概要・あらすじ
横浜最大の暴走族、壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)が突然解散を宣言する。それは横浜中の不良少年たちに衝撃を与え、また傘下のチームをにわかに殺気立たせるのだった。そんな中、愛慎高校の流動邂は解散したチーム、バクシンを、火群玲二はかつて存在した走り屋集団、狂死蝶を各々一人で復活させる。
壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)の敵対チームである極熾天の幹部、相本聖虎は一際殺気をみなぎらせ、遂には所属チームすら敵に回してしまう。抗争の火種となった彼らをつなぐ一人の少年がいた。彼らが唯一心を許す相手、神咲永遠。兄譲りの人望とライディングテクニックを併せ持つ彼は、ただ純粋にスピードを追い求めて走り続けていたが、火種の3人を自然と引き付けていく。
そしてその火種は、いつしか大きな炎へと成長し、抗争の中心で大きく燃え上がるのだった。
登場人物・キャラクター
神咲 永遠 (かんざき とわ)
愛慎高校に通う少年。元第一期バクシン総長と、狂死蝶最速の走り屋の二人を兄に持つ。幼さを残したルックスで、優しい性格の持ち主。しかし見た目に反して喧嘩が強く、驚異的なライディングテクニックを併せ持つ。周りを騒がす暴走族チームと彼らの起こす抗争には関心を示さず、ただ純粋にスピードを追い求めて一人バイクを走らせているが、彼のもとには流動邂、火群玲二、相本聖虎ら仲間が自然と集まっていく。
流動 邂 (るどう かい)
愛慎高校に通う少年で神咲永遠の友人。壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)解散の報せを聞き、一人バクシン復活を宣言。喧嘩っ早い性格の持ち主で、からんで来る人間にはもれなく喧嘩を売っている。その行動は当然他の暴走族チームの目を引き、抗争の火種の一つとなる。
火群 玲二 (ほのむら れいじ)
愛慎高校に通う少年で神咲永遠の友人。壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)解散の報せにあわせるように、かつて存在した走り屋集団、狂死蝶を一人で名乗り、首都高をバイクで疾走する。この行動は壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)の後釜を狙う暴走族チームの目に留まり、彼もまた抗争の火種の一つとなる。
相本 聖虎 (あいもと きよとら)
神咲永遠の友人で極熾天の幹部。チーム加入以前から壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)を一人で襲撃しており、さらに駆けつけた警察すら見境なく叩き潰す凶暴な性格の持ち主。その暴れぶりから仲間内では「黒熾天」の異名で呼ばれている。神咲永遠とは過去のある出来事がきっかけで、気を許すようになり、「永遠ちゃん」、「キーちゃん」と呼び合う間柄となる。
池上 忉太 (いけがみ とうた)
愛慎高校に通う少年で神咲永遠のクラスメイト。金髪リーゼントにボンタンと、見かけは一人前の不良だが、実は「高校デビュー」で、喧嘩も気も弱い。神咲永遠、火群玲二とよくつるんでいるため、トラブルに巻き込まれる機会が多い。
澤宮・マイクル・デイビス (さわみや・まいくる・でいびす)
横須賀の米軍居住区に住んでいる神咲永遠の幼馴染の少年。今まで通っていたハイスクールが廃校となったため、愛慎高校に転校してくる。優しい性格で、バイク乗りでもないが、神咲永遠と仲がいいため、必然的にトラブルに巻き込まれる。
新見 光 (にいみ ひかり)
愛慎高校に通う少年。無免許の頃に峠で神咲永遠と出会い、友人となる。彼自身は不良や暴走族ではなく、純粋な走り屋としてバイクに乗っている。壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)解散前夜の騒動の渦中で神咲永遠の姿を見つけ、神咲永遠を止めるためバイクで追いかけるが、そのまま騒動に巻き込まれることに。
集団・組織
第一期バクシン (だいいっきばくしん)
『永遠の詩』に登場する暴走族チーム。3年前に解散しているチーム。主要メンバーに、神咲永遠の兄の神咲啓人、火群玲二の兄の火群荘一、現在の壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)総長の椚政友がいた。愛慎高校の生徒だけで構成されたチームで、速さと強さで横浜を席巻していた。流動邂は壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)解散に合わせて、一人バクシンを名乗り、復活させようとする。
壟呪巫慧髏 (る・しゅ・ふぇる)
『永遠の詩』に登場する暴走族チーム。数々のチームを傘下に収め、横浜最大・最強の暴走族チームとなる。突如解散を宣言し、傘下のチーム、敵対するチーム等々、横浜中の不良達を騒然とさせる。
場所
横浜 (よこはま)
神奈川県横浜市のストリートを主な舞台に、物語は展開する。横浜には多くの暴走族チームが存在し、壟呪巫慧髏(ル・シュ・フェル)が最大の勢力を誇っていた。しかし、突如解散を宣言したため、極熾天のような敵対チーム、後釜を狙う参加チーム等がにわかに殺気立つ。また、騒ぎを阻止せんとする警察も加わり、横浜のストリートはかつてない緊張の雰囲気に包まれる。