概要・あらすじ
父親の13回忌で娘と共に故郷に久しぶりに帰省した寿子は、かって海で溺れ死んだ奈保子という少女のことを思い出す。寿子の記憶では、その少女が死んだのは自分のせいだったはずだが、実は当時隣に住んでいた石田啓一という青年が原因だった。そして、12年を経て、啓一も舞い戻ってきていたことを知る。寿子の中に言い知れぬ不安がひろがっていくのだった。
登場人物・キャラクター
寿子 (としこ)
自分の郷里を12年もの間、無意識に避け続けていた。一人娘には、なぜか男の子のような服装ばかりさせてしまうが、その理由について寿子自身は気づいていない。久しぶりに帰省した故郷で思いがけない真実を知ることになる。
和美 (かずみ)
寿子の6歳の娘。女の子なのにいつも男の子のような服装を寿子からさせられている。
奈保子 (なをこ)
子供時代寿子と同じ幼稚園に通っていた、容姿の可愛らしい女の子。寿子が貸した帽子を巡り、些細なことで喧嘩した翌日、海辺で遺体となって発見される。
石田 啓一 (いしだ けいいち)
寿子が幼い時に実家の隣に住んでいた男性。