涼宮ハルヒちゃんの憂鬱

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱

『涼宮ハルヒの憂鬱』をはじめとするライトノベル涼宮ハルヒシリーズのスピンオフとなる、公式ギャグ漫画。内容は涼宮ハルヒシリーズのパロディで、世界観、設定、物語の中のイベントは原作のライトノベルから引用、キャラクターデザインもいとうのいぢの原案に準じたもので、4コマ、1ページのショートギャグ、1話完結の読み切りが混在する。2007年9月から、「月刊少年エース」「エースアサルト」などに連載され、2009年にはアニメ化もされている。原作は谷川流、キャラクター原案はいとうのいぢ。

正式名称
涼宮ハルヒちゃんの憂鬱
ふりがな
すずみやはるひちゃんのゆううつ
原作者
谷川流
漫画
ジャンル
異能力・超能力
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

北高の文芸部部室を半ば強引に占拠する、涼宮ハルヒ率いるSOS団は、宇宙人の長門有希、未来人の朝比奈みくる、超能力者の古泉一樹、そして普通の人でかつ常識人であるキョンらの集まる場になっている。ごく普通の高校生活のなかで起こる季節行事やイベントの度に、イベントがない時でもハルヒの強引かつわがままな行動に振り回され、主に学校のなか、時には町内で、規模が大きい時には鶴屋家所有の施設を利用して日常より大きな活動になっていく。

しかし、ハルヒが解析不能な超常現象を起こす要因となっているため、キョンを除きその観察者の集団ともなったSOS団のメンバーは、それを秘密裏に解決したり、閉鎖空間が発生した時の解消をするなど、日常、非日常の両方でハルヒの無茶振りに付き添うことになる。

登場人物・キャラクター

キョン

他の登場人物からも主人公と認められる存在だが、キョンは通称で本名は明らかにされていない。SOS団の平団員で、メンバーの中でただ一人、特別な能力を持たない一般人かつ常識人。周囲の、主に涼宮ハルヒに対するツッコミ役で多忙を極めている。ハルヒの暴走を止める役回りを担うことが多いが、それゆえに被害を浴びて笑いの対象にされることも数多い。

涼宮 ハルヒ (すずみや はるひ)

SOS団団長。美少女だが我儘で横暴で強引で自己中心的で、言動は変人の域。季節のイベントになると無茶な企画を提案したり、学園祭の芝居では突拍子もないシナリオや設定を生み出す。日常に退屈し非日常を望む涼宮ハルヒがストレスを感じると閉鎖空間が発生し、それが事件へとつながっていく。キョンに対する言動は暴力的だが、好意を持っている節もある。 特撮とコスプレが好みで、特に朝比奈みくるや森園生は、ハルヒの暴走によりたびたび犠牲となり、コスプレをさせられている。キョンの初夢に、なぜか牧羊犬になって現われる。

長門 有希 (ながと ゆき)

SOS団専属無口キャラで唯一の文芸部員。その正体は宇宙人であり、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースと自称している。時々コンピュータ研究部の活動に参加する。熱心なゲーマーで、文芸部の部室では、日の当たる暖かい場所でいつもゲームをしている。コスプレやオタク文化のこととなると目を輝かせ、特撮ものにも興味を持っている。 普段ゲームをしている時につけているウサギ型ヘッドホンはキョンからの貰い物。超人的な能力を持っているが、それを使うことは稀。大食いキャラでもある。キョンの初夢にナスのコスプレをして登場するのが定番。

朝比奈 みくる (あさひな みくる)

SOS団専属マスコット。かわいいという理由だけで涼宮ハルヒに拉致され、SOS団のメンバーになった。未来人だが天然ボケで、怪しげな通販番組を見て即商品を購入してしまうほどに騙されやすい。ハルヒの思いつきでメイドなどさまざまなコスプレをさせられる。ハルヒにさんざんいじられているが、実は1学年年上。キョンの初夢では羊のコスプレで現われる。 なおキョンに説教をして、夏のビーチを堪能してはすぐに去ってしまう朝比奈みくる(大)も存在する。その正体は更に未来の世界から来たみくるである。

古泉 一樹 (こいずみ いつき)

SOS団副団長で超能力者。「謎の転校生」という触れ込みだが、1年経っても肩書は同じまま。笑顔のさわやかさな好青年。SOS団の中ではボケもツッコミも担い、キョンとの名コンビぶりを発揮している。すべてのゲームに負ける男という一面を持つ。涼宮ハルヒの引き起こす閉鎖空間に対処するための機関に所属しており、彼女の思いつきによる行動への対処が素早い。 閉鎖空間では神人と戦う能力を持っていて、超能力戦隊レッドとして見せ場を作るものの、勝敗は微妙。キョンの初夢では富士泉という、空中浮揚ができて住居にもなる、富士山のコスプレをする。

朝倉 涼子 (あさくら りょうこ)

長門有希と同じく宇宙人で対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースだが、思想の異なる組織に所属している。その思想の違いからキョンを殺そうとしたが、長門の頭突きによって失敗し、消失してしまう。その直後、バックアップによって小さくなって復活し、以降は「あちゃくらさん」と呼ばれて長門の家に居候する。1日中家事をしていて長門やキミドリさんとは楽しく暮らしている模様。 自他共に認める刃物の使い手でもある。ネコが大の苦手。

