あらすじ
第1巻
ファッション雑誌「LouieLouie」の編集部に異動でやって来た花月カヲル、天神博多、大勝ケンの三人は、デスクの斑鳩九一郎のもと、「LouieLouie」編集部で「C班」というチームを組む事になった。しかし花月は盆栽雑誌、天神はスポーツ雑誌、大勝は映画雑誌と、それぞれファッションとは無縁な雑誌を作っていたため、「LouieLouie」編集部ではまともな戦力にならず苦労する日々を過ごしていた。そんなある日、花月は表参道で「取材」と称したウィンドウショッピングを命じられる。やむなく表参道に向かった花月は、そこでとある少女と出会い、行動を共にする事となる。その少女の正体は「LouieLouie」の編集長・三越涅無であった。超絶アンチエイジングの結果、少女のように見えるにもかかわらず実年齢が43歳という事を知り、花月は大いに驚愕する。
第2巻
「LouieLouie」編集部に異動となった花月カヲルは、天神博多、大勝ケンと共に「C班」を組み、日々慣れないファッション業界で悪戦苦闘を続けていた。だが、女性に縁のない生活をこれまで続けて来た三人は、「LouieLouie」編集部でも少しずつ煙たがられるようになる。そんな彼らを見かねたC班デスクの斑鳩九一郎は、彼らに「研修」と称して社交ダンスのレッスン場へと連れて行く。そこで彼らを待っていたのは、ダンスの講師・庵田ルシアだった。ルシアは、斑鳩に頼まれて花月達に「女性とは何か」をレクチャーする。ルシアのレクチャーを経た花月達は、その後ファッション業界の人が集まるイベントへと参加する。そこで偶然同じ高校だった庄山レナと再会した花月は、その場を乗り切り、自身のレベルアップを実感した。翌日、花月達は「LouieLouie」の編集長・三越涅無に連れられて、同じ会社の別雑誌編集部へとやって来る。その雑誌「Zappa」は、「LouieLouie」とは正反対のサブカルチャー系雑誌であり、編集長の松坂最我は涅無とは犬猿の仲だった。
第3巻
少しずつファッションについての理解も深まって来た花月カヲル達は、「LouieLouie」の編集長である三越涅無から、新たなトレンドを作り出すための企画を立てるように指示を受ける。花月と天神博多、大勝ケンの三人は、これまでのファッション業界での生活で得た知識をフル活用し、新たなファッションのトレンドは「ちゃんちゃんこ」であるという企画を立てる。副編集長の数奇屋エリカは、そんな企画では「LouieLouie」の沽券にかかわると却下するが、大勝が誤ってその情報をSNSに流してしまい、結果的に「LouieLouie」が「ちゃんちゃんこ」を新たなファッショントレンドとして発信した事になってしまう。この事態に花月達は謹慎処分となり、会社にも居場所がなくなってしまう。苦悩の末に花月は、「ちゃんちゃんこ」を本当に新たなファッショントレンドにするための方法を考え始める。
登場人物・キャラクター
花月 カヲル (かげつ かおる)
盆栽雑誌の編集部からオシャレ系ファッション雑誌「LouieLouie」編集部に異動になった男性。端正な顔立ちをしているため、学生時代には庄山レナをはじめ女性からそこそこ人気があった。しかし、私服のファッションセンスが壊滅的なため、デートのたびにふられていた。その結果、女性恐怖症となり、現在では至近距離に女性が近づいただけで、逃げ出してしまう体質になっている。 「LouieLouie」編集部では天神博多や大勝ケン、斑鳩九一郎と共に編集部内の「C班」として雑務に従事し、少しずつファッションについての理解を深めていく。
天神 博多 (あまがみ ひろた)
スポーツ系雑誌の編集部から「LouieLouie」編集部に異動になった男性。花月カヲルや大勝ケン、斑鳩九一郎と共に編集部内のC班として雑務に従事する。女性にまったく無縁の生活を送って来た反面、スポーツには造詣が深く、特にボクシングに関しては相当な知識を持っている。学生時代には運動部所属だったため体育会系の気質があり、ファッション業界にも体当たりでぶつかっていく。
大勝 ケン (たいしょう けん)
映画系雑誌の編集部から「LouieLouie」編集部に異動になった男性。花月カヲルや天神博多、斑鳩九一郎と共に編集部内のC班として雑務に従事する。映画に関する知識はかなりのもので、これまで見た映画の数は1000本を超える。ハリウッドの有名作品はもちろん、メキシコなどのややマイナーな国の映画にも深い知識を持っており、サブカルチャー系雑誌「Zappa」の編集長である松坂最我もその知識を認めていた。 天神と同じく女性に無縁の生活を送っており、社会人となった現在もなお、バレンタインのチョコレートは母親からしかもらった事がない。
斑鳩 九一郎 (いかるが くいちろう)
