東京アリス

東京アリス

稚野鳥子の代表作「東京アリス」シリーズの第1作。現代の東京を舞台に、デザイン制作会社に勤めるOLの有栖川ふうと三人のアラサー同級生との交流やショッピングを中心に、四人の恋模様を描いた独身生活ドラマ。性格や家庭環境の違う四人は独自の恋愛観を抱きつつも、結婚に向けて邁進(まいしん)する姿が大きな見どころとなっている。講談社「Kiss」で2005年No.21から2015年10月号にかけて連載の作品。2009年5月8日から17日まで、全労済ホールスペース・ゼロで朗読劇が公演された。有栖川ふうを石川梨華、円城寺さゆりを吉澤ひとみが演じている。2017年8月にはAmazonプライム・ビデオで実写ドラマが配信され、有栖川ふうを山本美月、円城寺さゆりを朝比奈彩が演じている。

正式名称
東京アリス
ふりがな
とうきょうありす
作者
ジャンル
キャリアウーマン
 
ラブコメ
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
全15巻完結
関連商品
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有栖川ふうと、個性的な三人の同級生

給料のほとんどをショッピングにつぎ込む主人公の有栖川ふうは、生粋の令嬢ながら生活を束縛されている円城寺さゆり、クールな性格の心療内科医、桜川理央、親の反対を押し切って少女漫画家になった羽田みずほの三人と幼なじみのアラサー女子。ふうにとって彼女たちは非常に大切な存在で、現在もいっしょに遊びに行ったり、お互い相談し合えるような良好な関係を築いている。三人もまた、ふうに強い信頼感を抱いており、中でも理央は同性ながらかつてふうにほのかな思いを抱いていたほど。

アラサー同級生四人組の恋愛模様を描く

有栖川ふうと三人の幼なじみは、全員が未婚で物語開始時は心に決めた恋人はいなかったが、ふうが同僚の奥薗慎二に思いを寄せるようになったことをきっかけに、ほかの三人もそれぞれの恋に真摯に向き合うようになる。しかし、四人は恋愛に対して不器用な一面を見せることが多く、特にふうは中学時代から現在に至るまで恋愛の経験がまったくないことから、中学生さながらの世間知らずな言動を見せる。しかし、その熱意は友人たちにとって心強く映るようで、ふうの行動によって友達の恋が進展することも多い。

有栖川ふうのショッピング事情

有栖川ふうはショッピングが趣味で、時にはボーナスをほぼ使い切るほどの買い物依存症。特にシャネルのバッグを買うことに強い意欲を燃やしているが、そのチャンスに恵まれずにいる。シャネルのバッグに執着する理由は、中学生時代に父親から冗談で「10キロのダイエットに成功したら、シャネルのバッグを買ってやる」と言われ、その言葉に奮起してダイエットに成功したものの、結局父親からバッグを買ってもらえなかった。この経験から欲しいものは自分の力で手に入れるべきという考えに至り、現在の買い物依存症気味な性格が形成された。

登場人物・キャラクター

有栖川 ふう (ありすがわ ふう)

音楽関連のデザイン制作会社「ライズミュージックコミュニケーションズ」に勤務する女性で、年齢は26歳。ストレートな物言いながらも相手に気遣いのできる前向きな性格で、困っている人を放っておけない一面を持つ。中学時代は太っていたが、ダイエットで10キロもの減量に成功し、現在はスレンダーな体型を維持している。趣味はショッピングながら買い物依存症気味で、時には高額な請求書が送られてくることがある。職を転々とし、冗談半分に金を借りようとする父親にあまりいい感情を持っていない。一方で、母親とはお互いの買い物の成果を報告し合うなど、非常に仲がいい。父親の影響から軽い男性不信に陥っており、恋愛にもあまり興味を持てずにいた。そんな中、ふとしたきっかけで同僚の奥薗慎二と親しくなり、やがて彼に惹(ひ)かれていく。

円城寺 さゆり (えんじょうじ さゆり)

銀座の画廊に勤務する女性。年齢は25歳。有栖川ふうとは中学の同級生で、現在も親交が深い。青山の根津美術館近くの屋敷に住んでいる令嬢で、本来は働く必要がないが、英語が堪能なことから外国人相手の接客を担っている。一家の主である祖母に生活を保障されているが、円城寺家の家訓から結婚相手は東大出身の男性に限定されているなど、さまざまな束縛を受けている。当初は、その家訓を仕方のないことだと割り切って結婚したが、ふうからの助力を受けて結婚式を抜け出し、本当に思いを寄せている翡山晃央のもとに走った。

続編

東京アリスgirly (とうきょうありすがーりー)

稚野鳥子の『東京アリス』の続編。前作の主人公、有栖川ふう(奥薗ふう)が結婚してから10数年後、成長した娘の奥薗里糸が、学園生活の中で初めての恋に心揺れ動く姿を描いた、ハートフルラブストーリー。前作に登... 関連ページ:東京アリスgirly

書誌情報

東京アリス 全15巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2006-09-13発行、 978-4063406092)

第15巻

(2015-09-11発行、 978-4063409673)

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