東京エイリアンズ

東京エイリアンズ

NAOEの代表作の一つで、2作目の連載作品。現代の東京を舞台に、地球人と宇宙人が秘密裏に共存する世界が描かれる。警察官だった父親を事故で失った過去を持つ高校1年生の郡司は、異形の老婆に襲われる事件をきっかけに、宇宙人管理組織「AMO」の存在を知り、特別機動隊員として活動を開始する。そして同級生の天空橋や、AMO関東支局特別機動隊責任者・雨宮との出会いを通じて、父親の死の真相にせまっていく。また、不法入星者の撫子との関わりは、地球人と宇宙人の関係性への理解を深めるきっかけとなる。本作はSFアクション作品として、宇宙人との戦闘シーンと日常生活のシーンが交互に描かれる構成となっている。アメリカを窓口とした宇宙人の入星管理制度や、AMOの組織体制、各惑星の独自の文化や技術など、現実的な制度設計に基づいた世界観が構築されている。スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」2020年5月号から連載。

正式名称
東京エイリアンズ
ふりがな
とうきょうえいりあんず
作者
ジャンル
異星人・宇宙人
レーベル
Gファンタジーコミックス(スクウェア・エニックス)
巻数
既刊11巻
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作品の概要

基本情報

NAOEの代表作の一つで、2作目の連載作品。

要旨と舞台設定

現代の東京を舞台に、地球人と宇宙人が秘密裏に共存する世界が描かれる。警察官だった父親を幼少期に事故で失った高校1年生の郡司晃は、ある日、異形の老婆に襲われる事件に遭遇する。そしてそれをきっかけに、宇宙人の存在と彼らを管理する秘密組織「AMO」の活動を知ることとなる。

ストーリー展開

物語は郡司がAMOに加入し、同級生の天空橋翔と共に特別機動隊員として活動する姿を描いている。そして、AMO関東支局特別機動隊責任者の雨宮零士との出会いにより、郡司は父親の死の真相にせまっていく。また、不法入星者の撫子ライカとのかかわりを通じて、地球人と宇宙人の関係性にも直面する。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作はSFアクションで、宇宙人との戦闘シーンと日常生活のシーンが交互に描かれる。AMOの組織構造や宇宙人の管理システム、各惑星の文化や習慣など、緻密な設定が随所に盛り込まれている。

作品固有の表現技法と特徴

物語は郡司の成長と、父親の死の謎の解明、宇宙人との共生という三つを軸に展開される。そして郡司は、AMOの任務を通じてさまざまな宇宙人とかかわり、時に対立し、時に協力していく。

世界観の構築と設定

世界設定として、宇宙人の入星管理制度やAMOの組織体制、各惑星の独自の文化や技術が盛り込まれている。アメリカを窓口とした宇宙人の管理システムや、日本における支局体制など、現実的な制度設計に基づいた世界観が構築されている。

連載状況

スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」2020年5月号から連載。

地球人と異星人のギャップや絆を描いたSFファンタジー

本作『東京エイリアンズ』の世界では、多種多様な異星人が地球の身分や姿、名前を持ち、正体を隠して地球人として生活している。また、交際していた地球人の恋人を殺害され、その犯人に直接復讐を果たそうとする者や、地球での環境を利用して悪事を働こうとする者、花嫁探しのために奔走している者など、それぞれが独特の価値観を持っている。些細なきっかけで異星人とかかわることになった郡司晃は、さまざまな異星人と時には戦い、時には手を取り合っていく。そんな彼の人となりは、本作のテーマの一つである「地球人と異星人の絆」を体現している。

地球在住の異星人を監督する組織「AMO」

異星人が当たり前に存在する世界観であることから、地球にやって来た異星人の生活を援助したり、彼らの起こす犯罪を取り締まったりする役割を持つ専門機関が存在する。正式名称は「Alien Management Organization」で、「AMO」の略称で呼ばれている。AMOの規模および権力は絶大で、地球人をはるかに超える身体能力を持つ異星人と戦うため、友好的な異星人から提供された技術を基にした武器や兵器を独自に開発している。また、一般市民に異星人の存在を知られないように情報を統制しており、混乱を防ぐ役割も担っている。本作の主役である郡司晃と天空橋翔は、それぞれの事情からAMOに入隊し、二人で異星人に関連する任務を遂行している。晃は、違法在住異星人であっても事情があるのならできるだけ救いたいと考えており、その真っすぐな行動は翔や異星人たちを変えるきっかけにもなっている。一方で、AMO直属の機動部隊随一の戦闘力を誇る雨宮零士は、晃の危機をあえて傍観したり、仲間たちに隠し事をしたりするなど、AMOの内部も一枚岩ではないことが示唆されている。こういった組織内での交流や対立といった要素も、本作の魅力の一つとなっている。

