毛布おねえさんの温めかた

毛布おねえさんの温めかた

ある日、15歳の湊は、幼い頃に大好きだった思い出の毛布のつくも神を自称する女性、心と出会う。彼女の言葉を疑いながらも、心身共に温かさに飢えていた湊は、一生懸命温めようとする心の姿に、次第にほだされていく。寒さに弱い男子と、毛布のつくも神のお姉さんの、身も心も温まる「ぬく活」を描いた年の差ラブコメディ。「月刊コミックキューン」2019年4月号から掲載の作品。

正式名称
毛布おねえさんの温めかた
ふりがな
もうふおねえさんのあたためかた
作者
ジャンル
家族
 
ラブコメ
レーベル
MFC キューンシリーズ(KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

寒さが厳しい冬のある日、誕生日を迎えたは友達と過ごしたあと、家に帰りたくないと、通りのベンチに腰を下ろした。そこで湊は、謎の女性、と出会う。心は、自分を毛布のつくも神だと名乗り、湊を昔から知っているかのような素振りで話し始める。湊には、幼い頃から手放せない大事な毛布があった。だが成長に伴い、現在は毛布を卒業していたが、その毛布が再び湊を温めるという目的のために、人として生を受けたというのだ。にわかには信じがたい内容に、心に対して警戒心を抱いた湊は、抱き付いてきた彼女を振り払う。だが、後ろに倒れそうになった心を慌ててかばった湊は、足首をひねってしまう。応急手当てを受けるため、心にうながされるままマンションの一室に入った湊は、そこでなぜか心に添い寝されるような謎の状況に陥る。屈託ない笑顔で、優しく触れてくる心に、思春期真っただ中の湊は強烈な刺激を受け、ドキドキしてしまう。そして、もともと寒がりなうえ、精神的にも温かさに飢えていた湊は、身も心も満たされる状況に無意識に涙を流し、そのまま眠りにつくのだった。そして翌朝、湊が目を覚ますと、そこに心の姿はなかった。それから3か月が経過し、高校に入学した湊は、帰宅途中にずっと探し続けていた心の姿を目撃する。

登場人物・キャラクター

(みなと)

15歳の少年。生まれてすぐに乳児院に入れられ、2歳の時に現在の両親に引き取られた。その後、妹の要が生まれるが、体が弱く喘息を持っていたため、両親は妹にかかりきりとなっていた。両親はできるだけ兄妹を公平に扱おうと努力はしていたものの、湊自身はなんとなく家族の中で疎外感を感じながら成長していく。成長と共に異様なほどの寒がり屋となり、マフラーや帽子、手袋とあらゆる防寒具で完全防備していたため、同級生たちからはからかわれることもあった。ちょうど同じ頃、両親から自分が養子であることを告げられ、そこで初めて今まで感じてきた疎外感の理由を知ることになった。その結果半グレとなり、それをきっかけに厚着をやめ、家族に対しても意識的に距離を取るようになった。そんなある日、道端で謎の女性、心と出会う。もともと、湊には赤ちゃんの時におくるみとして使っていたお気に入りの毛布があり、幼少期はずっと離さずに持ち歩き、しゃぶったり匂いを嗅いだりと大切にしていた。その毛布のつくも神を自称する心に、「ぬく活」と称して強引に距離を縮められるが、当初はそんな彼女のことが信じられずに反発していた。一方で、心のおかげで心身共に温かく満たされたことに感動し、無意識のうちに彼女を欲するようになっていく。照れ屋で寂しがり屋なところがあるが、湊自身はそれを自覚していない。

(こころ)

毛布のつくも神を自称する謎多き女性。湊を温めたいという思いで、人として生を受けたと話すが、その真偽は定かではない。冬のある日、通りのベンチに座っていた湊に声を掛け、「ぬく活」と称して道具を使ったり密着したり、あの手この手で湊を温めようと奮闘する。ふつうの女子大学生として日常生活を送っており、自宅ではルームシェアをしている。もともと一夜限りの予定で、湊と接触を図ったが、3か月後に高校生になった湊と偶然再会することになった。その際、湊から温めてほしいと要求されたため、湊が再び毛布を卒業できるまでのあいだ、温め続けることを宣言。それからは週3日程度、湊を温めるぬく活を継続することになる。その後、湊の妹の要にも、湊には内緒でぬく活を行うことになる。湊のことは、基本的に小さな子供のような扱い方をしている。物事をあまり深く考えないこともあり、無防備な様子が思春期の湊をどぎまぎさせているが、心自身にその自覚はまったくない。

(かなめ)

湊の妹。体が弱く、喘息を持っているために入退院を繰り返しており、いつも荷物の中には喘息発作を収めるための吸入器を持ち歩いている。湊のことが大好きだが、素直になれない性格のため、顔を合わせるとつい憎まれ口を叩いてしまうことが多い。両親から聞いたわけではないが、兄妹で血のつながりがないことは、なんとなく知っていて、湊との距離感を感じている。最近、湊がよく会っている女性の心にこっそり会いに行き、心のしていることをいかがわしいと批判。その色香で兄を惑わすのはやめて欲しいと直談判しようとする。しかし、興奮のあまり喘息の発作が出て苦しんでいると、心が吸入器で優しく介抱してくれる。それからは彼女に対する警戒心が少し薄れ、湊と同様に心に温めてもらう「ぬく活」に参加させられることになる。近所にある大判焼き店「大判に御座る」のカスタード入り大判焼きが大好物。

その他キーワード

毛布 (もうふ)

水玉模様の毛布。湊が赤ちゃんの頃、おくるみに使っていた毛布で、幼少期には肌身離さず持ち歩くほどお気に入りだった。ちゅうちゅう吸ってみたり、登校前に匂いを嗅いだり、林間学校にはこっそり持って行くほど大事にしていたが、成長に伴って卒業することができた。自宅の押し入れにしまってあったはずだが、毛布のつくも神を自称する女性、心と出会ったあとに確認してみると、押し入れから毛布はなくなっていた。

書誌情報

毛布おねえさんの温めかた 全2巻 KADOKAWA〈MFC キューンシリーズ〉

第1巻

(2019-12-27発行、 978-4040642208)

第2巻

(2020-09-26発行、 978-4040649115)

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