

御堂 竜平 (みどう りゅうへい)

森丘耕平と御堂成児の祖父。符術で式神を呼び、相手の心を操ることが可能な霊能力者で、骨董品店「マルミ堂」の店主。森丘耕平と葉月の境遇を知り、助けの手を差し伸べる。幼いころ霊視能力が高すぎた森丘耕平の身の危険を案じて、彼の能力を封印している。葉月を連れ戻すためにやってきたエルフリーデの過去を聞いて、仲良くなるも大怪我を負ってしまう。 そこでエルフリーデと契約。生きながらえて、月詠人と戦っていた森丘耕平と葉月を助けに行く。

御堂 光 (みどう ひかる)

石峰町の布津神社で働く巫女。御堂成児の婚約者とされている。御堂薫の姉。おかっぱの髪型をしている。幼いころ事故に遭い、回復してから反射速度も力も明らかな異能レベルに達する身体能力を身につけた。格闘技にも長けており、葉月と互角に戦えるまでになっている。葉月とはそりが合わず、喧嘩が多い。 森丘耕平いわく「似た者同士」。森丘耕平の婚約者である妹の御堂薫が、葉月と森丘耕平が仲のいいのを見て悲しんでおり、そのことを見て悩んでいた。

御堂 薫 (みどう かおる)

森丘耕平の婚約者とされている。石峰町の布津神社で働く巫女。おかっぱの髪型でメガネをかけている。普段はほとんどしゃべらないおとなしい少女。森丘耕平のことを好いている。身体能力は高くない。森丘耕平が霊能力を取り戻してからは、「心話」で会話が可能になる。無名島に住む月詠人のフレイアに血を吸われてしまう。

御堂 弥生 (みどう やよい)

御堂家の裏本家の初代当主。御堂光と御堂薫と共に住んでおり、周囲からは「鬼御堂」と呼ばれている。森丘耕平の祖父である御堂竜平の父親であるにもかかわらず、30年前から見た目が変わっていない。森丘耕平が霊能力を身につけて戦いたいというのを聞き、修行の師匠として彼をしごく。 森丘耕平の生い立ちや能力を知っている人物。強力な霊能力の使い手で、符術などを駆使して結界を張るのを得意とする他、式神による攻撃等も行う。吸血鬼たちの侵攻を防ぐために無名島に森丘耕平たちを連れて行く。

まりお

アルトに仕える月詠人の一人。刈り上げの青年の姿をしている。葉月の母、清音の下僕。清音が彼を月詠一族に加えたため、その娘である葉月の方を、妹のアルトよりも大切に思って行動している。そのためアルトに嫌われることもある。しかし、月詠人であるアルトへの忠節は守っている。

アルト

葉月の異母妹。ショートカットの人形のような少女。父親にはアルテミスと呼ばれている。普段は無口で無表情。巨体のバルガスと魔従眼を持つジェダを引き連れている。バルガスに乗って移動することが多い。影を自在に操って形にすることができ、武器として影鎌(シャドウサイズ)で攻撃する。葉月を連れ帰るために、布津神社にやってきて、無邪気に森丘耕平や葉月を弄んだ。 バルガスに慕われている。ルナ(葉月)の代用品として扱われていることに強いコンプレックスを抱いている。

バルガス

まりおとアルトに従う、怪力を持つ吸血鬼。腕を4つに生やすことができ、三つの目を持つ。再生能力に長けていた。アルトの世話係として、身を挺して彼女を守っていたが、ジェダに殺され、能力を吸収されてしまう。

ジェダ

まりおに従う、魔従眼で相手を操ることのできる傀儡師。バルガスを殺して彼の再生能力を取り込み、自らの力に変えてしまう。バルガスの代わりにアルトの世話係になる。

フレイア

無名島に住む月詠人。御堂薫の血を吸って彼女を操り、復活した。身体の中に葉月の父親のコピーを取り込んでいる。倒しても倒しても死なず、強力な呪術によるかまいたちで葉月を苦しめる。

マリア

無名島にいた月詠人。無明様と呼ばれている。フレイアを産んだ吸血鬼で、千年近くミイラになっていたところを御堂光の血を吸って復活、フレイアと戦う。御堂光の主として、彼女には優しく接している。アルトの母親によって倒されてしまう。

その他キーワード

月詠人 (みすとれす)

『月詠』に登場する用語。人間ではない、吸血鬼的存在。葉月のように両親ともに月詠人の純血種「ブルーブラッド」と、エルフリーデのように主に認められることで月詠人になる「転向者」が存在する。それぞれの間に上下関係が厳しく設けられており、対等な友人関係はほぼ存在しない。相手の血や肉を喰らい、その能力を自分のものにする「能力喰い」として、あらゆる能力を蓄積し続けることで、様々な能力を身に付ける。 太陽の光には弱いが、葉月のように日光を浴びても平気なデイ・ウォーカーも存在する。

アニメ

月詠 -MOON PHASE-

撮る写真がなぜか心霊写真になってしまうカメラマンの森丘耕平は、ドイツの古城を取材で訪れた際、ヴァンパイアの少女、葉月と出会う。幽閉状態から脱出しようとしていた葉月は、森丘耕平の血を吸ってしもべにしよう... 関連ページ:月詠 -MOON PHASE-

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