概要・あらすじ
のちに一年戦争と呼ばれる戦争が始まった直後、裕福な家庭で育ったラビ・ローゼンスターと貧しい家庭で育ったキリル・ロマの2人の少年は、それぞれの思いを胸にジオン公国幼年学校に入学する。2人はエリート学級に編入されるも、初日からクラス内での競争に巻き込まれていく。その日からお互いをライバルとして認めた2人は、級友のアズレト・フィーゼラーや、上級生との交流を深めながらも、さまざまなことで争っていく。
登場人物・キャラクター
ラビ・ローゼンスター (らびろーぜんすたー)
有名なチタン工場を所有する会社の一人息子。普段は母親と家政婦と住んでおり、父親は滅多に家に帰ってこない。学校に多額の寄付をしており、それが原因で特別扱いされていると、同級生からは快く思われていない。甘えん坊の泣き虫だが、愛する母親の言ったある言葉をきっかけにジオン公国幼年学校への入学を決意する。その入学式の当日にキリル・ロマと出会う。 頭脳明晰で、大人でも解けないような問題を瞬時に解いたり、以前ニュースで見た演説の内容をすべて覚えていたりするが、運動関係一般は苦手。
キリル・ロマ (きりるろま)
貧しい家庭で暮らす少年。母親はジオン公国幼年学校入学前に亡くなる。しっかり者で、負けず嫌いの努力家。だが方向オンチで、入学初日も道に迷っていたところでラビ・ローゼンスターと出会う。その後同じクラスになり、キリル・ロマは自分が学級委員に選ばれると思っていたが、ラビが選ばれたことで彼に対するライバル心が芽生える。 勉強ではラビに劣るものの、運動とシミュレーションの成績は優秀で、何より気持ちの強さでラビには負けていない。
レオニード・ラトキン (れおにーどらときん)
ジオン公国幼年学校の教官で、ラビ・ローゼンスターとキリル・ロマのクラスの担任。初陣で負傷し前線から離れ、それから教師としての道を歩む。シャア・アズナブルは士官学校時代の後輩で、校長がラビたち新入生の入学祝いの言葉をもらうために出席を頼むも断られたが、レオニード・ラトキンが直接本人に頼んだことでシャアも出席に応じた。 生徒たちの教育に熱心だが、自分たちが育てた生徒たちが戦争に勝利をもたらすと思っている。そのためシャアを呼んで生徒たちに戦争に対して夢を持たせたり、クラス内でも成績で格付けをしている。本人曰く優秀な人殺しの育成に励んでいるらしい。
シャア・アズナブル (しゃああずなぶる)
ラビ・ローゼンスターたち新入生の入学式で祝いの言葉を述べた軍人。階級は少佐。開戦当初のルウム戦役でモビルスーツに乗って多大な武勲をあげ、学生たちからは憧れの存在になっている。シャア・アズナブルの言葉を聞き、そして姿を見て思わず列を離れ駆け寄ってしまったラビに対し、激励の言葉と共に胸に付けていた一輪の花を渡す。
アズレト・フィーゼラー (あずれとふぃーぜらー)
ラビ・ローゼンスターとキリル・ロマのクラスメイトで、ラビとはルームメイトでもある。モビルスーツを製造しているジオニック社の息子で、ラビと共に特別扱いで2人部屋を与えてもらっている。だが本人は特権階級の厚遇が一般人の反感を買っていること、戦争がどのような結果をもたらすのかということを常に思案しており、モビルスーツに憧れを持つラビに対し、それが人殺しのための道具であると諭す。