概要・あらすじ
東京で就職難に陥った山瀬登望は、高校の先輩である恩田留海を頼って香港に行くことを決意した。しかし、広東語を話すことができない登望は、どこへ行っても門前払いされてしまう。そんななか、留海の口利きで鄭鋭健が社長を務めるデザイン会社に入社する。こうして登望の香港でのOL生活がスタートし、彼女は厳しくも公正な鋭健に惹かれていくこととなる。
登場人物・キャラクター
山瀬 登望 (やませ とも)
大学を卒業した後、どこの会社にも就職できずにいた24歳の女性。先輩である恩田留海に憧れていて、留海のいる香港へと旅立つことを決意した。根は真面目だが、空回りすることが多い。香港で自分を雇ってくれた鄭鋭健に想いを寄せているが、彼には常時不特定多数の女性がいることを知り、告白できずにいる。
鄭 鋭健 (ちぇん よいきん)
デザイナー会社を経営し、自らデザインも担当する香港の若きクリエイターの男性。山瀬登望の雇い主でもある。他にも従業員として、智霖やジェニスを抱えている。優しい性格だが、広東語がまともに使えない登望に対して厳しく接することもある。褒める時はちゃんと褒めてくれ、登望にとっては良き雇い主。
恩田 留海 (おんだ るみ)
山瀬登望が高校でフェンシング部に所属していた時の先輩。登望より一足先に香港に住んでおり、英語と広東語を話せるためバリバリのOLとして活躍している。鄭鋭健とは良き友人。登望のことを心配していたが、登望が本格的に鋭健のもとで働くようになった後は、仕事でロンドンへ移住する。
宇野 宙子 (うの ひろこ)
山瀬登望の大学時代の友人の女性。お金持ちの親のすねをかじって過ごしており、いつもブランド品に囲まれている。容姿端麗な男性に目がなく、鄭鋭健のことを狙って香港に移住し、彼の職場へ半ば押しかけてきた。登望はあまり彼女のことが得意ではない。
智霖 (めーらむ)
鄭鋭健が経営しているデザイナー会社の従業員。野暮ったい印象を与えるが、優しいフェミニストの男性。山瀬登望に想いを寄せているが、彼女が鋭健のことを好きなことも知っている。しかし、それにもめげずに登望にアタックを仕掛けている。
ジェニス
鄭鋭健が経営しているデザイナー会社の従業員。姉御肌の女性。バリバリ仕事のできるOLで、デザインなども一部担当している。山瀬登望のことは好きだが、鋭健と智霖の間で恋のもめごとを起こさないかと心配している。
トニー
鄭鋭健とルームシェアをしている男性。よく女性を家に連れ込んでおり、その様子を山瀬登望にしばしば目撃されている。気のいい男性だが、こと女性に対しては見境がない。登望のことは鋭健が気に入っていると知っているため、手を出さないでいる。
リンダ
鄭鋭健の義理の妹。陽気な性格で、よく鋭健にまとわりついている。鋭健の住むマンションに足を運んでは、その様子を山瀬登望に目撃されている。これにより、登望は義理の妹ではなく恋人なのではないかと邪推しているが、リンダ自身はそのことも承知のうえで、特に気にしてはいない。
場所
香港 (ほんこん)
山瀬登望が憧れていた場所であり、現在の居住地。登望の雇い主である鄭鋭健や高校のフェンシング部の先輩の恩田留海が住んでいる。煌びやかなネオンと下町の風情が融合した新しい都市として、注目を浴びている。