未来人カオス

未来人カオス

親友に裏切られ、辺境の惑星へと送られてしまった須波光二の、惑星を股にかけた波乱万丈な人生を描いたSF作品。「週刊少年マガジン」1978年4月16日号から1979年1月1日号にかけて掲載された。

正式名称
未来人カオス
ふりがな
みらいじんかおす
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

宇宙移民局の幹部を育成する、世界に3校しかない銀河総合学院への入学を目指していた須波光二と親友の大郷錠。ともに4次試験までを突破し、運命の5次試験を迎えようとしていたある日、錠は謎の組織に拉致され、仮面の男から銀河総合学院への合格と引き換えに、光二を殺害するように脅迫されてしまう。はじめは頑として応じなかった錠だったが、恋人の由利アンヌの心が光二に移ったことと、自身が5次試験に落ち、光二が合格したことで、嫉妬心が爆発。

光二殺害の依頼を承諾し、レストランで光二を殺害してしまう。しかし、殺害されたはずの光二は、由利アンヌのクローンによって、謎の宇宙人・オパスのもとに連行され、そこで生き返ることに成功。無二の親友の裏切りに激高し、復讐を誓った光二は、手を尽くして地球へと戻る。

しかし、地球では光二殺害の日から10年の歳月が経過しており、宇宙移民局の局長となった錠によって、光二は思想犯を収容する星・バカラ・サテライトへと送られてしまう。奴隷のような境遇の中でも希望を捨てない光二は、囚人仲間のエランバとともに施設からの脱出を試みるのだった。

登場人物・キャラクター

須波 光二 (すなみ こうじ)

黒髪をした地球人の青年。頭が良く、弁舌と商売の才能に恵まれた優秀な人物で、宇宙関連の役人になるために銀河総合学院への入学を目指していた。しかし、試験の合格後に、幼なじみで親友の大郷錠に裏切られ、ナイフで刺されて命を落としてしまう。オパスの力で蘇り、錠に復讐するために地球へと戻った。しかし、宇宙移民局の局長に出世していた錠によって、罪人として辺境の惑星・バカラ・サテライトに送られてしまう。 その後はバカラ・サテライトで出会ったさまざまな宇宙人と友情を育みながら、たくましく生き延びていく。生存能力と決断力にも優れているが、若干頭に血が上りやすいのが玉に瑕。生き返った後は、髪の毛が茶色に変わり、ウサギの耳のように逆立つようになった。 バカラ・サテライトの所長から、奴隷として「カオス」と名付けられる。宇宙人を相手にする商売人となり、地球を捨ててからは、その名を自称するようになる。

大郷 錠 (だいごう じょう)

金髪をした地球人の青年。須波光二の親友で、銀河総合学院への入学を目指していたが、謎の組織に拉致され、銀河総合学院の合格と引き換えに、光二を殺害するように脅迫されてしまう。恋人の由利アンヌが試験に合格した光二に心を移し、大郷錠自身が試験に落ちたことで、光二の殺害を承諾。レストランで彼を殺害してしまう。その後は若くして宇宙移民局の局長まで出世し、辣腕を振るうことになった。 10年後、復讐のために地球に戻って来た光二に驚愕し、囚人を収容する星・バカラ・サテライトへと彼を送り込む。増え続ける地球の人口を憂いており、1人でも多くの人間を、宇宙移民として体よく追い払おうと画策している。

由利 アンヌ (ゆり あんぬ)

地球人の美少女。年齢は17歳。気が多く、打算的な性格をした女性。大郷錠の恋人だったが、銀河総合学院の試験に受かりそうな須波光二に鞍替えして結婚を迫り、錠が光二を殺害する原因を作ってしまう。光二の殺害後は、宇宙移民局の局長となった錠の恋人として、彼を頼る日々を過ごす。老人星に送られそうになっていた両親を、地球に留めおくように、錠に依頼していた。

由利アンヌのクローン (ゆりあんぬのくろーん)

オパスが遣わしたクローン人間の女性。由利アンヌにそっくりな容姿をしている。オリジナルのアンナより背が低く、グラマーになっているのが特徴。超能力の使い手で、料理を作ったり、瞬間移動することができる。命を狙われている須波光二を守るために、ガードウーマンとしてまとわりついていたが、目を離した隙に光二を殺害されてしまう。

