無能なナナ

孤島の学園に集められた、人類に災いをなす可能性を持つ「能力者」の生徒達。そんな生徒の中に紛れ込んだ、ただ一人能力を持たない「無能力者」である柊ナナが、常人なりの創意工夫を凝らし、一人、また一人と能力者を抹殺していく姿を描くサスペンス。PCゲーム「車輪の国、向日葵の少女」を代表作とするシナリオライターのるーすぼーいが初めて漫画原作に挑んだ作品であり、古屋庵にとってはデビュー作にあたる。

正式名称
無能なナナ
原作者
るーすぼーい
作画
ジャンル
異能力・超能力
レーベル
ガンガンコミックス(エニックス)
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あらすじ

第1巻

日本のどこかの島にある、「人類の敵と戦うために能力者を育成する」ための機関「孤島の学園」に、ある日、柊ナナ小野寺キョウヤの二人が転校して来た。ナナは「自分は心を読む能力を持っている」と吹聴し、中島ナナオといういじめられっ子の少年と親しくなっていったが、本性を現してナナオを崖から突き落として殺害する。実は「能力者」こそが人類の敵であり、ナナの正体は、孤島の学園に集められた「能力者」を、秘密裏に殺害するために派遣された刺客だったのである。ナナの次のターゲットは、意図せずにナナオの死の真相に迫りそうになった時間遡行能力者の渋沢ヨウヘイであった。ヨウヘイはナナの仕掛けた罠にはまり、溺死させられてしまう。次なるターゲットは、執拗にナナの正体を追求しようとするキョウヤ。ナナはキョウヤのいる小屋に火を放つが、キョウヤは「不老不死」の能力の持ち主だったため、殺害に失敗してしまう。

第2巻

小野寺キョウヤの疑いを逸らすため、柊ナナはヒーリング能力者である犬飼ミチルを利用し、自らが「人類の敵」に襲われたように装い、自作自演で自ら付けた傷をミチルに癒させた。これによりクラスメイトからの信頼を得たナナは、「孤島の学園」のリーダーの地位を手に入れる。しかし、未来予知能力を持つ葉多平ツネキチがナナの正体を知り、ナナを脅迫しようとする。ナナはトリックを使って自分がツネキチに殺されたかのように見える状況を作り出し、それを予知させる事でツネキチを出し抜いて殺害。だが相次ぐ死者の続出に、事態を不審がる人間は次第に増えていく。ツネキチの葬儀の席において、自称ネクロマンサーの風間シンジが、ツネキチの死体に証言をさせようと言い出す。これにより、ナナの次なるターゲットは、シンジとそのガールフレンドの佐々木ユウカと決まった。だが、毒殺したはずのシンジはあっけなく蘇り、ナナを襲撃する。実はユウカこそがネクロマンサーであり、シンジはユウカにあやつられる、怪力能力を持つ死者だったのだ。

第3巻

風間シンジ佐々木ユウカの襲撃により窮地に陥る柊ナナだったが、ユウカに「シンジの心の声を聞かせてやる」と持ち掛け、かろうじて窮地を脱する。その後、ユウカとナナのあいだで殺し合いが勃発する。ユウカの能力は、その死者が生前に触れていたものを身につけていなければ、あやつる事はできないという欠点があり、相互に謀略を巡らし合った末、シンジの遺品を密かに奪い取ったナナがユウカを殺害する。だが続出する死者に、小野寺キョウヤのナナに対する疑いはさらに膨れ上がっていった。ナナは犬飼ミチルのサポートで、キョウヤの疑いを逸らす事にどうにか成功するが、突如としてミチルがナナに対してカッターナイフを突きつける。そのミチルはミチルではなく、また「孤島の学園」の生徒でもなく、橘ジンという青年であった。ジンはかつての孤島の学園の生徒であり、そして自分達「能力者」こそが人類の敵そのものなのだという事実を知る存在であった。ジンの暗躍により、キョウヤそしてミチルの前で本性を暴かれたナナは、窮地に陥ってしまう。

登場人物・キャラクター

柊 ナナ

「孤島の学園」に転校して来た女子生徒。実は生徒たちの中ではただ1人超能力を持たない「無能力者」だが、他の生徒たちには、「心を読む能力を持っている」と嘘をついている。その正体は、能力者たちの隠している能力を暴き、密かに抹殺することを目的に、政府機関から派遣された暗殺者である。

小野寺 キョウヤ

柊ナナと同じ日に「孤島の学園」に転校して来た男子生徒。かつて妹も「孤島の学園」に送られて来ており、その消息を案じている。クラス内で公言してはいないが、「不老不死」の能力を持つ。中島ナナオの死にナナが関わっているのではないかと疑っており、独自に調査を進めている。能力から推測される推定殺害人数は、不明とされている。

