作品の概要
基本情報
『ドロヘドロ』完結から約半年後に開始した林田球の連載作品。
要旨と舞台設定
宇宙という、どこまでも広がる黒い暗闇を舞台に、「その男の骨を入手すればどんな望みも叶う」と噂される少年、ザハ=サンコを中心に展開する物語。14歳でありながら身長190センチメートルを超える巨漢のザハは、「闇のニーモツ」と呼ばれる謎の存在、アバキアンを相棒に、自分がなぜ狙われる存在となったのかを探る旅を続ける。
ストーリー展開
廃品を集めたり民間船を襲ったりする廃品マフィア船が、宇宙を漂流するザハを拾うところから物語は始まる。ザハは自分の骨を狙う様々な敵と戦いを繰り広げながら、死神、死ま田=デスをはじめとする個性的なキャラクターたちとの出会いを通じて、宇宙の謎や自身の出自に迫っていく。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作はブラック・コメディ要素を持ったサイエンス・ファンタジー作品。グロテスクな世界観を持ちながら、前作『ドロヘドロ』のコメディ要素がさらに強化された作風となっている。
世界観の構築と設定
光と闇の対立という基本構図のもと、多種多様な宇宙人や特殊能力者が登場する独創的な世界が展開されている。また、廃品マフィアや武器商人、ライトヘッド教団といった組織の存在や、骨を通貨や取引材料とする独自の経済システムなどが特徴となっている。
連載状況
小学館「ゲッサン」2019年4月号より連載。
受賞歴
2020年「このマンガがすごい!2021」オトコ編第7位。
あらすじ
登場人物・キャラクター
ザハ=サンコ (みーとぼーる=すぱげてぃ)
宇宙を旅している14歳の少年。布のようなマスクをかぶり、変幻自在で攻撃を通さない黒い布のような「闇の皮」を身に着けている。「その骨を手に入れたものはどんな望みも叶えられる」と噂され、全宇宙人から狙われている。自分をそんな体にした何者かを捜し出して殺し、自由になろうとしている。好きな食べ物はミートボール・スパゲティを挟んだパン「みぼすぱん」。不正に入学した小学校では「ミートボール=スパゲティ」という偽名を使っていたことがある。
アバキアン
「闇のニーモツ」と呼ばれる謎の存在。リュックのような形状から、骸骨のような顔を持つ大男の姿に自在に変形できる。体の中に物を入れたり、口から火炎を吐いたりとさまざまな力を持つ。ザハ=サンコが幼い頃から彼と行動を共にしており、相棒かつ保護者のような存在。ふだんはサンコに背負われている。
死ま田=デス (しまだ です)
六つの目を持つ宇宙人。杭のようなものが付いた不気味なマスクと黒い服を身に着けている。宇宙人の「死」を食べて生きている死神のような存在で、ほかの宇宙人からは嫌われている。他人を指差すだけで死亡させたり、離れた場所に移動したりとさまざまな特技を持ち、ほとんど不老不死の体を持つ。一人称は「オレ様」だが素顔は女性。願いを叶えることに興味がなく、ザハ=サンコを殺そうとしなかったことがきっかけで、彼とは唯一の友人になる。
書誌情報
大ダーク 9巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2019-11-12発行、978-4091294869)
第2巻
(2020-08-12発行、978-4098502158)
第3巻
(2021-04-12発行、978-4098504961)
第4巻
(2021-11-12発行、978-4098507993)
第5巻
(2022-08-10発行、978-4098512515)
第6巻
(2023-04-12発行、978-4098520220)
第7巻
(2024-01-12発行、978-4098530960)
第8巻
(2024-10-11発行、978-4098536412)
第9巻
(2025-10-10発行、978-4098542789)







