概要・あらすじ
R大学に所属する研究員の佐藤栄作は、アメリカ極東軍からの極秘依頼によりある特殊薬剤の開発のため、学内での研究に毎夜遅くまで没頭していた。ある日の夜、彼は誰もいないはずの教室で一人熱心に勉強している学生、岡田四郎と言葉を交わす。しかし、その教室は現実には存在しない教室で、在学生名簿にも岡田四郎なる名は見当たらなかったのである。
登場人物・キャラクター
佐藤 栄作 (さとう えいさく)
R大学の研究員の青年で、ベトナム戦争の只中、アメリカ極東軍からの依頼によって軍事機密の薬剤開発研究に没頭している。同僚から研究の危険性を指摘されているが、制止を振りきって研究を続行する学究の虫。名前は、雑誌掲載当時の総理大臣と同姓同名となっている。
岡田 四郎 (おかだ しろう)
大磯から通学しているR大学の男子学生。いつも遅くまで学内に残って勉強しており、学内に宿泊することも多いという努力家。大学生には珍しい丸刈りで色白の生真面目な性格の青年。
大学研究員 (だいがくけんきゅういん)
R大学の研究員で佐藤栄作の同僚の青年。佐藤がアメリカ極東軍から拠出された費用で極秘の研究を進めていることを知る。そして、その研究がベトナム戦争に関わる薬剤であることを察知し、佐藤にその危険性を説いて研究の中断を忠告する。