中島 ナナオ

「孤島の学園」の男子生徒。クラス内で公言してはいないが、「人の能力を無効化する」という能力を持つ。いじめられっ子であったが、政府機関による分析などによれば、「能力者」たちのリーダーとなる素質を秘めており、能力から推測される推定殺害人数は、100万人以上。柊ナナが最初に抹殺したターゲットとなった。

渋沢 ヨウヘイ

「孤島の学園」の男子生徒。「時間を止める能力」を持つといわれているが、正確には、「過去に戻る能力」の持ち主。歴史を改変することもできるが、遡れる時間は24時間が限度であり、遡る時間が遠いほどエネルギーを消耗する。また、過去の世界で他人に姿を見られると能力が解けてしまう。能力から推測される推定殺害人数は、80万人以上。 柊ナナによる中島ナナオ殺害の秘密に迫ったため、ナナによって抹殺された。

モグオ

「孤島の学園」の男子生徒。炎を操る能力を持ち、「炎の貴公子」を自称している。対極の能力を持つキョウヤとは仲が悪く、ライバル関係にあるが、一対一で勝負すると負けてしまう。不良じみたところがあり、中島ナナオをいじめていた。

キョウヤ

「孤島の学園」の男子生徒。氷を操る能力を持ち、池も一瞬で完全凍結させることができるが、生きた人間を直接凍らせることはできず、能力には何らかの制約がある様子。対極の能力を持つモグオとは仲が悪く、ライバル関係にある。

犬飼 ミチル

「孤島の学園」の女子生徒。舌で舐めることによって傷を治すという能力を持ち、その対象は自分・他人を問わない。ただし、能力を使うと自らの寿命が縮んでしまう。現状では死者を生き返らせることはできないが、犬飼ミチル自身はいつか死者を蘇らせる能力を身につけたいと願っている。能力から推測される推定殺害人数は、15万人以上。

葉多平 ツネキチ

「孤島の学園」の男子生徒。未来を予知し、その内容をカメラで念写するという能力を持つ。能力から推測される推定殺害人数は、50万人以上。最も早くに中島ナナオを殺した犯人が柊ナナであるという事実に辿り着いたが、その事実を公表せずにナナを脅迫するために利用しようとして、ナナに抹殺された。

風間 シンジ

「孤島の学園」の男子生徒。死体を操作する能力を持つと語り、能力から推測される推定殺害人数は30万人以上といわれていたが、実際には、死体操作能力を持つのは佐々木ユウカであり、風間シンジはユウカによって操作されている死体である。生前の能力は怪力。

佐々木 ユウカ

「孤島の学園」の女子生徒。風間シンジの幼なじみで、能力は怪力であると語っている。実は「死体操作(ネクロマンシー)」と呼ばれる、死体を操ったり、死体と知覚を共有したり、死体の記憶を引き出したり、死体の持っていた力を使いこなしたりする能力を持つ。能力から推測される推定殺害人数は、30万人以上。

橘 ジン

「能力者」の青年。かつては「孤島の学園」の生徒だったが、5年前、当時の生徒達が殺し合いを始めた時、能力を駆使して本土に逃げ帰った。しかし、自分達の起こした事件が秘匿されている事実を知り、真相を探るために島に戻り、以後島の中に潜んで暮らしていた。他人の姿形と能力をコピーできる能力を持つ。

場所

孤島の学園

日本のどこかの島に建てられた、学校を装った機関。「人類の敵」と呼ばれる存在と戦うために「能力者」の生徒たちを集めた場所であるとされているが、実際には「人類の敵」というのは「能力者」自身のことであり、彼らは殺されるためにこの島に集められている。ただし教師たちは本物で、「能力者」の生徒たちはもちろん、教師陣もその事実を知らない。 また、島に一般的な警察などは存在しない。

その他キーワード

能力者

超常の力を持った者たちの総称。「孤島の学園」に集められている。最初の「能力者」が西暦19XX年に出現し、都市を破壊して殺戮の限りを尽くした。以来、能力を持った子供たちが各地に生まれるようになり、人類の大きな脅威となっている。「孤島の学園」の生徒たちは、自分たちこそが「人類の敵」と呼ばれる存在であることを知らされていない。 人類社会に対する脅威度に応じて、それぞれに「推定殺害人数」という指標が与えられている。「推定殺害人数」が多いほど、脅威度が高いことを意味する。

無能力者

超常の力を持たない者、つまりは普通の人間たち。かつて「能力者」たちを懐柔して軍事利用しようとしたり、組織化してコントロールしようとしたりと、ある種の共存を目指してさまざまな試みがなされたが、いずれも失敗に終わった。そのため、現在は「能力者はすべて抹殺する」という方針を採っている。

クレジット

原作

るーすぼーい

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