篭崎に伝わる竜人伝説
本作の舞台は現代の日本であり、竜人は決して一般的な存在ではない。しかし、篭崎には古くから、土地の娘と竜が結ばれて子をもうけたという伝説が伝わっている。そのため、篭崎にルーツを持つ者の中には、まれに皮膚に鱗が生えていたり、特殊な能力を持つ者が生まれることがある。彼らは「竜人」と呼ばれ、単なる伝承の存在にとどまらず、篭崎には竜人の研究を目的とした施設も設けられている。
仮の宿で育まれるラブファンタジー
円山瑞花と墨浦天辰の共通点は、二人ともに汐田慈治の家をあくまで「仮の宿」としてとらえているところにある。瑞花は慈治の厚意に感謝しつつも、いつまでも頼り続けるわけにはいかないと考えており、いずれはこの家を去るべき「よそ者」であることを自覚している。一方、天辰もまた慈治の血縁者の中に紛れ込んだ部外者として、どこか遠慮がちに生活している。本作では、似たような疎外感を抱える二人が互いの寂しさに触れ、意図せず慰め合う時間が、やがて二人にとってかけがえのないものへと変わっていく。
登場人物・キャラクター
円山 瑞花 (まるやま みずか)
高校2年生の女子。4月3日生まれ、身長は158センチ。薄い茶色のセミロングヘアにしている。父親の死をきっかけに、篭崎で竜人の研究をしている叔父の汐田慈治に引き取られ、そこで竜人の少年の墨浦天辰と同居生活が始まる。クラスで人気のある天辰といっしょに暮らしていることや、孤立を好む竜人の少女の帆苅紅と親しくなったことから、クラス内では浮いた存在となり、友人はいない。一方で、人間と竜人の能力差について無知なため、竜人に対しても対等に接しており、その姿勢が彼らから好意的に受け入れられている。
墨浦 天辰 (すみうら てんしん)
高校2年生の竜人の少年。7月29日生まれ、身長は175センチ。黒髪に金色の瞳を持ち、右目の下に泣きぼくろが特徴的だが、皮膚の一部には竜の鱗のような模様が見られる。円山瑞花と同じ高校に通っており、ぶっきらぼうな性格ながら女子生徒からは人気が高い。篭崎の竜人伝説に登場する竜を祀る墨浦神社の養子で次男だが、家庭環境の悪化によって汐田慈治の家に下宿している。ほかの竜人たちよりも竜の血が濃く、幼なじみの竜人の真渕櫂理からは、半ば信仰に近い敬意を向けられている。