オパス

謎の宇宙人。性別は不詳だが、人間の女性に似た姿をしている。卓越したクローン技術を持っており、大郷錠に殺害された須波光二を、クローン人間として蘇らせていた。とある理由から光二を守ろうとしており、由利アンヌのクローンを作り出し、ガードウーマンとして遣わしていた。一見すると人間のような見た目をしているが、これは地球人の光二を驚かせないためで、相手に合わせて自在に姿を変えることができる。 実は宇宙を作った偉大な存在のうちの1人。

ジダール

宇宙を放浪している浮浪者の男性。マユと一緒に商売を始めた須波光二の宣伝通信を聴き、バカラ・サテライトにやって来た。浮浪者には似つかわしくない立派な体格をしている。もともとは惑星「ダフネス」で将軍を務めていたが、仕えていた先代の王が女王に追放され、妻子も皆殺しにされたため、星を離れて放浪者となった。 大郷錠たちの侵攻で危機に陥った母星を救うため、光二やコジキ仲間と共にダフネスへと乗り込む。誇り高い性格で、二君に仕えないという志を持つ高潔な騎士。ダフネスでクーデターを起こす際、光二に対して「宇宙一の商人になってみろ」と発破をかけていた。

エランバ

バカラ・サテライトに送られていた囚人の男性。落ち着いた性格をした筋骨隆々な巨漢で、同じく囚人となった須波光二と友情を育む。故郷のローデシアで親友に密告され、無実の罪で囚人となってしまった過去を持つ。自分と似たような境遇であり、過酷な環境でも希望を捨てようとしない光二に、何かと力を貸してくれていた。

ムーザル

宇宙船の事故でバカラ・サテライトに不時着した宇宙人。耳の大きい獣のような姿をした「ボーカ星人」。飢えと乾きに苦しみ、須波光二のいる施設に忍び込んでいたが、光二に見つかって捕らえられる。独房に閉じ込められていたが、悪意がないことを理解した光二によって解放され、一緒に暮らすようになった。頭脳明晰で、光二が組んだ設計図面の間違いを、一目見て修正できるほど高い知性を誇る。 故郷に「トハ」という恋人がいる。

ベデルゴの女王

とある惑星に住んでいる生命体の体に寄生して育つ生物の女王。本来の宿主である山椒魚型の宇宙人が絶滅してしまったため、惑星を訪れる生物をもてなした後に捕らえてタマゴを産み付け、繁殖していた。種としての未来を悲観しており、巣を訪れた須波光二に娘のマユを託し、環境のよい惑星に住まわせるように依頼する。

マユ

とある惑星に住んでいるベデルゴの女王の娘。滅びつつある種としての現状を憂いた母親の計らいで、自分たちを退治に来た須波光二と、別の惑星に行くことになった。テレパシー能力を持ち、対象の脳波から知識や記憶を調べることができる。光二の体にタマゴを生みつけようとしたが、彼が未成年だったので成人するまで待つことにした。 脱皮を繰り返して成長し、背中に生えた羽根で飛翔もできる。

奇本 (きもと)

口髭と顎髭を生やした中年男性。学生だった大郷錠を拉致し、仮面の男に引き合わせて、須波光二を殺害させた人物。10年以上が経過してから、錠の前に再び姿を現し、友情など無用なことを証明するために、実験台として彼に光二を殺害させたことを語る。強力な念力の使い手。実は宇宙を作った偉大な2人の片割れの配下。

脾藤 狂心 (ひどう きょうしん)

暴力組織「狂心会」の大親分。「地球武装主義連盟」の首領も務めている男性。総理大臣すら恐れるという裏社会の権力者で、惑星「ダフネス」で作られた最終兵器ドギスを欲しており、大郷錠にダフネスまで取りに行くように依頼する。本来は老人星に送られる年齢だが、手を尽くしてまぬがれている。裏切り者には一切容赦しない冷酷非情な性格。

小郷 千鶴 (こごおり ちづる)