ハードコア系アダルト雑誌の編集部から「LouieLouie」編集部に異動になった男性。花月カヲルや天神博多、大勝ケンと共に編集部内のC班として雑務に従事する。社内恋愛のプロフェッショナルとして数多くの女性達と浮名を流しているものの、服は「脱がせる」事が基本のためファッションに関しての知識は皆無。 毎日必ず定時に退社して、庵田ルシアの社交ダンスのレッスンに通っている。「LouieLouie」編集長の三越涅無とは同期入社だが、これまでいっしょに仕事をした事はなかった。
中野 青葉 (なかの あおば)
「LouieLouie」編集部でアルバイトとして働く女性。ファッション雑誌の編集部で働いてるだけあって、ファッションについての知識が非常に高く、周囲への気配りもできる。花月カヲル達のC班に対しても気さくに接するため、花月達にとっては最も気軽にファッションに関する質問をできる存在でもある。花月の事を憎からず思っており、花月の私服のセンスが悪い事を逆手にとって、いっしょに服を選ぶという口実でデートをセッティングした。
数奇屋 エリカ (すきや えりか)
「LouieLouie」編集部で副編集長を務める女性。キャリアウーマンとして仕事第一の日々を過ごしており、編集部内でも「鬼の副編集長」として恐れられている。ファッションに関しては厳しい審美眼と確かな知識があり、「LouieLouie」がファッション業界をリードする雑誌であるというプライドを持っている。
三越 涅無 (みつこし ねむ)
「LouieLouie」編集部で編集長を務める女性。実年齢は43歳ながら、常軌を逸したアンチエイジングの結果、小学生のような容姿をしている。鬼の副編集長と呼ばれる数奇屋エリカですら、三越涅無に対しては頭が上がらない。花月カヲル達を編集部に異動させたのは彼女の要望によるところが大きく、これまでまったくファッション業界には無縁の存在だった花月達の発想に期待している。
松坂 最我 (まつざか もが)
サブカルチャー系雑誌「Zappa」編集長の女性。自身の事を「ボク」と名乗り、オシャレ系のファッションを発信する「LouieLouie」とは真逆のトレンドを発信している事から、「LouieLouie」の編集長である三越涅無とは犬猿の仲である。社内でのミスをフォローしてくれた斑鳩九一郎の事が好きになり、その後は半分彼のストーカーのようになっている。
庵田 ルシア (あんだ るしあ)
斑鳩九一郎が通う社交ダンスのレッスンで講師を務める女性。レッスンではつねに露出の高い服装をしており、彼女を前にした大勝ケンは、獰猛な肉食系女子だと評した。初対面の花月カヲル達に女性とは何かについてのレクチャーを行い、彼らの質問にはすべて応じるなど、面倒見のいい性格。
庄山 レナ (しょうやま れな)
ファッション業界の報道を担当している女性。高校時代に花月カヲルと同じ学年で、彼をデートに誘ったところファッションセンスの無さに絶望し、デート開始前に姿を消したという過去を持つ。ファッション業界の関係者が集まるイベントで偶然花月と再会し、中野青葉にコーディネートしてもらった花月の服装で彼を見直す。その後は花月がかかわっている「LouieLouie」についても注目している。
ジョーイ・ニコルソン (じょーいにこるそん)
世界的なカメラマンの男性。ファッション業界の関係者が集まるイベントで花月カヲルと出会う。花月の持つ佇まいと服装から和風のイメージを感じ取り、自身のSNSで公表した事から、一躍「LouieLouie」が業界でも注目を集めるきっかけとなった。
集団・組織
C班 (しーはん)
「LouieLouie」編集部の編集長・三越涅無の提言によって集められたチームで、斑鳩九一郎がデスクを務める。雑誌の企画立案に始まり、イベントの設営やファッションモデルの接待、業界への取材など業務内容は多岐に渡る。
その他キーワード
LouieLouie (るいるい)
オシャレ系ファッション雑誌。20代の女子大学生やOLなどを購買対象とした、いわゆる赤文字系雑誌。編集部もメインターゲットである世代の女性で構成されており、男性スタッフは斑鳩九一郎をデスクとするC班のみ。編集長は三越涅無が務めている。
Zappa (ざっぱ)
サブカルチャー系ファッション雑誌。「LouieLouie」と同じく購買対象は20代の女性だが、「LouieLouie」がオシャレ系のファッションを取り扱っているのに対し、「Zappa」は個性的なファッションで同性受けを狙った、いわゆる青文字系雑誌。編集長は松坂最我が務めており、「LouieLouie」編集部とはなにかと張り合っている。
書誌情報
服なんて、どうでもいいと思ってた。 3巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉
第1巻
(2015-02-23発行、 978-4040672694)
第2巻
(2015-07-23発行、 978-4040675596)
第3巻
(2015-12-22発行、 978-4040678641)