キミドリさん

キョンにもらった風船から長門有希が作り上げた人工生命体で、犬の格好をしている。名前は本人が「体の色にちなんでキミドリさんとでも呼んでください」と発言したところから定着した。普段は小さくなった朝倉涼子(あちゃくらさん)と行動を共にし、長門の家に居候している。あちゃくらさんが回想シーンを語ろうとすると、自分の出番が減るという理由で必至に遮る。 好物は砂糖水だがあちゃくらさんの機嫌を損ねるとただの水にされてしまう。ゴムの特性を活かし大きくなったり、中の空気をヘリウムガスに変化させて宙に浮くことができる。

無限ライオン (むげんらいおん)

涼宮ハルヒに召喚された地球外生命体。文芸部の部室にある魔法のキュウスの魔神だが、キュウスは朝比奈みくるが購入したものであり、キュウスに封じ込めたのは長門有希。普段はみくるが面倒を見ていて、マフラーなどに変形できる能力がある。

鶴屋さん (つるやさん)

朝比奈みくるの同級生で、友達という関係からSOS団名誉顧問を自称する。地元では最も大きい財閥の娘で、SOS団が活動するためのスポンサーになったり、広大な敷地や施設を提供する。鶴屋流古武術の達人で、森園生とは格闘技のライバル関係にある。また機関のスポンサーでもあり古泉一樹などの暗躍を支えている。 鶴屋さんのノリと奥義で事件が解決してしまうことも数多い。キョンの初夢には鶴のコスプレで現われるが、鶴ではなく「心は鷹」であるという。

キョンの妹 (きょんのいもうと)

兄であるキョン同様、本名不明。楽しいことに目がなく、兄が自分抜きで涼宮ハルヒたちと楽しいことをしてきた後には、キョンを容赦なく攻撃する。ハルヒとは気が合い「ハルにゃん」と呼び、キョンの許可なくイベントに参加することもある。ネコへの対処に関しては、朝倉涼子とキミドリさんの師匠的存在。

森 園生 (もり そのう)

普段はメイドだが機関の構成員であり、格闘技もこなす。鶴屋さんとは良き友人でライバルだが戦闘能力は森園生の方が優れている。メイドとしての所作の完璧さで朝比奈みくるに憧れられているが、古泉一樹からは不当にも早くからドジッ娘として扱われている。涼宮ハルヒの思いつきと無茶振りの犠牲になりさまざまなコスプレをさせられる一人だが、周囲の評判は上々。

新川 (あらかわ)

機関の構成員で、白髪がダンディな初老の男性。古泉一樹の呼びかけに応じてどこにでも車、時には路線バスで駆けつける、超人的なドライブテクニックを持つ。また、古泉に扮装しても周囲を納得させてしまう求心力がある。丸鶴デパートの屋上で開催される特撮ヒーローイベントでは最も人気がある人物。なお、キョンは新川が機関のメンバーであることを知っている。

渡橋 泰水 (わたはし やすみ)

途中からSOS団に入団したドジっ娘新入生。髪飾りがチャームポイントだが、これは何らかの謎の機能を有している様子。入団当初から朝比奈みくるに度を超えたかわいがられ方をされており、他のメンバーからも、親しみを込めて「ヤスミン」「ヤスミ」と呼ばれている。

谷口 (たにぐち)

北高でのキョンの親友。国木田と比べていわゆる「ダメな方」の親友とされている。朝比奈みくるグッズや、鶴屋さんと森園生の笑顔に弱く、そのために涼宮ハルヒやキョンからの無茶な要望も聞き入れてしまう。ハルヒの強引な要望で、イベントがあるごとに鬼のコスプレをさせられ、貧乏くじを引くことが多い。

国木田 (くにきだ)

北高でのキョンの親友。谷口と比べて「まだいい方」の親友と紹介されていて、実際に冷静なしっかり者。しかしSOS団の騒動に絡んだせいでセーラー服とスクール水着のコスプレが似合うことが判明してしまう。もちろん本人は、のちにそのイメージを嫌うことになる。

コンピ研部長 (こんぴけんぶちょう)

SOS団、特に涼宮ハルヒに自作のゲームソフトで対戦を挑むコンピュータ研究部の部長で、本名は不明。過去にもハルヒと勝負して負けたことがあり、絶対服従を命じられているが、その詳細は明らかになっていない。備品を巻き上げられたり不要品を押しつけられたりと、ハルヒのわがままの被害を受けることが多い。

喜緑 江美里 (きみどり えみり)

自称「コンピ研部長の彼女」で、部長が不登校になったことによりSOS団に助けを求める。生徒会の書記で涼宮ハルヒたちの行きつけの喫茶店でアルバイトをしている。ネコになった周防九曜と同じく、長門有希の自宅に出入りするようになる。ちなみに、長門の自宅にいる人口生命体キミドリさんとは名前は似ているが無関係。

佐々木 (ささき)

