概要・あらすじ
32歳で独身の野田智久は、本社企画室のエリート社員。対人関係が苦手で、冷酷な物言いをしてしまう彼を、職場の女性は「出世サイボーグ」と呼んでいた。彼は仕事が好きなわけでも出世したいわけでもなかったが、手を抜いたり、要領よく仕事ができるタイプではなく、毎日必死に仕事をしていた。その余裕のなさが周りから嫌われるとわかっていても、自分を変える事ができない。野田は他人全般が苦手だったが、みんなから好かれ、仕事もできる爽やかな同僚の上島俊一には好意を持っていた。これが憧れなのか、恋愛感情なのかもわからなかったが、生き生きしている上島を見ているだけで野田は満足だった。23時まで残業をし、疲れ果てて帰ろうとする野田の前に、佐藤有加利という見ず知らずの女が「今夜あなたの家に泊めて欲しい」と言い出す。彼女は「何をしてもいい」と野田の手を取り、自分の胸を触らせるが、野田は気持ち悪くなって吐いてしまう。それでも野田の部屋に泊まろうとする図々しい有加利にキレた野田は、「クソ女。通り魔に付き合う義理はない。他の犠牲者を探せ」と罵倒する。そのやり取りで本気になった有加利は「絶対にアンタの家に泊まる」と宣言し、走って野田を追いかける。有加利を振り切れなかった野田は、仕方なく彼女を自分の部屋に泊め、自分は一睡もできず、フラフラになりながら出社するのであった。