概要・あらすじ
夜を守る神、月読命は敬愛する姉の天照大御神からの呼び出しを受けて姉のもとへ赴く。そこに弟である須佐之男命が、血にまみれた猪豚を持って現れる。姉上の好物である猪豚の肉を持って参上したと言うのだ。肉など好まぬと、赤面して否定する天照大御神。姉に冷たくあしらわれた須佐之男命は、割れ鐘のような大声で赤子のように泣きじゃくるのだった。
そのいざこざで、月読命は姉との会見がかなわなくなる。月読命は、天照大御神が自分には冷たく、愚か者である弟の須佐之男命のほうを可愛がることに大きな不満をつのらせていく。やがて月読命は、天照大御神と須佐之男命の禁断の秘密を目にしてしまう。
登場人物・キャラクター
月読命 (つくよみのみこと)
夜を守る月の神。青白い肌の男性。目つきが鋭く、表情が暗いため、子供たちからは恐れられている。姉である天照大御神を慕っている。
天照大御神 (あまてらすおおみかみ)
太陽を司る女神。黄金の輝きを持つ肌の美しく、気高い神。月読命、須佐之男命の姉。日中は忌服屋(いみはたや)にて、神御衣(かんみそ)を織っている。一人称は「わらわ」。
須佐之男命 (すさのおのみこと)
天照大御神、月読命の弟。赤胴色の肌を持つ。童顔だが、手のつけられぬ悪童。天照大御神を慕っており、姉に嫌われると子供のように泣きじゃくる。
保食神 (うけもちのかみ)
豊穣の神。太った女性。天照大御神からの頼みで新種の種をもらい受けに来た月読命を酒や食事で歓待する。しかし、食物を作るところは決して誰にも見せない。