海猿

海猿

新人海上保安官仙崎大輔を主人公に、海難救助を中心とした海上保安官たちの活躍を描いた作品。原案・取材は小森陽一。

概要・あらすじ

海上保安庁・第七管区(九州)の新人海上保安官・仙崎大輔。彼は刻一刻と迫る時間との戦いの中、先輩たちと命をかけながら、海難者の救助活動に勤しんでいた。毎回がむしゃらに救助活動を行っていく中で、先輩たちの隠された過去や海難救助への想いに触れながら成長していく大輔。その後、ある事件がきっかけで自分の仕事の意義や存在に疑問を抱いてしまうも、恋人の浦部美晴や先輩に助けられ、再び海難救助に立ち向かっていく決心をする。

一皮むけた大輔は、新たなステージでさらなる成長を続けていく。

登場人物・キャラクター

仙崎 大輔 (センザキ ダイスケ)

ながれ航海士補の福岡海上保安部に所属する新米海上保安官。幼少期、自分が沖に流されてしまって、助けに入った母親が保安庁の懸命な捜索にもかかわらず見つからなかった過去を持つ。のちに、PLH型巡視船かいこうの航海士補となる。基本的には熱血漢で、直情的な性格。人命を優先するあまり、命令違反を重ねてしまうことが多い。 やがて、潜水士として、人間として一人前になっていく。

浦部 美晴 (ウラベ ミハル)

毎朝新聞社の新人記者。いつも黒い下着をつけている。取材のために許可無く仙崎大輔の所属する船ながれに同乗し、その救助活動を記事にして以降、何かとつきまとっている。大輔に好意を寄せており、交際を経て結婚。それ以前に、式まで決まっていた婚約を一方的に破棄した経験があり、その時の相手・石原隆志の気持ちを配慮する美晴の両親、特に父親は大輔との結婚に反対した。

勝田 孝太郎 (カツタ コウタロウ)

ながれの船長。二等海上保安監。現場一筋35年のベテラン。はじめて仙崎大輔がながれに来た時は、かつて「母親が海で行方不明になった少年」だとひと目で分かった。寛容かつ落ち着きのある態度で、船員に対しても信頼を寄せている。

池澤 真樹 (イケザワ マサキ)

仙崎大輔の先輩。三等海上保安正。第三管区海上保安本部・潜水士。「人は死を前に嘘はつけない」「生きて帰る」という大輔にとって重要な言葉を教えた人物。大輔と共に、かいこうの航海士となったが、任された仕事は特殊任務である海賊の取締りであった。パナマ船籍のトリスターナ号をシージャックした海賊をマラッカ海峡にて撃退する任務のさなか、海賊からの銃撃で死亡してしまう。

たけちゃん

仙崎大輔の近所に住む男の子。たけちゃんの母親の再婚が決まり、最後に親子4人が揃える機会にクルーザーを出航。防波堤の中だけに留めようと思っていたが、調子に乗って防波堤を出たところで、クルーザーが転覆。父と母は救助され、たけちゃんと姉のほのかちゃんだけが漂流してしまったため大輔たちが救助に向かった。

工藤 始 (クドウ ハジメ)

北海道の第一管区所属。仙崎大輔のバディ。訓練では他の訓練生よりもはるかに劣り、失敗を繰り返していた。そのため、一人で毎晩こっそり練習をしていた。人と仲良くしたいのにどうしていいかわからなかったため、体を鍛えてしまったという思考の持ち主。漁師である父と兄が海難事故に遭った時、自分の手で助けたいという理由から潜水技術課程に参加。 三島優二が海洋実習が上手く行かずに悩んでいたのを見た研修生たちが、休日にレジャーと称して自主練を行っていた時に、海流の変化による事故に巻き込まれ、怪我をして動けなくなった三島を助けるため緊急浮上したことが原因で死亡した。

三島 優二 (ミシマ ユウジ)

三等海上保安正。第三管区東京海上保安部所属。圧倒的な技術と安定した成績を残し、訓練生の中ではリーダー的存在だったが、海洋実習の際「耳抜き」が出来ないという致命的なスキル不足が見つかってしまう。悩んでいる姿を見た他の訓練生たちが、レジャーと称して自主練習に連れ出されるが、そこで事故に巻き込まれ工藤始を亡くしてしまう。 その後工藤の思いを背負って最終訓練・40m緊急浮上をやり遂げた。

入谷 弘治 (イリヤ コウジ)

かいこうの潜水士。20歳の新人。人命を救助し人々から感謝される仙崎大輔の活躍に大きな憧れと、使命感をもってこの仕事に就いた。子供の頃の夢は「仮面ライダー」。また、映画『バックドラフト』を見て消防士になりたかったが、試験に落ちてしまった。波が高く、さらわれる危険を再三警告しても立ち去らずに罵倒を浴びせてくる若者や、事故で水を吸って膨れ上がった死体を担ぎ上げることなどを経験し、どんな不条理なことがあっても他人の命のため立ち向かえる大輔のようには強くなれず、海上保安官を辞めた。

石原 隆志 (イシハラ タカシ)

浦部美晴の元婚約者。航空会社「J-WING」東京勤務。美晴に式まで決まっていた婚約を「仕事が中途半端な状態はいや」との理由で一方的に破棄された経験がある。J-WING206便が着水した際には、社員として仙崎大輔の身やパイロットを案じながらも活躍した。

下川

仙崎大輔の先輩である優秀な潜水士。いつも笑っているような顔をしている。かつて、水深40mで作業中にレギュレーターが故障し、バディがパニックをおこし二人の酸素が少なくなってしまったためバディを振りほどき一人で浮上した結果、バディが死んでしまった過去がある。それ以来、確実に救える「選択」をすることを心がけている。

藤堂

福岡海上保安部警部課の警備専門官。仙崎大輔にナム・ワンチャイというベトナム人の運び屋の陸上捜査を依頼する。目の前でタバコを吸われると激しく怒るのは、禁煙中だからというのは表向きの理由で、昔タバコを買いに現場を少し離れた間に若い隊員が先走って死んでしまったことを悔いているため。それ以来ずっと禁煙していたが、ナムを検挙出来たことで喫煙を再開した。

その他キーワード

ながれ

『海猿』に登場する船舶。PS型巡視船。第三管区海上保安本部所属。番号PS03。全長43m、型幅7.5m、型深4m、総トン数180トン、主機関3200PS×2基、2500PS×1基。速力35.0ノット。仙崎大輔・池澤真樹らが密航船の救助、陸上操作、たけちゃん一家救助などの出動を行った。

かいこう

『海猿』に登場する船舶。PLH型巡視船。第七管区海上保安本部所属。全国に11隻しかない救難強化型巡視船。番号PLH22。全長120m、型幅14.5m、型深8.5m、総トン数5,000トン、主機関ディーゼル8,600PS×2、最大速力22ノット。高度な技術を要する海難に対応するため、仙崎大輔と池澤真樹が転任を言い渡された。 その際、かいこうは船長、乗務員とも大幅な入れ替えがあった。ヘリコプターベル212型を搭載。

クレジット

取材

書誌情報

海猿 全5巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(2006年5月発行、 978-4091936714)

第2巻

(2006年5月発行、 978-4091936721)

第3巻

(2006年5月発行、 978-4091936738)

第4巻

(2006年6月発行、 978-4091936745)

第5巻

(2006年6月発行、 978-4091936752)

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