山おんな壁おんな

山おんな壁おんな

東京の大型百貨店婦人バッグ売り場を舞台に、胸の大きな「山おんな」と、まっ平らな「壁おんな」の2人が仕事に奮戦する姿を描く、ハートフルなヒューマンドラマ。「イブニング」にて2005年から2010年にかけて連載された。2007年にフジテレビ系列にて実写ドラマ化されており、主人公の2人は、「壁おんな」の青柳恵美を伊東美咲、「山おんな」の毬谷まりえを深田恭子が演じた。

正式名称
山おんな壁おんな
ふりがな
やまおんなかべおんな
作者
ジャンル
キャリアウーマン
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概要・あらすじ

新宿に本店を構える最大手の講談百貨店で婦人バッグ売り場に勤務する青柳恵美は、毎月売り上げトップの成績を収め、接客も完璧なスレンダーな美人で、「一階の華」と呼ばれていた。唯一のコンプレックスはまるで壁のようにまっ平らな胸の、「壁おんな」であること。そんな青柳の職場に、閉鎖となった大江支店で売り上げトップの成績を収めていた毬谷まりえが異動してくる。

毬谷は、制服の胸のボタンが吹き飛ぶほど立派な胸を持つ「山おんな」だった。天真爛漫な毬谷は、クールな青柳とはまた違った魅力で職場の人間やお客様を魅了していく。青柳はそんな毬谷の実力を認め、その山のような胸を妬みつつも魅了されていく。さまざまな人々との出会いやトラブルに見舞われながらも、山壁コンビの2人は、仕事に奮戦してく。

登場人物・キャラクター

青柳 恵美 (あおやぎ めぐみ)

講談百貨店に勤務する28歳の女性。かろうじてAカップという胸がほとんどない「壁おんな」。一階婦人バッグ売り場のエースで、毎月売り上げトップの成績を収めている。接客も売り場展開の判断も常に的確で、全女性店員の憧れの的。女性が昇進しにくい職場だが、店長になるのが夢。北国生まれの北国育ちで子供の頃からスキーをやっており、一人で真冬のヨーロッパまで行くほど。 バストにはコンプレックスを持っており、まずはBカップを目標に自宅で毎日のバストアップ体操を欠かさない。彼氏はいるが、忙しくて疎遠になっており、密かに田村剛彦に憧れている。高級蒲鉾が大好物で、パクチーと納豆が苦手。野球はドラゴンズの熱狂的ファン。出身は青森県。

毬谷 まりえ (まりや まりえ)

講談百貨店に勤務する28歳の女性。制服のボタンが吹き飛ぶほど胸が大きい「山おんな」。講談百貨店の西大江支店が閉鎖されて、青柳恵美のいる本店に配属されてきた。いつか自分の好きなものばかりを揃えた自分の店を持つのが夢。バッグを愛しており、ただ売るだけではなく、お客様にしっかりとお気に入りの一品を選んでもらうことに喜びを感じている。 そのため、売り場のバッグが買われていくことを「おヨメにもらわれていく」という言い方をする。いつも笑顔で明るく、同僚からもお客様からも慕われている。食欲旺盛で何でも食べるが、みょうがだけは大嫌い。

田村 剛彦 (たむら たけひこ)

講談百貨店で販売部長を務める41歳の男性。胸の大きい妻がいる。仕事もデキて、頼りになる上司で、部下から慕われている。出世街道まっしぐらで、社運をかけた新館設立プロジェクトチームのチーフをまかされる。

吉野 可南子 (よしの かなこ)

講談百貨店のバッグ売り場に勤める女性で、青柳恵美の後輩。海外旅行と合コンのことばかり考えていて、仕事にはいまひとつ集中していない。新人として入社してきた社長の末娘である奥園薫子の教育係に指名され、頭を悩ませている。

上野原 猛 (うえのはら たけし)

講談百貨店で寝具SM(サービスマネージャー)を務める29歳の男性。昇進試験を最年少で突破してSMになった、仕事に熱い男。スキーが好きで、インストラクターの資格まで持っている。

奥園 薫子 (おくぞの かおるこ)

講談百貨店社長の末娘。22歳。語尾が「ですわ」で、何でも自分の思い通りになると思っている典型的なお嬢様タイプ。新入社員としてバッグ売り場に配属される。バストがBカップしかないことにコンプレックスを持っている。

奥園 五右衛門 (おくぞの ごえもん)

講談百貨店の社長。禿頭に眼鏡の男性。末娘の奥園薫子のことを可愛がっている。突飛な発想を好み、女性社員が水着を着用しての内覧会を企画したり、さまざまなイベントを実行する。また、目立ちたがりで、特別社長賞発表の社員用告知ポスターには自分の写真をデカデカと掲載している。

