概要・あらすじ
登山を愛する男加賀山峻は、谷川岳を下山している途中、山頂を目指す若い女性千堂椿と出会う。山には似つかわしくない喪服姿の椿を見かねた加賀山は、山頂まで同行する事に。道中、彼女が山に登ろうとする理由を加賀山は知る。彼女は登山が好きだった夫を亡くしたばかりの未亡人。遺品整理中に、夫が登山ルートを記したメモを見つけた彼女は、生前の夫の事を知るために山に登っていたのだった。登頂後、椿は加賀山に、次の登山にも同行してくれるよう頼みこむ。あまり快く思わなかった加賀山だったが、登山初心者が遭難でもしたら困るという事で仕方なく了承する。しかし、各地の山を椿とともに巡っているうちに、かつて加賀山が抱いていた「登山は一人で楽しむもの」という考えにも変化が訪れるようになるのだった。