中学時代のキョンの親友だった女の子。ただし結局恋愛には発展しなかった。SOS団に対抗して佐々木団を結成する。佐々木団のメンバーには橘京子、藤原、周防九曜がいるが、登場の仕方が唐突でキョンを困惑させていた。

橘 京子 (たちばな きょうこ)

佐々木団のメンバーで超能力者。古泉一樹の属する機関と敵対する別の組織に属しているが、森園生(森さん)に憧れて「先輩」と慕うようになり、メイドの修練を積むことになる。ついには森さんに弟子入りしてしまい、敵対組織である機関にも顔を出し、会議のお手伝いなどをしている。

藤原 (ふじわら)

佐々木団の一員で未来人の男性。高飛車な口調が特徴だが、発した言葉が自分に戻ってきてしまう。佐々木団の集まりで自己紹介を始めようとするが、同席していたキョンのツッコミにより遮られたせいで、正体が明らかにならなかった。朝比奈みくる(大)の熱烈なファン。

周防 九曜 (すおう くよう)

佐々木団の一員で宇宙人。喜緑江美里の暗示によってネコ耳が生え小型化してしまい、その時には「くにょん」と呼ばれるようになる。朝倉涼子のライバルだが、長門有希の家で一緒に過ごしている。佐々木団の集まりでは何を思ってか黙ってパフェを見つめ続け、メンバーを困惑させる。

集団・組織

SOS団 (えすおーえすだん)

「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」の略。涼宮ハルヒの思いつきで学校行事や町内イベントなどさまざまなものに乱入、そうでない時は想定外の季節イベントを実行、更には映画撮影の企画まで行う等、活動内容は多岐に渡る。大規模なイベントを行う時は名誉顧問兼スポンサーである鶴屋さんの一存で鶴屋家の敷地を提供してもらい、会場とする場合もある。 学校内での活動は、ハルヒが占拠した文芸部部室を拠点として行われている。公式のWebサイトも存在する。

機関 (きかん)

超能力者の集団で、涼宮ハルヒがストレスを感じることで閉鎖空間が発生した時の対処のため、ハルヒやキョンの周囲でおおっぴらに暗躍をする。資金調達のため、スポンサーである鶴屋家の私有施設でアルバイトをしたり、デパートでの超能力戦隊ショーを行うこともある。怪しい通販番組を学校の放送室の設備を利用して制作したり、キョンを巻き込んで恋愛イベントをサポートするなど、ハルヒを退屈させないための行動を行っている。 本部は北高近所のとある貸しビルの2階にあり、随時暗躍会議が行われているが、キョンが招かれたり、敵対組織のメンバーである橘京子が森園生からメイドの極意を学ぶなど、機関以外の人物も参加するオープンな場となっている。

コンピュータ研究部 (こんぴゅーたけんきゅうぶ)

文芸部部室と同じ建物にある文化系クラブで、SOS団にゲームで勝負を挑むも、毎度あっさりと負けている。涼宮ハルヒによって略奪された備品は多数に上る。活動内容は主に極初歩的なゲームのプログラミングだが、長門有希が手を加えることによって市販できるレベルにまで完成度が高められることがある。

場所

北高 (きたこう)

キョンや涼宮ハルヒが通う高校。ごく普通の公立高等学校で、特別に噂となっている怪談や七不思議もない。正確には「北高七不思議」は存在するのだが、それはすべてハルヒが暇つぶしに行ったことがきっかけで生まれたものである。SOS団の活動の中心となっている場所で、ハルヒたちが関わる事件の舞台になること常である。

鶴屋家 (つるやけ)

鶴屋さんの一家で地元では最も大きな財閥。鶴屋さんがSOS団の遊び場所を提供することで、事態が大きく発展することが多い。代表的な場所は「鶴屋山」でバス停もあるが、猛獣が生息し、私有地であるためにセキュリティレベルが高く、鶴屋家の援助を受けている機関のメンバーでさえ立ち入りできない場所が数多くある。それ以外にも、機関のメンバーが超能力戦隊ショーを屋上で開催する丸鶴デパート、私有地内にある鶴屋神社、鶴屋家所有七夕公園、花見専用公園などの専用施設、さらには無人島も所有している。

その他キーワード

閉鎖空間 (へいさくうかん)

涼宮ハルヒのストレスが溜まったり、体調が悪くなった時に現われる空間。これが拡大することで現実世界に被害が及ぶと考えられている。閉鎖空間には一般の人間は入ることができず、中に入るためには古泉一樹のような超能力者の力を用いる必要がある。閉鎖空間の中には神人がいて、古泉をリーダーとする超能力戦隊と戦うことになる。 ちなみに、超能力戦隊はメンバーごとに色が決められているのだが、戦う時には全員が赤く光るので無意味という説もある。

メイドロワイヤル

長門有希がハマっているゲーム作品。シリーズ作品のようで、最初はアドベンチャー系のゲームだったが、続編は対戦格闘ゲームになった。コミック、ライトノベル、アニメ化などのメディア展開も盛んで、長門の所有する関連書籍は膨大なものになっている。

クレジット

原作

谷川流

キャラクター原案

いとうのいぢ

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