中久保 洋平 (なかくぼ ようへい)

講談百貨店で婦人バッグと小物のバイヤーを担当している36歳の男性。展示会での買い付けでは、青柳恵美のセンスに頼ることがある。柔和な人柄で、毬谷まりえのバッグへの愛情と熱意に押されてたじたじになることも。

小原 祥治 (おばら しょうじ)

講談百貨店でバイヤー課長を務める43歳の男性。髪が薄くオデコが広い。説教好きで、青柳恵美からは少し嫌われている。バイヤーとしての腕は確かで、のちに新館設立プロジェクトチームの一員に抜擢される。

毬谷 栄太 (まりや えいた)

毬谷まりえの弟で大学生。姉のブラジャーを姉の前で頭にかぶるようなお調子者で明るい性格。毬谷家を訪問した青柳恵美の美人っぷりに興奮し、年下の彼氏なんてどうですか?と挨拶するが、その場でフラれる。

葛沼 (くずぬま)

講談百貨店で5階家電担当の副部長。52歳の男性。役立たずのうえセクハラするということで、女子社員全員から嫌われている。田村剛彦が休暇の間、部長代理として一階のバッグ売り場も担当し、トラブルを引き起こす。

豊川 みさと (とよかわ みさと)

青柳恵美の同僚の女性社員。青柳と同じく婦人バッグ売り場を担当している。タラコ唇が特徴。大らかなアネさん気質の持ち主だが、嫌われ者の葛沼が部長代理として来ることを聞いただけで怒りで逆上してエレベーターのボタンを連打していた。

松原 徹人 (まつばら てつひと)

青柳恵美の後輩にあたる男性社員。女性ばかりの婦人バッグ売り場で物怖じせずに頑張っているが、青柳には頭が上がらない。いつも胸に関する余計なことを言ってしまい、青柳の怒りを買っている。自分でも数がわからないほど女にフラれ続けている。

森田 吾郎 (もりた ごろう)

奥園薫子と同期で講談百貨店に入社してきた男性社員。坊主頭の初々しい青年。スポンサー(指導社員)である青柳恵美から仕事を学ぶ。

原島 恭子 (はらじま きょうこ)

講談百貨店の一階のフロア主任。時に厳しくもあるが、青柳恵美の良き理解者である先輩女性社員。今は部長で上司となった田村剛彦も、もとは指導していた。フロア全体に目を配らせており、毬谷まりえがピンチの際にも救いの手を差し伸べた。

周ちゃん

毬谷まりえの彼氏。ボサボサの髪と髭、体の大きな熊のような男性。鼻が利き、青柳恵美の体に付いたまりえのかすかな臭いにも反応した。路上でバーベキューを始めるような豪快な性格。シンガポールから帰国してまりえに会いに来て、またすぐにシンガポールへ帰っていった。

黒山 リカ (くろやま りか)

毬谷まりえが西大江支店に勤めていた時の先輩女性社員。リストラされて、今は講談百貨店のライバルである全国区大手量販店「ダイオー」に勤めている。まりえに負けず劣らずの巨乳の持ち主。かつて西大江支店にてまりえに販売成績で敗れ、恨んでいる。

狩野 信也 (かの しんや)

婦人バッグを手掛けるメーカー「KANO-NO.」のデザイナー兼社長。ソフトモヒカンに顎鬚、目つきのするどい男性で商売上手。自分がデザインした商品は自分の物という誇りを持っており、ダブルネーム(商品に販売側とメーカーの2つのロゴを入れること)は認めない。

小池 英男 (こいけ ひでお)

婦人バッグを手掛けるメーカー「(株)EVENING」の営業マン。30歳の男性。黒山リカの色仕掛けに落ちて、講談百貨店の目玉商品になるはずだったバッグを勝手にキャンセル扱いにし、リカの勤める「ダイオー」に優先的におろす。

青柳恵美の母 (あおやぎめぐみのはは)

青柳恵美の母親。3年前に恵美が帰郷した際には、マグロを背中に抱えて空港で待っていたという豪快な女性。スレンダーな娘とは違って、逞しい体格の持ち主。体の小さな夫とマグロの一本釣りをする漁師で、マグロを愛している。マグロ一本のみで生きてきたことに誇りを持っている。

青柳 一美 (あおやぎ かずみ)

青柳恵美の姉。サバサバした男っぽい性格。2回離婚している。青森県にある実家で、両親、兄の嫁とその娘2人と共に暮らしている。

青柳 満代 (あおやぎ みつよ)

