概要・あらすじ
戦後間もない昭和20年代。川岸の広大な草っ原に建てられた戸数100余りの集落が舞台。混沌の中で逞しく生きる無頼漢たちの姿をのびのびと描いた作品。作者・つげ忠男によると、500ページ以上の大長編になる予定だったが、諸事情によりほんの描き出し部分のみで未完になってしまったという。登場人物の一人が歌う、ディック・ミネの「夜霧のブルース」が印象的。
つげ忠男の代表作の一つ。
登場人物・キャラクター
佐藤 明 (さとう あきら)
川岸の集落に流れ着いた青年。素性は不明。街の案内人に連れられて街を見て歩く。
案内人 (あんないにん)
無精ひげを生やしたやせ形の中年。新しく街に流れ着いた佐藤に、集落の成り立ちのいきさつや現状を教え、案内料をせしめる。また、半ば強引に宿の手配をする。
サブやん
無銭飲食やショバ代をせびるヤクザものから街の商売人たちを守る用心棒のような存在。喧嘩が滅法強い。
銀さん (ぎんさん)
サングラスをかけた長髪の中年。街の顔役でトラブルを仲裁してお金を稼ぐ。
リュウやん
巨漢で怪力自慢。米兵相手に腕相撲勝負をして稼ぐ。負け金を払わない米兵2人を相手に大立ち回りを演じる。
集団・組織
街 (まち)
S川の川岸の広大な草っ原に建てられた戸数100余りの集落。戦後の闇市のような異様な活気があり、人の命さえ金で買えるという無法地帯。