暗躍する違法在住異星人と謎に包まれた仇敵「ハクギン」

異星人が地球で生活するためにはAMOの審査を受ける必要があるが、中にはこの審査を無視して秘密裏に地球に潜入する異星人もいる。この違反者はAMOから「違法在住異星人」と呼称され、問答無用で逮捕されるうえに、犯罪を起こした彼らは抹殺対象に認定される。一方で違法在住異星人もAMOを敵視しており、中には違法在住異星人を束ねて組織をつくろうとする者もいる。違法在住異星人の中でひときわ危険視されているのが、「ハクギン」と呼ばれる獣型の異星人。晃の父親・郡司晃雄の命や、雨宮零士の片眼と片足を奪ったうえ、天空橋翔とその妹に瀕死の重傷を負わせたのも彼である。だが、ハクギンはほかの星に住む人々からは不自然なほど知られておらず、9年前に姿を消してからはいっさいの目撃例がないなど、奇妙な点が多く見られる。さらに雨宮や翔はハクギンに襲われた際、未来からやって来た晃に助けられたと記憶しており、この点も本作随一の謎として描かれている。

登場人物・キャラクター

郡司 晃 (ぐんじ あきら)

とある高校に通っている男子。幼い頃に父親の郡司晃雄を亡くしており、現在は伯母の世話になっている。明るい性格ながら、自分に自信を持てないところがある。伯母との関係は良好だが、迷惑をかけたくない一心から早く就職して独立したいと考えている。ある日の登校中、異星人を追っている天空橋翔と知り合い、さらにその流れからAMOの特別機動隊責任者である雨宮零士と出会う。そして、零士からかつて晃雄がAMOの隊員であったことや、父親が「ハクギン」と呼ばれる異星人に殺害されたことを知り、彼の勧めもあり、父親のあとを継いでAMOに入隊する。入隊後は、主に同年代である翔と組んで任務を遂行している。当初はミステリアスな翔との距離感に悩んでいたが、高千穂えりかの護衛任務中に彼が超再生能力を備えた異星人と同質の存在であることを知り、やがて相棒として認め合うようになる。

天空橋 翔 (てんくうばし しょう)

郡司晃と同じ高校に通っている男子。学校では特進コースに所属しており、その美貌とミステリアスな雰囲気から女性の人気が高く、入学1週間でファンクラブができるほど。ただし、天空橋翔自身は交際や遊びには興味がなく、ファンから追いかけられるとすぐに姿を消してしまう。誰に対しても敬語を使うが、学校では必要以上に他者と交流することを避けている。その正体はAMO傘下の特別機動隊員である。任務では私情を挟むことはなく、与えられた命令を何よりも優先する。任務をこなしている最中に郡司晃と出会い、彼のAMOに関する記憶を消すために本部に連行した。だが、そこに居合わせた雨宮零士の勧めもあり、晃がAMOに所属することになったため、彼と組んで任務を遂行するようになる。子供の頃、妹と共にハクギンに襲われた際に、「リバリバ星人」と呼ばれる異星人の能力が覚醒し、その時から超再生能力を持つ「元地球人」というカテゴリに分類されるようになる。この能力の影響から、たとえ肉体が粉々になっても再生できるが、その際には激しい苦痛を伴う。妹は現在も昏睡状態で、翔がAMOに所属しているのも彼女を目覚めさせる方法を見つけるためである。

書誌情報

東京エイリアンズ 11巻 スクウェア・エニックス〈Gファンタジーコミックス〉

第1巻

(2020-09-26発行、978-4757568655)

第2巻

(2021-02-27発行、978-4757571181)

第3巻

(2021-07-27発行、978-4757573918)

第4巻

(2022-01-27発行、978-4757577008)

第5巻

(2022-07-27発行、978-4757579989)

第6巻

(2023-01-27発行、978-4757583665)

第7巻

(2023-07-27発行、978-4757586321)

第8巻

(2024-01-26発行、978-4757589254)

第9巻

(2024-07-26発行、978-4757593169)

第10巻

(2025-01-27発行、978-4757595965)

第11巻

(2025-07-26発行、978-4757599253)

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