地球人のうら若き女性。脾藤狂心と面会した大郷錠が帰りの道すがら、チンピラに襲われている千鶴を救ったことがきっかけで知り合う。御礼として錠にケーキを贈るなどして、彼と懇意になる。実は「地球武装主義連盟」や狂心に反対するグループの一員で、錠の乗るロケットに爆弾をしかけ、彼を亡き者にしようとしていた。

女王

惑星「ダフネス」を支配する女王。厚化粧と強烈な香水の匂いを漂わせる俗悪趣味な女性。先代の王を追放して国の実権を握った野心家で、王に仕えていた将軍・ジダールの家族を皆殺しにしている。ダフネスに侵攻して来た大郷錠たちに、あっさり最終兵器ドギスを渡してしまい、救援に来たジダールを落胆させていた。須波光二を気に入り、小姓として手元に置こうとする。

オリビヤ

惑星「ダフネス」の王女。ヤリキレネアという宇宙人から買った、知能を高くする薬を飲まされた副作用で、体が馬に変わってしまう「ケチャ症状」という病にかかってしまった。心優しい性格をしており、悪政と暴虐の限りを尽くす女王に逆らい、須波光二とジダールのクーデターに協力する。

閻魔 (えんま)

脾藤狂心の配下の男性。最終兵器ドギスを奪うため、惑星「ダフネス」に侵攻するロケットに乗り込んでいたクルーの1人。あくどい面構えをした巨漢で、船長である大郷錠の命令にしたがわず、他のクルーと一緒にロケットを乗っ取った。ダフネス到着後はリーダーとしてクルーを率い、現地の軍隊と交戦する。

ボス

チンピラのリーダーの男性。マユと一緒に商売を始めた須波光二の宣伝通信を聴き、彼らを痛めつけようとバカラ・サテライトまでやって来た。不機嫌になると、見境なしに人を殺す発作を起こしてしまう危険なタイプ。光二に重傷を負わせ、マユを焼き殺そうとしたために、ジダールによって退治された。

イロン

惑星「ダフネス」に住んでいる背の低い老人。もともとはジダールに仕えていた従卒の男性で、今は女王の体制化で牢番をしている。女王に捕らえられたジダールからクーデターの計画を聞き、反乱軍に加わる兵士を集めていた。

リガ星人

猫のような姿をした二足歩行の宇宙人の女性。飢えで苦しむ故郷の星を救うため、大量の食料を須波光二から買い付けていた。強力な念力の使い手。交易所あらしに襲われ、買い付けた積荷を盗まれてしまう。

須波光二のロボット

光二に良く似た姿をしたロボット。バカラ・サテライトで1人ぼっちとなってしまった須波光二が、寂しさを紛らわすために施設内のガラクタを寄せ集めて作った。作られた当初は、オウム返しレベルの会話しかできなかったが、光二の言動を学習し、人間のようなやり取りができるようになる。

所長

囚人を収容する惑星・バカラ・サテライトの所長を務めている男性。地球から送られた囚人たちを奴隷扱いして、過酷な環境でイリジウムを採掘させている。残虐な性格をしており、囚人には古い道具でイリジウムの採掘をやらせたり、1人につき1週間で2ℓの水しか渡さないなど、死ぬまで徹底的に働かせようとしていた。

場所

バカラ・サテライト (ばからさてらいと)

前科者や思想犯を収容し、強制労働に従事させる惑星。1周がわずか50kmしかなく、日射量が地球の3倍ある灼熱の星。水が貴重品となっており、囚人には1週間で2ℓの水しか与えられない。大郷錠によってバカラ・サテライトに送られてしまった須波光二は、ここを拠点として宇宙を股にかける商売人となった。

その他キーワード

最終兵器ドギス

星ひとつを原子分解するほどの威力を誇る超兵器。惑星「ダフネス」の女王が作ったもの。あまりにも強力すぎたため、それを欲した脾藤狂心が送り込んだ地球人の精鋭部隊によって狙われてしまう。

ケチャ症状

体が馬のように変形してしまう症状。ヤリキレア星人が作った知能を高める薬の副作用で起こる。惑星「ダフネス」の女王が薬を大量に買い付け、自国民やオリビヤに飲ませていたため、多くの国民がこの症状に苦しんでいる。

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