青柳恵美の義姉。恵美の兄の嫁で、恵美の実家で恵美の両親や姉たちと一緒に暮らしている。夫(恵美の兄)は単身赴任先で女ができて帰ってこないが、そのうち帰ってくるだろうと待っている肝の据わった女性。娘が2人いる。

後藤 一秀 (ごとう かずひで)

講談百貨店で空間デザイナーを担当している38歳の男性。店内のディスプレイなどをデザインしており、仕事は遅いが腕は確か。高評価で天狗になっており、態度はでかい。大の巨乳好きで、黒山リカの色仕掛けに落ちて、ライバルである小学屋デパートに引き抜かれる。

黒山 ナミ (くろやま なみ)

新宿で講談百貨店に次いで二番手となる小学屋デパートの企画開発部に勤務する31歳の女性。黒山リカの姉。巨乳の妹とは違って、青柳恵美と同じ「壁おんな」。

笠井 靖代 (かさい やすよ)

講談百貨店で文具売り場を担当している31歳の女性。オカッパ頭で前髪をヘアピンで横にとめてオデコを出し、メガネをかけている。接客が苦手で、毎年昇進試験に落ちている。参加枠1名の海外研修に応募する。

杉下 正義 (すぎした まさよし)

講談百貨店で家具売り場を担当している30歳の男性。長髪を後ろでしばっている。太い眉、大きな鼻、タラコ唇が特徴。空気の悪い東京の職場に不満を持ち、参加枠1名のシンガポール研修に応募する。実力が伴わない自信家。

田村 裕美 (たむら ゆみ)

田村剛彦の妻である巨乳美人。もともとは講談百貨店に勤めており、「一階の大輪」と呼ばれる優秀な社員だったが、剛彦の子を妊娠し、退社した。田村家を訪れて海外研修の辞退を申し出る青柳恵美に檄を飛ばして励ます。

花森 咲子 (はなもり さきこ)

講談百貨店の女性社員で、青柳恵美の同期。毬谷まりえと青柳が海外研修で一ヵ月間いなくなるため、欠員補充として生鮮売り場から婦人バッグ売り場へやってくる。背が低く5年前はやせていたが、失恋のショックでヤケ食いし、現在はコロコロと太っている。気が小さく目立たないタイプだったが、太ったことで存在感が増し、今は自分に自信を持つ明るく元気いっぱいな女性。 ポケットに極小おにぎりを忍ばせており、勤務中にエネルギーを補充している。

魚返 真澄 (うがえり ますみ)

講談百貨店で生鮮売り場を担当している24歳の女性。花森咲子の後輩。長めの髪を頭頂部で縛ったパイナップルのような髪型と厚めの唇が特徴。4人姉妹の三女。松原徹人との初デートで、いきなり自宅に招き家族に紹介する。

高村 浩太 (たかむら こうた)

魚返真澄の許嫁。坊主頭の男性。真澄とは幼稚園時代からの幼なじみ。中学、高校と陸上部に所属しており、国体に出たほど。講談百貨店の社員ではないが、どちらが真澄の結婚相手にふさわしいかをかけて、松原徹人とマラソン勝負をする。

岩見 アキラ (いわみ あきら)

講談百貨店シンガポール支店長を務める、太い眉とつぶらな瞳の大柄な男性。ローラに助けられることが多く、頭が上がらない。外見は作者である高倉あつこの、シンガポール在住の実兄がモデル。

ローラ

講談百貨店シンガポール支店で店舗責任者を務める現地の女性。ストレートな黒髪で、眼鏡をかけた小柄な人物。海外研修で一ヵ月間滞在する青柳恵美のボスとなる。見た目は作者である高倉あつこの実兄のガールフレンドであるシンガポール人がモデル。

小山 虎太朗 (こやま こたろう)

講談百貨店の新館設立プロジェクトチームに抜擢された26歳の男性社員。それまでは催事を担当していた。パーマ頭に眼鏡、厚い唇が特徴で、なよなよとしたお調子者。マイペースで声が大きい。仕事への熱意はあり、全国を回って集めたさまざまな商品のデータをきっちりとファイリングしている。

八木沢 瑠美子 (やぎさわ るみこ)

講談百貨店の新館設立プロジェクトチームに抜擢された48歳の女性社員。それまでは20年にわたって開発企画室に所属していた。眼鏡をかけたキツイ顔立ちと物言いの、いかにもやり手キャリアウーマンといった感じの女性。新館設立プロジェクトにおいて毬谷まりえと青柳恵美を自分の率いる班に指名する。4人の子供を育てるシングルマザー。

海津 功介 (かいづ こうすけ)

伊武商事株式会社の海外販売部で係長を務める男性。取引相手である八木沢瑠美子から紹介されてきた青柳恵美と一緒に、名古屋でヨーロッパのメーカーを接待した。

大沼 幹十郎 (おおぬま かんじゅうろう)

吉野可南子の婚約者。太った男性で、可南子からは「カンちゃん」と呼ばれている。食べっぷりのいい女性が好きなのだが、可南子は小食のため、そこだけは不満に思っている。

室田 華江 (むろた はなえ)

光文堂百貨店の婦人バッグ売り場を担当していたガタイのいい「固おんな」。24歳。2年前に就職活動で使うバッグを買いに来た際に、講談百貨店の毬谷まりえに出会い、その接客に魅了された。講談百貨店との業務提携によって光文堂百貨店から出向してきて、尊敬する毬谷と同じ講談百貨店の婦人バッグ売り場で働くことになり、燃えている。 毎日ジャージ姿で職場まで走って通う体力派。

関口 知人 (せきぐち ともひと)

光文堂百貨店に勤務する眼鏡をかけた31歳の男性で、室田華江の上司。室田と一緒に講談百貨店へ出向する。室田に惚れており、これを機会にいいムードになろうと考えているが、職場の女子社員からは軽く嫌われている。記憶力が抜群に良く、在庫管理は完璧。記憶力の良さが仕事に活かされることもあるが、裏目に出ることも。

小川 桃子 (おがわ ももこ)

講談百貨店本店の婦人バッグ売り場に配属されてきた新人女性社員。小さくて可愛いらしいが、自己紹介時に肩をすくめて首をかしげるようなブリっ子。実は元アイドルで、6年ほど前に中学生3人組のアイドルユニットとしてデビューしていた。接客はまだまだなうえに注意されるとすぐに泣きだすが、男性社員からはちやほやされている。そんな彼女ものちに八木沢瑠美子に引き抜かれて立川店に異動し、デパガとして成長していく。

室田 広大 (むろた こうだい)

室田華江の弟。予備校の夏期講習を受けるために、実家のある滋賀県から東京へやってくる。ガタイのいい姉とは似ても似つかない、細くてひょろひょろの体。過保護な姉からはやたらと心配されている。子供の頃から毎年、琵琶湖で行われる鳥人間コンテストを見て育ち、将来は大学へ行って飛行機を作るのが夢。

草川

講談百貨店でバイヤーを担当している男性。妻子あり。同じバイヤーの中久保洋平の後輩で、長い間、八木沢瑠美子の下で働いていた。ルックスがイマイチなせいで女子社員からキモいと言われていたが、上司の八木沢だけは普通に接してくれたため、八木沢のことを崇拝しており、写真を引き伸ばして自室に貼っているほど。入社は青柳恵美より6年早い。 手段を選ばぬ結果主義で成績は悪くないが、ウザいとの評判から女子社員の評価は最悪。八木沢が立川店の店長として異動することになって、空いた副店長のポストを青柳と争うことになる。

林田 昇 (はやしだ のぼる)

講談百貨店の婦人靴売り場に勤務する28歳の男性。松原徹人の同期。M大学のラグビー部出身の体育会系で、休憩時に社内で逆立ちしたり、握力グリップを握ったりするほど体力を持て余している。結婚生活と昇進試験で疲労している松原を元気づけてくれる友達思いのエネルギッシュな男。まだ独身。

浅野 ユキヨ (あさの ゆきよ)

講談百貨店立川店の婦人服売り場を担当する女性。大きなリボンの付いたブラウス、チャンピオンベルトのような太いベルトにパンタロンという70年代風のファッションで、ほかの女性社員からは陰で「ベルトクイーン」と呼ばれている。フロア中に響き渡るほど声が大きく、接客とセールスの実力はある。

海老名 (えびな)

講談百貨店本店で毬谷まりえが懇意にしているバッグ職人のオヤジ。海老名工房という小さな革工房を営んでいる。不況を受けて低価格なプライベートブランドの立ち上げを企画した青柳恵美から協力を依頼されるが、大量発注を受けるのが怖くてなかなか引き受けない。酒癖が悪い。

澤井 龍男 (さわい たつお)

バッグ職人の若い男性。海老名の弟子で、今は一人で婦人用バッグをデザインから作り上げている。青柳恵美から講談百貨店のプライベートブランドバッグの製作を依頼される。理想の女性用バッグを作るために日々、女体の研究を怠らず、女性の体にぴったりフィットする素敵なバッグを作り出すが、一人で作っているため大量生産はできない。

場所

講談百貨店 (こうだんひゃっかてん)

毬谷まりえと青柳恵美が勤務する最大手の百貨店。新宿に本店を持ち、シンガポールに支店が2店舗ある。社長は奥園五右衛門。新宿本店の売り上げは、地域で群を抜いている。

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